クラス分け
「はぁ。弁当・・・・・」一樹はため息をついた。
異世界でしたいこと現実でしてしまったおかげで、現在ひもじい思いをしている。
「やめようかなぁ・・・・・・・・」
いや、と思いなおす。
やめるなら、やめるでもっと大きなことをしないと。
そう思った、一樹は、目を瞑り、手を組んで、叫ぶ。
「今から、聖ランケトプス学院のクラス分け発表を始めます」
「え、」と周囲にいた連中が振り向く。
「まずS組の人を発表します。アンソニー・ワルツ」
教室中に響き渡る声で名前を発表し続ける。
「エトワール・ミラビリス」の段階で、大半の人がこっちをちらちら見ていたし、「クリストファー・レング」の時には、クラスの全員が弁当そっちのけで、一樹を見ている。
しかも、時々一樹は「もうすぐだな。ルミカル」とか「緊張してきた」など言っている。
そして、名前の発表を始めてから、15分ぐらいたったとき
「ルナジーニ・オブライエン」と一樹が言った。
そして、すぐさま「よし」と一樹がガッポーズしながら叫ぶ。
そして、一樹は立ち上がり、まるで北朝鮮の兵隊か、と言いたくなるような歩き方で、教卓に向かう。
まず、一樹は敬礼し、黒板の方を見る。
すると、一樹はしわがれたお爺さんの声でこう言う。
「ルナジーニ・オブライエン君。君は今日から聖ランケトプス学院のS組の生徒です。その名に恥じぬよう、正々堂々頑張りなさい。」
一樹がいつもの声で「はい」という。
そして一樹は表彰状をもらうような仕草をした。
すぐに、また敬礼し、北朝鮮歩きで、席に戻って行った。
誰かが笑った。1人が笑い出すと止まらなくなり、クラス中が笑いに包まれた。
そこで「あの、歩き方なら拍手しないと」と誰かが言った。
「いや、あの空気じゃ無理ですよ。」正論を誰かが言う。
笑いが起きた瞬間、「以上で、S組の発表を終わります。続いて、A組の発表です。」という一樹の感情のない声がクラスに響き渡る。
「そこは。そこだけは黙ってろよ」悲痛な声で誰かが言う。
そんな声を、当然無視(?)し、A組の発表を続ける。
その間、誰も何も言わなかった。ただ一樹の声だけ聞こえていた。
そんな、クラスの雰囲気を打破する。
最強の戦士がやってきた。授業という。
一樹が「レモン・キジュユ」と言った瞬間、チャイムが鳴り、教師が入ってきた。
クラスの人もいつもは「えー」という感じだが、今日は明らかにホッとした表情を浮かべていた。
それに気付いた、先生が「おい、今日はどうした。」と生徒に問う。
その問いに返す間もなく、「呼ばれなかった、生徒はB組です。続いて校長先生のお話です。」との声が教室に響く。
「深見どうした?」
「えー、皆さんご入学おめでとう。これからは聖ランケトプス学院の生徒としての生活をするわけです。
楽しい事、悲しい事、その他諸々あると思いますが、楽しんで学校生活をしてください。以上です。」
先ほどのお爺さんの声で言った。
「お、おい深見お前は日本学院の生徒だぞ。」先生は焦りながら言う。
「S組の担任のロンです。皆さんはこれから、この学院の生徒として誇りを持って行動してもらいたいです。例えば万引きなどは、この学院の生徒らしいやり方で成功してもらいたいですね。言ってる意味は分かりますね。」
「深見。万引きはだめだぞ。分かってるか~」
「以上です。解散。」
「はい。」そして一樹はカバンを持って、教室から出て行った。
先生はただ茫然としていた。