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戻る世界の騙り屋青年  作者: 時白
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勤務怠慢な刑事の日常

 十月八日。

 うんざりしていた。ため息を吐く。

 法律制度が変わり、殺人事件を犯した人間は、精神を壊すまで限りない拷問を与えるようになった。

 万引きなどの軽犯罪も手首を切り落とすなどの重い罰が処せられるようになった。

 それでもなお犯罪を犯す人間の悪性にもうんざりする。

 事件は以前より少なくなったが、仕事は多いので働きたくない事この上ない。

 そして今日も殺人事件が起きた。

 いつもなら、犯罪を犯した人間は捕まえたら明日にでも刑を執行するのだが今日は勝手が違った。

 殺された被害者の遺書だ。

 内容は加害者の精神を壊さないで欲しいという遺書。

 捕まった犯人をみて、またかと思う

 前にも殺人を犯したが遺書があって無罪になった男だからだ。

 前の事件はたしか姉殺しだったと思う。

 その姉の遺体にも遺書があって弟の刑をやめてくれというものだった。

 軽犯罪は無罪にはならないが殺人罪だけは無罪になる可能性がある。

 遺書によってだ。

 この世界の人間なら誰しもが殺された場合の遺書を持っている。

 自分を殺した犯人の精神を壊すか壊さないかの選択が書かれた遺書だ。

 ちなみに俺は犯人の精神を壊してくれと遺書に書いている。

 人間の九割が俺と同じ選択をしてるだろう。

 誰も自分を殺した犯人など許せるわけがない。

 果てしない拷問をうけて精神が壊れた人間の再犯率はゼロなのでどんどん平和な世界になるだろう。

 そんな大抵は許されない精神崩壊の罰を二度もかわす犯人にマジでビックリだ。

 この男は動機とかを聞いて警察が厳重注意し、十月十日まで牢屋にぶちこんだら次の世界では自由ってわけだ。

 なんて無駄な仕事だろう。

 だから厳重注意とか動機とか聞かずに牢屋にぶちこんだ。

 もう何回もやってるし動機はいつもしゃべらないしで本当に無駄だからだ。

 次の世界では自分の姉と仲のいい先輩以外の人間を殺して捕まってほしいものだ。

 この二人しかこの犯人は殺さないし、殺された二人も次の世界で遺書の変更をしないっていう頭おかしいやつらだ。

 定時で帰ってビールを一杯飲んで寝たいと思う。











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