戦略と裏切りの区別を考える
OpenFrontの空は今日も澄んでいたような気がした。
その透明な青の下で、人々は交易をし、密談をし、そして裏切りを準備している。
文明とは、信頼と欺瞞の均衡でできているらしい。
隣国の王が手紙を寄こした。
「共に新しい交易路を作らぬか?」
私はすぐに返事を書いた。
「賛成だ。ただし、道の半分は昼寝のために空けておいてほしい。」
使者は困惑して帰っていった。
翌週、その隣国は別の国と同盟を結んだという。
やはり、私のユーモアは外交に向いていないらしい。
同盟とは、裏切りの準備運動みたいなものだ。
重要なのは、相手が裏切る時期を予想すること。
哲学的に言えば、「信頼とは、裏切りの予定表の読み方」である。
そんな折、さらに大きな国——大陸でも名を知られる強国から使者が来た。
「陛下、あなたの小国を保護国としよう。」
つまり、平たく言えば“管理下に置く”ということだ。
「それは助かる。だが、私の昼寝の時間は誰が守ってくれるのかね?」
使者は答えられなかった。
外交とは、答えられない質問を投げる技術でもある。
その夜、参謀たちが集まった。
「陛下、このままでは国が呑まれます!」
私はパンを齧りながら言った。
「ならば、呑まれる前にこちらから笑って乾杯しよう。」
敵意に笑顔を混ぜると、相手は一瞬だけ考え込む。
その一瞬が、戦略のすべてだ。
結局、強国との同盟は結ばれた。
ただし条件は不明確で、書面には「友好のため」とだけ書かれている。
それでも国民は安心し、商人たちは新しい市場を夢見た。
実際、経済も少しだけ動き出した。
どうやらこの国は、笑いながら生き残る戦略を自然と選んでいるらしい。
夜、星を見上げながら、私はつぶやいた。
「裏切りのための同盟と同盟の違いは、記念写真を撮るかどうか、だけかもしれぬ。」
遠くの地平線では、また別の大国が動いている。
それでも、私の小国は今日も生きている。
ゆるやかに、したたかに、そして少しずつ——大国の輪に近づいて。




