然も事実に見えて真実
右隣の人はキツネで
左隣の人がタヌキだと
あなたの脳が言うことならば
人間の言動の一切合財は
強大な存在に操られているのだと
あなたの脳が言うことならば
何が果たして過ぎたのか
果たして何か過ぎたのか?
それでもあなたの言うことならば
きっと何でも構わない
託された写し絵の中の
視線に夢中なあなたと私
全くもっておめでたい
そこかしこに死角だらけだ
あなたにつながる私の未来
私につながるあなたの過去
変えられないと知り
ただ受け入れて見守った
なにが罪なのだろうか
幸せにしないことなのか
幸せにできないことなのか
あなたの幸せを願って尽くすことはできても
自身のことになるとぞんざいで
なにが幸せなのだろうか
託された写し絵の中の
視線に夢中なあなたと私
取り出して眺めては
擦り切れるまで