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ユッキリさんとディベートライフ  作者: 白涼 真奈
湯谷さんとディベートする
2/3

ディベートスタート 

 入学してから3日が経った。今日は初めてのディベートの授業日である。教室の皆がそわそわしている。

 やはり、ディベートの授業が気にかかっているのだろう。心なしか授業に身が入っていないように見える。いや、きっと俺も周りからそう見えているだろう。現に1時間目の授業で指された時には頭が真っ白で何も答えられなかったのだから。

 そんなことを考えているうちに、3時間目と4時間目の間の休み時間になった。

 ディベートの授業は会議室9で行われる。この学校はディベートを重要視しているだけあって、会議室が把握しきれているだけでも15はあった。その時の状況に合わせて使い分けているのだろう。しかし、会議室多過ぎだろ!! と一言突っ込みたい。

 俺は朝、説明されたとおりに中央階段を上って4階の会議室へ向かった。

 会議室のドアを開けて中を見渡すと、知らない生徒が20人程いた。部屋を間違えたのだろうか?  

 「いや、ここで合っているぞ木暮」

 声のした方を向くと、そこには瀬那月先生が立っていた。この人俺が何を考えているのか分かるのか……

 「瀬那月先生は何でここに? 」 

 「それは私がこの授業の担当だからだ」

 「やっぱりそうですか……」

 俺はずっと瀬那月先生と他の授業で会わなかったのが気に掛かっていた。

 「椅子に出席番号が書かれている。そこが座席だ」

 そういうと、俺の後から来た生徒にも同様の説明をしていた。

 俺は、指定された座席に座って休み時間が終わるのを待った。

 「いよいよだね、ディベートの授業」

 いきなり砂希が俺の隣にやってきた。

 「まあ、失敗しないように気をつける」

 「この前の自己紹介みたいに? 」

 「放っとけ、あれは悪夢だ」

 もう二度と思い出したくない……

 「さあ、席につけ。授業を始める」

 瀬那月先生の声が騒がしかった会議室に響いた。

 

 「時間がないので手短に成績についての説明をする。成績は減点方式で行う。具体的にはお前達1年は現在1000ポイントを保有している。それが、的外れな発言や、一貫性のない発言などをすると減点されていく。かといって発言しないのも減点対象なので、気をつけて発言するように。最終的に残ったポイントがその年の成績となり、2年次の初期ポイントとして繰り越される。そして、2年次に残ったポイントが3年次の初期ポイントとなる。もし、0になったら退学だ。簡単な説明は以上だ」

 「ポイントが増えることもあるんですか? 」

 クラスの女子が早速質問をする。

 「勿論だ。相手の核心をついた質問や、根拠のはっきりした主張をしたときなどは加点の対象となる。成績については理解したか?早速始めるぞ」

 一体どんな議題にするんだ? まさかいきなり新入生をいじめるような内容じゃ……

 「議題は、クラスに嫌いな奴はいるか? だ」

 

 オイオイ、瀬那月先生は何を言っているんだ? 俺の聞き間違いか? これからクラスで絆を深めるってときにそんなのを話題に出すのか?

 他のクラスメイトも同じく動揺していた。

 俺は肯定、否定、どちらにするか決めかねていた。

 


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