第二話 〔奴隷宣言〕 [SIDE ジェーン]
本日二回目です。
しかし彼らの反応はきわめて薄かった。いや、無かったと言っても問題は無いだろう。
しかもキャロルはこう言い放った。
「あそ。」
いいさ。心の広い俺様なら許せるさ。
キャロルはキャロルは薄ら笑いを浮かべてこう続けた。
「記憶があろうがなかろうがあんたは私の奴隷。
安心して。」
・・・はい?
なんと仰いましたか?
「奴隷よ。ド レ イ ♪」
だから心を読むなって。
「良いじゃないか。」
アーサーまで心を読むのか。
絶望したっ!!
でも知っていますか?
この世の中にはプライバシーの尊重というものがあるのですよ。
おかしいじゃないですか?
立場的には勇者ですよ。勇者。つまりこの小説の主人公。
だけど何この扱い。奴隷ですか?
あああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
「うるさい。」
ちょっとひどいですよキャロルさん。
人の心を覗いといてうるさいは無いでしょう。
流石に酷いという物ですよ。理不尽ですよ。
うるさいなら覗かなければ良いでしょうがぁぁぁぁぁぁぁ
何を考えてるんですか貴方は!!!!
「うるさい。」
キャロルの眼つきが変わった。アーサーは微笑んだ。俺は困った。
「え? なに?」
バギッ(破壊音)
メキッ(破壊音)
ベキベキベキ(破壊音)
ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ(ジェーンの断末魔)(注:死んでません)
「頭は冷えたかしら?」
眼つきが元に戻っていませんよキャロルさん。貴方が魔王なんじゃないですか?
「頭は冷えたかしら?」
オーラが変わった。怖い・・・ 冷や汗が流れてきた・・・。
「とてもよく。」
こう答えるのも無理は無いだろう。だって怖いもん。
魔王、覇王、悪魔、修羅などなどに一気に睨まれてる感じがする。
「それじゃあよろしくね。奴隷さん(はぁと」
年甲斐も無く(はぁと何か使うなよ。
「何か言ったかしら?」
「いえ何も。」
「それならいいの。
ふふっ。」
一瞬地獄が見えた・・・
さてここまでの経緯をざっとおさらいしよう。
1)キャロルが俺の心の葛藤を覗いてうるさい呼ばわり
↓
2)俺の反抗
↓
3)キャロルの破壊行動。
↓
4)俺瀕死。
↓
5)心的外傷完了又奴隷宣言。
と、ざっとこんな感じ。
アーサーはニコニコ笑ってこっちを見てるだけだし。
俺主人公だよね。これファンタジーだよね。
ん、コメディー?どっちかって言うと悲劇じゃない?
なんでカテゴリに悲劇入ってないの、おかしいでしょ、作者楽しんでるの?
「現実逃避乙。」
キャロルさんそれは無いですよ。
せっかく現実逃避してたのに。
最後の抵抗だったのに。
「虚しい。」
「ええ、虚しいですね。」
ちょっと、アーサーさん貴方まで魔王の手先に?
仲間かと思っていたのに。
「時に運命というものは残酷なものだ。」
「ちょ、残酷って分かってんならやめろよ。」
「それもまた一興。」
何かっこつけてんのさ。
「さあそろそろ行こうか。」
え?何処に?
「そうね。
ジェーン行くわよ。」
「え?
はえ?」
そうこうしてる内に腕を掴まれてしまった。
逃げれない・・・。
「首輪よりはいいでしょ。それともそんな趣味?」
「いえ、これで結構です。」
「じゃあ行くわ。」
そういうと連れて行かれてしまった。
どうなるんだ俺の人生ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!111111111111