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3 森の中にいる迫力のありすぎる人

光が収まるまでの間、現代でのことを思い出していた。俺、こんな人生だったのか……。

そう思いながら目を開けると、そこは森の中だった。


「なんか見覚えあるなぁ……。」


気のせいか。

ん?森の中?


「ここって、森の中じゃん!!初期位置街の近くにしてくれるんじゃなかったっけ!?」


あの神様のことだ。絶対に間違えたんだろうな……。どこか抜けてそうだったし。


そう思うと少し安心できた。

それから所持品の確認をした。


ちゃんと金持ってたよ。また神様が間違えてるんじゃないかと思って心配した。よかった~。

後、見た目も5歳ぐらいの幼児になってた。こっちも間違えてない。ちょっと幼すぎるけど。


結果、神様のドジは初期位置だけだった。

神様は一番間違えちゃダメなやつを間違えていると、俺は思う。ホントに。

下手したら死ぬんですけど。どうしてくれんの、あの神。

……まぁ、とりあえず街を目指していかないとな。



◇ ◇ ◇



数日後、問題がおきた。

一つ目は食料がないうえ、俺ががりがりに痩せていること。このまま痩せていくと、ヤバイな……

しょうがないだろう。こっちに来てから何も口に入れてないのだ。


二つ目は魔物だ。よくゴブリンに遭遇する。石を投げて撃退はできるのだ。でもなぜか倒せない。不思議だ。


三つ目は金だ。いつの間にか、落としてた。街に行く時困るが、とりあえずおいておこう。



さらに数日後。

もうがりがりって言っていいかわからないほど痩せたんだけど!!

もうまるで生きた屍!!

やばい。このままだと餓死しちゃう俺!!!



時間感覚が消えたころ、俺は動けなくなっていた。俺、またこんな場所で死ぬの?

ん? また? ……あっ! そうだ。前世で死んだあの森。あそこがここだとしたら、俺異世界転移してたことになるんだけど! 

合っているなら、この森の中に俺の死体が……。

それは嫌だな絶対嫌だ。


数分後、俺は意識を失った。



◇ ◇ ◇



意識が戻ってくると俺は葉の上で寝かされていた。


これが小説とかの創作物なら「森であなたを見つけたの…。どこか痛いところはないですか?」と優しく聞いてくれる美少女(そんなの見たことないけれど。)が隣にいるのだろうが、現実は違う。


まぁ、ホントにあったとしてもそんな美少女を信用なんて出来ないけど。俺が思うにこの世は女が原因で不幸な事故が起こるのだ。それに美しい花にはトゲがあるっていうし。簡単に信じてなるものか。


現実ではあり得ないことを考えてから現実を見ると、隣に二足歩行のなんか格好よくて、迫力のある犬のお爺さんがいた。お爺さんを見て俺は……、


「ギャァーーーーーー!!!」


と心のそこから叫んだ。俺前世でもこんなに叫んだこと無いんですけど。

俺の心の叫びを聞いたお爺さんは……、


「ギャァァァアアーーーーーーーー!!!!!!!」


と俺よりもでかい叫びをあげた。これは魂の叫びだ。


こっちも驚いたけどな……。迫力ありすぎなんだもん。でも犬のお爺さんのほうが驚いている気がする。だって魂の叫びだし。


「あ、な、なんじゃ、起きただけか。おはよう。」


挨拶してくれた。こっちも挨拶しないと失礼か。


「あ、おはようございます。」


とほぼ反射的に挨拶をするとお爺さんは、感動したらしく涙を流した。

な、なんで?


「わ、わしが挨拶すると大体は叫ぶか、気絶するか、逃げるかだったのに……。

なんていいやつなんじゃ!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん。」


そ、そうなんだ……。

可哀そうに。

反射的な挨拶なんだけどなぁ。

まぁ、ともかくこれだけは確かだ。見た目は正直言って怖いから挨拶を返さなかった奴らの気持ちが痛いほどわかるという心がね。

俺もびびってるから。迫力ありすぎなんだよ……。

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