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第4話

第4話


白い着物を着て、霧がかった真っ暗闇の何も無い空間を、再び彷徨い続けるマリ…


マリ(これはあの夢だ…)


あてもなく彷徨い歩き続けていると、再び少し離れた場所に同じく白い着物を着た男性の姿が現れる…

マリはその男性が、以前の夢に出てきた男性と同じ人物であると気づくが、

前回同様に近づこうとするも近づけず、手を伸ばそうとしも届かず、深い霧で顔も見えない


マリ(貴方は誰ですか?どうしてここに?)


マリの呼びかけに気付いて応えたのか、応えなかったのかはわからなかったが、

男性は立ち止まってマリの立つ方向に振り返ると、微笑み手招きを始めた。


マリ(もしかしてセイラン様ですか?)


どことなくだが見た目や雰囲気がセイランに似ているような気がして、そう問いかけるマリ

しかし、男性からの返答はなく…ただマリの方向を向いて、微笑みながら手招きをし続ける…

マリはそれ以上はどうしようもなくただそれを見続けた。


マリ(私を探しているの?)


その男性の優しく笑っている口元を見て、何故か心が暖かくなるような何かを感じて釣られるように微笑むマリ



部屋に明るい陽射しが差し込み、目覚めると現実に戻されたように体が重く…乗り物酔いをした時のように吐き気が収まらず、気分が悪い…


(夢の中のあそこは暗く恐ろしい場所のはずなのに、まるでこのこちらの世界の方が悪夢のよう…あのまま夢から醒めなければよかったのに…)


寝台の上で動かずじっとしていると、老年女性が食事を携えマリの部屋にやってくる


老年女性「マリ様、お食事をお持ちいたしました」


寝台から体を起こし、朝食を食べようとするも…焼き魚に白米、漬物といったごく一般的な朝食だったにも関わらず…その匂いに思わずむせてしまい、吐きそうになり口を手で押えるマリ


マリ「た、食べたくありません。気分が…」

老年女性「マリ様、もしかしてご懐妊されているのでは?」

マリ「え?子供?子供ですか?」

老年女性「はい、おそらく…お身体のご様子が…」

マリ「そうなのですね…セイラン様を呼んできていただきませんか?お知らせしなくては…」

老年女性「いいえ、決して御子の事をセイラン様には知られてはなりません!」

マリ「どうして?喜んで下さる事では?」


老年女性「いいえ、御子はセイラン様の子ではないからです…ですから決して知られてはなりません」

マリ「え…?」


老年女性「私達は罪深き事をしました…しかし、天上人であるマリ様の命を奪われないと約束されたからこそやむおえず罪を受け入れたのです。

妊娠を知られればきっと御子は殺されてしまいます…」

老年女性「今は耐えてくださいませ…」


マリ「もし妊娠しているのなら…お腹の子がセイラン様の御子でないなら…私は…セイラン様を裏切っていたのでしょうか?」

マリ「セイラン様は時折、私に悲しい目をされるのは…時折私を責めるような瞳を向けられるのは…私がセイラン様とは別の男性と関係を持ったからなのでしょうか?」

老年女性「申し訳ありません…今は御子を守る事だけをお考えくださいませ…」

マリ「…」



老年女性が深く頭を下げ部屋から出ていき、しばらくしてセイランがマリを訪ねて部屋へやってくる


彼が来るのはいつも昼頃からで、それまでは朝早くから起きて仕事をしているらしく、忙しい合間を見てマリの様子を見に来てくれているのだという。

食事を済ませ寝台に座ってくつろぐマリの隣に腰掛けると

今日はどこへ行こうかと優しくマリの髪を撫で、微笑みかける


マリ(御子がセイラン様の子でないのなら…私はセイラン様を裏切っていた事に…)

マリ(どうして私に優しくされるのだろう?責められないのだろう?私が何も覚えていないから?)


マリは優しく微笑むセイランを見て、裏切っていたかもしれないという罪の意識から、セイランに直接話を聞き、確かめたい衝動にかられるも…彼のその表情や態度に何か得たいのしれない異様さや不気味さを感じ…

お腹の子を守れという老年女性の言葉を思い出し、心の動揺を気取られまいとセイランに微笑んで応えるのであった。

誤字が多くてすいません。気づき次第随時修正しております。

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