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第3話

第3話




寝室にて、セイランが目覚めたマリのために医者を呼び、診察を受けさせる


賊に襲われ、重症のマリを治療した医者らしい、包帯を取り、マリの傷を確認する




医者「傷は癒えたようですね、傷跡も残らなかったようで何よりです…しかし、頭を怪我されたのですから用心のために外出はしばらく控えられた方がよろしいでしょう」


医者「…記憶を失ってしまったのは頭の傷のせいでしょうね」




医者「傷は癒えますが、記憶は…私にもいつ戻るかはわかりません、いずれ戻るとしか…」




不安そうなマリに医者は優しく笑いかける




医者「大丈夫ですよ、貴方様にはセイラン様がいらっしゃる、セイラン様はこの地域一帯を治められている豪族の長であらせられるお方…貴方様はその妻…守り助けて下さる事でしょう」




自分の夫だと名乗るセイランについて何も思い出せず、そんな相手に世話になる…相手の気持ちを利用しているようで、気まずい気持ちになるマリ




マリ「そう…ですね…」



医者「しかし、さすがマリ様は天上人であらせられる、記憶を無くされる程深い怪我を負われたのにこんなにも治りが早いとは…」



マリ「天上人?」



医者「はい、マリ様は天女であらせられます…地上人ではありません、この空のいずこかに神の住まう世界がありますが、貴方様はその世界から来られた特別な力を持つお方なのですよ」








医者の診察が終わり退出すると、セイランはマリに手を差し出し、立ち上がり、マリを窓辺に案内をする




セイラン「マリ、あそこを見てごらん、白い花が沢山咲いているだろう?あそこの庭はマリのお気に入りの場所でね、天気の良い日はいつもあそこで本を読んでゆっくりと寛いでいたんだよ」




指された場所を良く見つめるも、何1つ思い出せず下を向き俯くマリ




マリ「…ごめんなさい」



セイラン「いいんだ、ゆっくり思い出してくれれば…記憶がなくとも僕はマリの夫である事には変わりないのだから」




セイランに見つめられ、思わず顔を背けてしまうマリ

そのマリの態度を見て、優しくも悲しい表情をするセイラン






その日、マリに、何か思い出すきっかけになればとマリの思い出であるだろう、館の様々な場所を案内するセイラン

しかしマリは何一つ思い出せず首を横に振り続ける…セイランの悲しそうな顔を見る度、申し訳ない気持ちになるマリ





一通りマリに館を案内をするとセイランは、夫婦の寝室に戻り、マリを休ませようと手を引き、寝台の上に並んで座る二人




マリ「ごめんなさい…私…」




セイラン「大丈夫だよ、これからゆっくり思い出していけばいいんだ…」


セイラン「マリ、愛しているよ…愛している…」




セイランは、マリの体を寄せて顔を引き、キスをする。一方的に愛を囁かれ、不意に口づけをされ、驚き、引きはがしたい衝動に駆られるも、自分の記憶がない事でセイランを苦しめていると思うと申し訳なさから引き離す事ができず、耐えるマリ


抵抗しないマリを見て自分の事を受け入れてくれたのだと思ったセイランはマリの体を更に引き寄せ、深くキスをする


セイランがマリを求めようと体を愛撫しはじめた時、マリはセイランに触れられた指先から感じるあまりの嫌悪感からもはや耐えられず、セイランを突き放してしまう。




マリ「だ、だめ…!」




セイラン「マリ?」




マリ「…ごめんなさい」




興奮し、涙を流し、体を震わせるマリを見て、驚き、ゆっくりと体を離すセイラン




セイラン「僕は君の夫なのに…どうして?」



マリ「わかりません…」



セイラン「…妻に受け入れてもらえないというのはこんなにも辛いものだったなんて…」




深い悲しみ、怒り、驚き、失望、様々な気持ちがセイランの顔を歪ませ…ため息をつき寝台に座り直す…



その落ち込むセイランの姿を見てマリは、セイランをこのようにしてしまったのは全てを忘れてしまった自分のせいなのだと思い、なんとか耐え、彼を受け入れようとセイランに体を向き直す。




マリ「セイラン様…」




その姿を見てセイランはマリの頬に手を伸ばすも…マリが震え、我慢してまで自分を受け入れてくれようとしている事に気づいて手を止める




セイラン「無理やりはいけないね…亡くなってしまうかもしれないと思っていたマリが目覚めて気持ちが競ってしまったんだ…ごめんね」



セイラン「今はお互い辛いけれど、2人で乗り越えよう…」




セイランはそういい部屋を去っていくと、マリは耐えていたものを吐き出すかのように、体をかかえて震え、うずくまる




セイランの唇、体に触れられた感触、彼の息遣いを思い出し、それが生々しく頭の中で反芻し嘔吐感に襲われる




気持ち悪い…気持ち悪い…気持ち悪い…どうして?




そのままマリは深い眠りにつくのだった…

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