普通男子も色々あるんです!パート1
俺の名前は、瀬名 邑十。
高2だ。
おれは、属に言う、地味男子だ。
地味か派手かで言われると地味。
でも、地味すぎない。だから、いわゆる普通男子だ。
普通男子はすべてが平凡という訳でもない。全て普通だから勉強が飛びぬけてできるわけでもない。
友達もそれなりにいる。
最近思う。俺は可哀想だ。
俺の兄は瀬名 愛十。大学2年だ。
俺は生まれてからずっと比べられてきた。
テストの点数や、運動能力、器用さなど。しまいには顔まで。全てが比べられて、
なんでもできてしまう兄と全てが普通な俺。不公平だ。
でも、俺は兄を尊敬してるし今でも嫌いだなんて思ったことはない。
まぁ、余談はこの辺にしといて…
俺は普通。普通だ。
顔もキモくはない。そこそこだ。
バカでもない。勉強はそこそこできる。
何度か告白されたこともある。
なのに、結局は普通の男子高校生なのだ。
でも、今は俺だって恋がしたい。
といっても、小学生の頃好きだった女の子のことが未だに忘れられない、繊細な俺。
もう一度会って気持ちを伝えたい。
まぁ、無理な話だろうケド…
ガラガラッ…―
担任が入ってきた。
もうHRか。
「はーい。席につけー。今日は転校生がきてるぞー。天音ーはいれー」
ぶわっ…
なんだ?このカンジ…
入ってきたのは、とても長い黒髪ストレートの目はぱっちり二重で、
どちらかというと細身だろう。とっても白い肌は透き通っていてむこうが見えそうなくらい綺麗だ。
俺は一気に胸が熱くなった…
先生の言葉で我に返る
「えー!こいつはー」
ハッ…―
「どーした、瀬名ぁ!なんかあったか?ははは」
クラスの皆が笑う。
「い…いえ…」
「あ…」
転校生は初めて声を出した…
とっても綺麗な女の子ってカンジの声だ。
「ゆうちゃん?」
ん?おれのことか?
「ゆうちゃんだ!ひさしぶりー。ずっと会いたかったー」
俺の下へ歩み寄った。
そして、いきなり抱きついた。
!?
「えっ…」
「覚えてないの!?麻胡だよ!あまね まこ!」
どっかで聞い…!
「あ!」
俺の忘れられなかった女の子…
《天音 麻胡》だ!
「思い出してくれた?」
「あ…うん…」
「おーい!あまねー!自己紹介しろー」
「あ!はい… えーっと、天音麻胡です。わたし、もともと男の子が苦手なので、女の子の友達が欲しいです!女の子はまこって呼んでね!」
「んー、じゃあ、お前の席はー…」
先生の言葉を遮った…
「わたし!ゆうちゃ…せなくんの隣がいいです!」
んんんんんー?なんだこの展開!おいおいおい早すぎだろ!おい!
「んー、まー、お前の好きなところに座れー」
「はーい!」
まこは、席に着くまでに居る女の子たちに挨拶をしてこっちに来た。
「ゆうちゃん!これからよろしくね!」
「お…おう!」
こんなんでいいのか?なんか展開早すぎて笑える!はっはっは…
おれは、再びこの子に恋をしたのかもしれない…
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