第十七話 〔進撃開始〕 [SIDE ???]
「王様、計画は失敗したようです。」
「うむ。そうか。」
計画は失敗したか・・・流石というべきか。
「それと・・・大変申し上げにくいのですが・・・」
「どうした?」
「王立騎士団の第二分隊長のラヴィー=ラングレーがこちらの作戦に気がついたやも知れません。」
「・・・なんだと?」
「暗殺に出した騎士の情報によりますとキャロルに気絶されられた後、ラヴィー=ラングレーがこの話を聞きに来たとのことで。」
「もうよい。下がれ。」
ラヴィー=ラングレー・・・先月の入団試験で好成績を出した男のような女か・・・。
あいつ、実は他国の差し金か?いや、素性捜査でもそんな結果は出なかったはずだ、一体何者なんだ。最優先に調べなければいかんな。
「後ひとつ。」
「どうした?」
「大変重要な話でございます。」
「なんだ、言ってみよ。」
「実は・・・
――――――ポテチが底をつきそうで。しかも国内の使用可能なジャガイモはすべて無くなっておりまして・・・。」
「他国からの輸入を直ちにせよ。いざとなればオーザックの解禁もやむなし。」
「はっ、仰せのままに。」
ふむ、最優先事項が変わったな。
[SIDE ジェーン]
「相変わらず無茶な大きさよね。」
「そうですね〜。」
確かにキャロルさんとシンシアちゃんの言うとおり大きな門だ。
国内で最も上質な千年檜――まあしいて言うなら巨大な檜のことだ――を大量に使い、その四隅を鉄で補強した門だ。
「キャロル、そろそろ行く?」
「そうだったわねアリサ。
じゃあ、ラヴィー案内お願いね。」
「それはボクに任せて。」
「それじゃあ行くわよ。」
キャロルさんはその大きな門を・・・
「ウィンド!!」
――ドゴーン
魔法でぶち壊した・・・。
そりゃそうだよねあんなでかい門普通に開けないもんね、でも流石にそれは酷いんじゃないかな。潜入ばれちゃうよ。みんな眼が点になってるし。
「――何者だ!」
ほら兵士が出てきちゃったよ。
[SIDE ポテチスキー]
「王様!侵入者です!」
「そんなに急いで、一体何者だ。」
「まだ詳しくは分かっていませんが男一人の女四人です。・・・リア充氏ね。」
最後の一言は・・・ああ、独身貴族の僻みか。
「あいつらか。」
「そうかと思われます。」
「ふむ、本格的にきたな。・・・防衛部隊はどうなっている?」
「王立騎士団の一、三分隊を出しています。
それと、AL特殊部隊も配備してあります。」
「そうか、完璧だな。」
王立騎士団の第二分隊は機能しないからな。その代わりにALを入れたか。
「ええ、どんなことがあろうとこれだけの戦力で完璧に守りきれるはずです。」
「そうか。」
完璧だな。女は捕虜にでもしようか。
「それと女はすべて捕らえよ。男は殺せ。」
「分かりました。」
うちの大臣は優秀だな。すぐに仕事に行ってくれる。
[SIDE ジェーン]
「おい、ラヴィー流石にこの数は苦しいぞ。」
相手は絶対百人以上いるだろ。防ぎきれん。
「大丈夫。あと少しで――「なんだラヴィー。負け調子か?」
声が聞こえた。
その先には青いよろいを着た男、赤い鎧を来た男と女そして金髪のエルフがいた。
「アレックス。そんなこといわずに参戦しろ。」
どうやら彼らは増援のようだ。いつの間に呼んだんだよ。
「ああ、戦わなきゃ特殊部隊の名折れだな。
・・・それじゃあ、AL特殊部隊員。戦闘を開始しろ!」
そのアレックスの掛け声がかかるとともに特殊部隊の四人が散開した。