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和都歴450年8月 僕は英雄、俺は妖を愛する者

>神と謁見した僕に、都の官人が束で来ようが問題ではない。もはや、西岡 良二郎という人間は存在しない。僕は女神に認められ、女神と共に山から人間を制する者。

それは乙名・野崎の為でも豪商の為でもない。君、紗矢とその子供?力と呼ぶ者の為でもない。

極楽浄土から世界を見渡し、その調和を見守るのだ。

君の様な、世俗に溺れた人間に、この崇高さは理解できないだろう。


女神・妖が言うには、更なる神酒を飲み、妖との儀式を行うことで僕は極楽浄土への出入りも自由になると言われた。そして、その時は近いと。

光栄だ。女神の啓示を受け、僕は次なる祖柄樫山の英雄に就くことを期待されている。


神酒・御美姫。いつも以上に吐き気がするも、妖の為に。妖への愛、欲望、征服。

女神は渡さない。

おお、見える、感じる、楽園・極楽浄土。

そして女神の純粋たるカラダと愛。

僕は、いや俺はここの人間、祖柄樫山の英雄。

女神・山照こと妖が望む、英雄に。


紗矢、君の平穏な生活をここから祈る。力、お前も真の役目を見つけよ。英雄の息子よ。


俺は置田蓮麻呂、彼の名を名乗る英雄、血を受け継ぐ者。


ーーーーー


良次郎さんへ


都の官人が捜索し、隊長からは彼方の処分を打ち明けられました。

自分の命に危険が迫っても、女神だかが守ってくれるというの?

祖柄樫山の幻惑野草や菌糸類で、彼方の人間としての思考は保たれないそうです。

彼方の病状が悪化し、意識が乖離すれば、私は彼方の、彼方は私の愛を感じることなど出来なくなるのですよ?


私たち家族など、もう頭の片隅にもないのでしょう。力は元気に成長し、お義兄様も良くしてくれる。

力もお義兄様をとても気に入って、毎日遊んでいます。


良次郎さん、私はこの子を育てます。

私とこの子、そこに❝救い❞を見出せないのなら、私から助けられることはもう無いでしょう。


紗矢

次回2025/4/25(金) 18:00~「ずっと僕。傍に、ずっと。俺は祖柄樫山」を配信予定です。

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― 新着の感想 ―
良二郎かなりやばいところまでいってしまいましたね。もう戻ることはないでしょう。
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