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8 ハル『黒』

黒柴かぁ。

可愛いけど……、死なないよね?


前世では目の前で死んでしまった。

今度こそ可愛がって幸せにするのだ。

そう決意した。


……前世か。そういえば、俺の前世の名前ってなんだっけ?

まぁ、いっか。もう二度と使うことはないだろうし。


そんなことより、こいつの名前を決めてやらないと。

そうだなぁ。黒いからブラック?

日曜日の朝にやる戦隊ものみたいでいやだなぁ。


……あれ? 俺の名前を決めるときみたいになっている。

このままだと、せっかく可愛い黒柴なのにダサい名前になってしまう……。


それは阻止しなければ!!!


……でも、他に思いつかない。仕方ない。せめてなるべく可愛いのにしよう。

エレ、チャル二ィ、チャルニ、カーラー、ハルとかかな。

どれにしようかなぁ………。


……よし!決めた!!


「お前の名前は、ハルだ。俺の名前と同じで、意味は黒っていうんだぞ。

お前は真っ黒だし、丁度いいな。」


俺は、ハルを掲げてそう言った。言ってることが分かるかは、分からないけどね。

いつか意思疎通が簡単にできるといいな。


「ワンッ。」


返事をするようにハルは鳴く。


可愛い。可愛いすぎる。


「お前、可愛いな。」


俺はもうすでにメロメロだ。目がハートになってないと願いたい。

名前を気に入ってくれたのかも。とても嬉しい。


そういえば、前世で助けようとした黒柴をもしちゃんと助けられたらどういう名前をつけたんだろう。やっぱりハル、かな。

……俺、ネーミングセンスがないっぽい。

悲しい………。



◇ ◇ ◇



数日経っても、師匠は戻ってこなかった。俺は、外に出て師匠が走っていった西の方を見る。


師匠は用事ができたのか、死んでしまったのかは分からない。

ハルがもう少し大きくなったら、ワーウルフの里に行ってみようかな。


「ワンワンッ。」


ゴンッと音がした。発生源は俺の腹。

ハルは俺が考え事をしていると、俺の周りをグルグル回ってから鳴き、腹に突っ込んでくる。

ちょっとあばら骨に当たるんだよね。

結構痛いが、可愛いのでいつも許してしまう。


「ワンッ。」


かまってほしいのだろうか。

とりあえず、モフろう。


「キャンキャン!」


ハルは短く鳴き、尻尾を高い位置で左右に大きく振り、喜びを最大限表している。

可愛い。さらにモフる。


そうすると、さらに尻尾を速く降る。


可愛い。けど、尻尾が千切れそうで怖い。

でも、可愛い。


俺って、こんなに犬が好きだったんだな。

でも、師匠みたいな怖い系は、

ちょっと、いや大分可愛がれる気がしない......。

実際に、師匠を可愛がったことなんて1度もないからな………。

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