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デバックルーム。振り返る前に(無部屋)




 自分の人生は77歳で幕を閉じた。死因は老衰。認知症ボケて死んではいないはず、…多分。


 自分は生きてた頃は、何と勇者! 人を守る為に魔物を倒し、脅威となった魔王達もバッサバサと倒した! 勿論仲間もいたりで助け合ってな!


 ただし老化には敵わず別の勇者素質者に託して隠居して……さっき言った通りポックリよ。


 …………で、死んだら永眠なんだろうなあっと思っていたが。真っ暗な場所に1人の人の形をした真っ白なモノがいるじゃないか。


「はーい。おめでとう!」


 いきなり中世的な声を出したと思いきやパチパチ拍手をする。周囲に誰もいないのに他からも拍手音がする。なんだかすごく気味が悪い。


「なんだ? お前は魔王か何かか!?」


 自分は……俺は白い者に指を指して質問する。


「私は神でもあるし悪魔でもある。君から見たらね。」


 は? 何を言っているんだこいつは? 楽観的態度な白い者にイラッっとする。俺は少し攻撃的になる。


「こんな老いぼれの俺をイジメ気だな? この雑魚魔王が! いいぜ、相手してやる!」


 白い者は俺の言葉を聞くと、わっははと大笑い。


「何言ってんのよ? 今の君は若いじゃないか?」


 その言葉に自分を確認。声と顔や身体のあちこち触ると、それは老人の自分ではない。10代から20代前半くらいだった自分のようだ。


「どういう事だ?」


 この疑問を白い者は直に答えた。


「君は死んだ。そしてこのデバックルームに着いた。それだけさ。」


「デバック? なんだそれは?」


「んーとね。簡単に言うとね、君達の世界を安定させる為の作業所と思ってくれていいよ。」


「……余計分からないが。」


「じゃあ、試しに……。ほい!」


 白い者が指差しをクイクイ気持ち悪く動かし、最後にポンっと弾いた。すると……。


「あ、足が!!」


 俺は……ワシは足にチカラが入らず倒れ込む。何が起きたんじゃと確認すると、視力が悪くなってしまい分かりずらいのだが、さっきまで筋肉質な身体がしわくちゃでほとんど骨と皮だけの老人化となっている。


「息が…苦しい……。」


「ああ! 流石に老わせ過ぎた! ごめんごめん! 戻すね!」


 数秒すると、俺はまた若い頃の自分へと変化しなおした。息も普通に問題ない。


「どう? わかったかな?」


「…………つまり俺を好き勝手にできる魔王なんだろ? お前は。」


「だーかーらー! 魔王とかそんなみみっちいのじゃないって! それに君を好き勝手できるというより、君の世界全てを好き勝手できるのさ。」


 ……俺は戦闘態勢に入る。武器はないので魔法で対抗する。


「………例え好き勝手できるとして、お前の目的はなんだ?」


 白い者が私の殺意に気づくとまた人差し指でササっと動かす。すると私の魔力が突如無くなり、身体が勝手に座り込んでしまう。


「最初におめでとうって言ったでしょ?」


 座り込んでいる俺に白い者が近づき、手を差し伸べて言い続ける。


「君という主人公は人生を頑張った。そのご褒美をあげる。例えば自分が何かをしていた時、他の仲間は何をしていたのだろうか? もし、あの時の選択を選んでいれば仲間が死なずにいた。とか。君が満足するまで聞いてあげる。」


 白い者の言葉に思う事がふと幾つも流れる。俺があの時、他の皆は何をしていたのか。…………。


 俺は差し伸べている真っ白な手を握った。




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