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お題シリーズ

祭り 影

作者: 仲仁へび



 お祭りの会場を歩きながら、二人の子供が話をしていた。

 日が沈みゆく中。

 大通りの脇に並ぶ出店の明かりが、二人の姿を照らし出す。

 二つの影が足元に生まれた。

 その影は笑っている。


 冷たい風が吹くが、すれらはすぐに集まった人々の熱気でうちけされた。

 集まった多くの人々は、思い思いに談笑しながら出店を見回っていく。


「お祭りの射的店とか輪投げやさんとかって、たまに理不尽な仕様になってるよね。


 そんなの絶対景品なんてとれっこない、って思っちゃう。


 あるある。


 でしょー?


 なんで、そんな風なんだろう」


「お祭りのお店なんてそんなもんだよ。


 雰囲気を楽しむもの。


 ほんのちょっと日常から離れた場所を演出するためのかざり。


 中身なんて求めなくてもいいじゃないか」


「えーっ、なんかそれはいやだなぁ。


 ごまかされてるみたい」


「文句があるならデパートかスーパーで買った方が確実だと思うけど」


「そんな事いってませーん。もー、いじわるなんだから」


「でも、そんな面倒くさいお祭りも楽しいって思ってるでしょ?」


「そんな事おもってないもん。ふーんだ」


「はいはい。でも、お祭りの雰囲気って、独特だよね。ちょっとくらい嫌な事があっても、うちけせちゃうんだからさ」


「それは分かるよ。せっかくの楽しい日なんだからって思うよね」


「神秘的な雰囲気も関係してるのかな。みんな服装が違うからとか?」


「着物着るのたいへんだったなー。一年に一回でいいや」


「毎日やる事じゃないっていうのも、雰囲気の演出にかっているらしい」


「そだねー」


「いつもと違うって事は、いつもと違う事が起きやすいって事でもある」


「ん?」


「お祭りの日は、異界と接しやすくなる」


「オカルト信じてるの?」


「まさか。でも気をつけなよ」


「何に」


「あやかしに話しかけられても、相手をしない事。興味があると思われたらだけだ」


「はいはーい」


「こんな風に会話しちゃったら、だめだよ」


「わかってまーす」


「綺麗な夕焼けだよね。日がしずんでく、逢魔が時って知ってる? 今さら遅いか」


「え?」


 祭りの会場で多くの人が歩いていた。


 夕暮れ時。

 まぶしい夕日に目を細めながら、人々は出店を見回っていく。

 

 やがて日が暮れて、出店のライトが人々をの姿を照らしはじめた。

 人々の足に影が生まれ始めた。


 明かりがなければ、影は生まれない。

 日が沈まないと、明かりで照らせない。

 照らさなければ、影は生まれない。



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