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溶けた国境

とある日、地図の線が一本、消えた。


戦争はなかった。

宣戦布告もなかった。

だが、結果として隣国の名は地図から消え、

代わりに、主人公の国の色が静かに広がっていた。


それは「征服」と呼ぶには穏やかすぎた。

「合併」と呼ぶには、どこか冷たすぎた。

商人たちは冗談まじりにこう呼んだ。


「税率が変わっただけで国籍が変わったんだ」


周囲の国々は困惑した。


北方の強国は、

「脅威ではないが、放置すれば不気味で厄介だ」と報告し、

南方の連邦帝国は、

「哲学的詭弁で支配を正当化する奇人王」と評した。

そして南西の商業諸都市群は、

「取引が増えたなら、それでいい」と笑った。


そのどれもが()()()ではなかった。


しかし――その静けさは長くは続かなかった。


裏切った隣国に関係ある隣国と、その背後にいた強国。

両者の関係は、利害と猜疑で綻び始めていた。

強国は「支援の見返り」を要求し、

隣国は「独立の保証」を求め、

結局どちらも引けなくなった。


そして起きたのは、避けようのない衝突。


火薬と鉄ではなく、

食糧と貨幣という新たな形の戦争だった。


互いの補給線を奪い合い、

民が飢え、商路が止まり、

二つの国はわずか半年で疲弊した。


その頃、主人公の国では穀倉地帯が豊作を迎えていた。

倉庫の穀物を見ながら、彼は一言。


「余剰とは、誰かの不足の裏返しだ。」


そして、静かに命じる。


「戦場の向こうに売れ。条件は“入植と引き換え”だ。」


数ヶ月後、

飢えた民は国境を越え、

商人は安全な貨幣を求めて移り、

役人すら安定した制度を求めて亡命した。


やがてこの騒動により両国の王がいなくなり、

地図上の境界線は消えた。


新しい旗が立ったわけではない。

ただ、古い旗が静かに降ろされたのだ。


宰相が訪ねてきて言う。

「陛下、これで三国分の領がございます。」


主人公は紅茶を傾け、微笑した。

「領? いや、彼らがこちらに寄ってきただけさ。

 人も国も、居心地のいい方に流れるものだよ。」


こうして――

戦わずして三国を吸収したしたこの国は、

いつのまにか下の下ではあるが大国となっていた。

そしてこれらの吸収これらの吸収は約3日半で起こったことであった

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