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戻る世界の騙り屋青年  作者: 時白
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仕事の内容、ちょっとした話

「私の部室にようこそ。久子ちゃん」

「登校してる奴が少なかったな。何で違和感に気付かないんだ? 馬鹿だな。弟」

「人をまるで見てない頭おかしい人だったからね」

 そいつに会話してた私。他の人に変な奴と思われてるだろうな……

「さて、ポニテで茶髪の久子ちゃん。茶髪が校則違反だから気を付けてね。たまに仕事熱心な先生がいるから怒られるよ。今の法律的に在校生じゃないことがバレるとやばいから気を付けてね」

「そんな今の世界で仕事熱心な奴がいるのかよ! 何でお前はここに俺を連れてきた!?」

「久子ちゃんの制服姿が見たかったからさ!」

「やべえ。家で引きこもってたから色々と頭が鈍ってんな」

「話を流すのけっこうショックだからね。久子ちゃん」

「二十歳で高校の制服を考えずに着て学校に来ちまった俺とショックは引き分けだろ……」

「それもそうだね! 愉快だよ!」

 無言で肩パンされた。

「仕事内容をさっさと言え。終わったら俺は帰る。明日からはお前が家に来い。もしくは俺がお前の家に行く」

「オッケイ。といっても説明は終わるからちょっとした話も語らせてもらうけどね」

「仕事内容に関係あるのか? その語りは」

「あるよ。その点はバッチリさ!」

 右手で親指を立ててグッジョブ的なジェスチャーをする。

 久子ちゃんは仏頂面を崩さなかった。

「分かった。さっさと言え」

「……はい。じゃあ語るよ」

 軽く睨まれたのでさっさと語ろうと思う。仕事内容はすぐ終わるけど。

「仕事内容。色んなヤバい話を聞いたり語ったりします。語ることによって報酬や別の話を受けとります。要約するとに私は情報屋です。で、ヤバい話はヤバいので危険な目に遭います。久子ちゃんは私を守る用心棒です」

 簡単にまとめてみた。

「お前に被害を与えようとしてる奴をボコればいいわけか」

「うん。警察の上の人と私は繋がってる最悪、相手を殺してもいいよ久子ちゃん」

「情報屋繋がりか。その警察の奴は」

「まあね」

「警察と繋がってんならここで捕まっても大丈夫じゃないか。てめえ」

「はは。からかいたかったんだよ。それで、仕事内容に関しては分かった?」

「……分かった。それで、ちょっとした話ってのは?」

「うん。では『落ち続ける女』について語るよ」





「十月十日から十月八日に戻るのは何時だい?」

「夜の十一時ぴったりから深夜二時ぴったりに戻るな」

「うん。その十月八日深夜二時に飛び降り自殺した人がいるんだけど、どう思う?」

「……地獄じゃねえか?」

「うん。地獄だね。落ちて死んでまた落ちて死んでを繰り返すんだからね」

「絶対に助からないわけだしな……よかったわ。深夜二時ぴったりに殺されないで。あ、でも他殺なら法が改正された後、俺が遺書を書かないわけだから、弟はかなりの拷問受けて精神ぶっ壊れて何も出来なくなるわけだから俺の状況だと助かるな」

「うん。君の殺され方では助かるね」

「……他殺なのか? その自殺は」

「うん。それが私の考えだね。久子ちゃんは察しがよすぎてあまり語れないね。残念」

「その犯人の情報やら証拠掴んで警察から報酬を貰うわけだな。そうなんだろ?」

「正解。さらに情報やら証拠は掴んでるんで犯人を捕まえるまでやるよ」

「警察も仕事熱心だな。犯人の捜索するなんて」

「いや。職務怠慢だと思うよ? だから一般人の私達が賞金稼ぎみたいに捕まえるんだから」

「たしかにそうだな。じゃあ今から捕まえに行くか?」

「いや。明日にしようか。犯人は明日は決まって同じ場所に行ってるみたいだからね」

「長い間やってない仕事なのに用意周到だな?」

「そりゃ学校から動けなくても調べるぐらいは出来るからね私は」

「協力者が多いのな。お前」

「その通り。では本日の語りはここまでにして解散としよう」

「ああ。早く帰って着替える。制服は返さなくていいか?」

「えっ? 別にいいけど。なんで?」

「……実はちょっと可愛いからたまに着たい」

「ふわああああ!! 久子ちゃん可愛い!! 制服よりも恥じらう久子ちゃんが最高に可愛いよ!! 大好き!!」

「……」

「無言で肩パンはやめて!」


















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