大国への道
OpenFrontの大地には、国と国の間に見えない糸が張り巡らされていた。
それは交易の糸であり、噂の糸であり、時には戦争の引き金でもあるし、国境でもある。
私はその糸の先端に、小さく手をかけることになる——この時はまだ気づかずに。
隣国の使者が城に来た。
「陛下、我が国は貴国との同盟を望みます」
なるほど、同盟か。
でも、この使者の目は、少しも笑っていなかった。
信頼とは、疑いの裏返しである。
私は微笑んで迎える。
「歓迎だ。だが、昼寝の時間を邪魔しないでくれ。」
数日後、別の国から密使がやってきた。
「もし陛下が条件を受け入れぬなら、隣国と手を組みます」
なるほど、脅しもある。
だが私は、こう返した。
「昼寝の邪魔をされるより、裏切られるほうがマシだ」
言葉の端々に哲学を混ぜておくと、相手は混乱する。
混乱は、駆け引きの味方である。
さらに遠くの大国からは、商人が来た。
「我が国の技術を買えば、貴国はすぐに強国になれますぞ」
なるほど、誘惑もある。
私は笑いながら断った。
だが皮肉なことに——
こうして小さな信頼のやり取り、裏切りの匂い、そして微妙な脅しを交わすぞの間に、
国は少しずつ、しかし確実に、強くなりはじめていた。
民は気づかない。私は気づかないふりをする。
哲学的に言えば、強化とは自然の成り行きに過ぎないのだ。
夜、城の高台で星を眺めながら、私は思った。
「信頼と裏切りとは、余暇の間に編まれるネットワークかもしれぬ」
OpenFrontの大陸は広い。
そして、遠くの戦争、核、侵略の騒ぎが、やがてこの小国の運命にも触れるだろう——
まだ誰も知らないまま、今日も城の庭で風が吹く。




