少しさかのぼり
戦後、主人公の国は
旧・例の帝国の沿岸領と、
沈黙帝国の沿岸州の一部を管理し、
同時に自国の焼けた都市を立て直すという
前代未聞の復興作業に取りかかっていた。
街は瓦礫の山だったが、
そこには奇妙な“静けさ”があった。
それは、世界が一度死んで、今また生まれ直しているかのような、
あまりに静謐な再生の時間だった。
だが主人公だけは、その静けさを信用できなかった。
理由はひとつ。
転生してすぐ、“神的存在”から受け取った“思考”である。
実際は思考がパラメータに組みこまれたに等しい
だが主人公が知る由もない。
改変直後、主人公は暗い深淵のような場所で
“声ではなく、概念そのもの”を受け取った。
それは
「この世界は本来、“核”に到達するはずのない文明だった」
という、ありえないほど強固な概念だった。
主人公は当時、意味を理解できなかった。
だが大陸三つ巴や小国の核武装とMIRV戦争の勃発を目の当たりにし、
ようやく恐ろしい仮説にたどり着く。
いろいろな旧国の記録をひたすら遡った結果、
重大な事実が見えてきた。
**どの国にも、核物理学に相当する学問体系が存在しない。**
あるのは蒸気、圧縮式砲、推進学、材料学、
化学式の応用程度まで。
不自然な空白がある。
まるで世界の文明そのものが”自分”が転生する前に
“核”という概念を避けるように成長してきた。
そして主人公は神的存在を思い返す。
“この世界は、核へ進む設計ではなかった”
さらに資料で調べた諸島にある鉱脈のことも
つまりこうだ。
この文明は“核へ到達しないように設計された世界”だった。
だからこそ
巨大ウラン鉱脈の存在自体が、
”この”世界の構造から見れば“異物”なのだ。
そして思考にふけって、
復興がようやく軌道に乗り始めたある日。
主人公国最大の港湾都市にて、
地鳴り以上の轟音が走った。
窓が震え、海面が揺れ、
空が、一瞬“白く”きらめいた。
「これは、爆発じゃない。」
実際、この世界で強力な小国の最終兵器(密集型MIRV)でもあった.。
それはopenfrontには存在しないものだった。
神的存在から与えられた思考が
再び脳内でざわつく。
そして主人公は言った。
「これは、爆発じゃない。」
主人公は、その光に向かって歩き出した。
そしてなぜ核という“異物”が投げ込まれたのか。
そして”不安定さ”が広がる先に、何があるのか。
それを確かめるために。




