ある夜の話
ギリギリ・・・カチ!
ようやく、開けられた。この金庫だけで30分もかかってしまった。速くしないと、家主が帰ってくる。
金庫の扉を開け、中に入っている小さな袋を掴み、窓から飛び出す。
二階から道路に着地し、走り出す。
静かに、そして速く、誰にも見られてはいけない。
2キロほど走ったところで、近くにあった橋の下へ隠れる。
先ほどの袋を取り出し、中身を確認する。
「入ってるな」
目当ての物を確認して、携帯電話を取り出し、電話をかける。
「もしもし、深夜か?俺だ。ちゃんと手に入れた。今からそっちへ向かう。・・・何?コーラだと?わかったよ。じゃあ、後で」
30秒ほどで用件を伝え、再び走り出す。
目的地はこの街の中心にあるホテル。
ホテルへ行く前にコンビニでコーラのペットボトルを10本ほど買い、ホテルに到着した。
ロビーを通り過ぎ、階段で最上階へ向かう。
最上階である27階に到着し、一番奥の275号室へ向かう。
インターホンを押すと、ドタドタと走る音が聞こえた後、ドアが開いた。
中に入り、鍵を閉め、チェーンをかける。
部屋は、このホテルで最も豪華な部屋で、
広々としている。
奥にある大きなベッドの上で、高校生くらいの女子が座っている。今回の依頼人だ。
「珠崎くん、お疲れ様。・・・それで、頼んだ物は?」
無言で袋を少女の前に置く。
「ありがとう、報酬は50万円くらいで良い?」
50万円の金額が書かれた小切手を受け取り、部屋を出て行こうとすると、袖を掴まれた。
「何で喋らないの?私さっきの電話で何か失礼な事言った?」
「いいや、喋るのがめんどくさいだけだ。ほら、コーラも。」
コーラを渡して、一つの質問をする。
「なぜお前は俺に警察から銃弾なんかを盗ませたんだ?」