10 魔力を感じとる方法
ハルが来てから1ヶ月。
たくさんのことがあった。というわけではないが、俺にとっては盛りだくさんだった。
だって師匠といたときは、1日ご飯1時間、睡眠6時間、修行17時間だったんだよ!
修行時間長すぎるでしょ…。それを知ったときの俺、怒り狂いそうになった。怒っていいよね? 俺はいいと思う。年齢一桁の男児の生活じゃないよ。
今日は、家(洞窟)の中の整理をしようと思う。
結構、物が多いんだよね。
ちなみに、ハルには外で遊んでいてもらう。
なかなか離れないハルは、とても可愛かった。でもごめんな。危険なブツがあって、それが原因でハルが怪我をしたらと思うと、俺は家(洞窟)を破壊したくなる気がするんだ。
そういうわけだから俺の精神安定のために外で遊んでてくれ。
◇ ◇ ◇
奥の方から片付けていくと、ダンボールみたいな木箱があった。
中身を開けてみると。
「えっ、本?」
『初級編 魔術書』『中級編 魔術書』『上級編 魔術書』『番外編 魔術書』
という4冊の本が入っていた。文字を習っていないのに、何となく読めるのが不思議だ。翻訳機能がついているのだろうか。
と、そこまで考えたところで俺は、はっとした。
魔術って……、ラノベの定番じゃなかったっけ!?
なんだかものすごくテンション上がる。
師匠が魔術とか魔法の話を全くしないから、この世界にはないと思ってた。
あとで読んでみよう。
◇ ◇ ◇
ようやく片付けが終わった。
木で出来たお札っぽいのとか、謎の短い杖とか、なにかの毛の塊とか、気になるのがたくさんあった。
でも、1番気になるのはやっぱり、魔術書かなぁ。
番外編の極大魔術書はちょっと怖いから置いといておくとして。
まず、最初に初級編を読もう。
いきなり上級編読んでもわからないだろうしな。
〈魔術とは、自身の魔力を対価に何らかの術を発動することをいう。魔術の才能は2種類あり、それは魔力の量、魔力操作のセンスだ。
それはそれとして、まず最初にやらねばならないことがある。
それは魔力を感じ取ることだ。これが出来なければ、魔術は諦めた方がいい。〉
へー、なるほど。そうなんだ。じゃあ、早速やってみよう。
でも、魔力ってどうやって感じとればいいんだろう?
魔力が少なさ過ぎて、感じ取れないとか? 魔力操作のセンスが無さすぎるとか?
魔術書を読んでも、書いていない。
どうして書いてないの?
もしかして、当たり前の常識だから書いていないという可能性は?
え、俺もしかして魔術諦めないといけないの?
やだ!絶対嫌だ!!絶対魔術使いたい!
こうなるなら、師匠に聞いていけばよかった……。(涙目)
はぁ……。
一回ハルで癒されよう。
俺は、ハルがいる外に向かう。
元気に遊んでるかな?
「…………。」
しょげていた。
耳も尻尾も下がってる。
もしかして……、外に出したから捨てられたと思ってる?
そうだとしたらヤバい。すごくヤバい。
可愛いすぎて。




