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だらだら生きるテイマーのお話  作者: めぇー
第4章
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馬車は進むよ

護衛騎士の何とも言えない顔は見ものだったけど、侍女様も密かに馬に散財したのを良く思って無かったんだろう。


なので二人して仲良く寝た、こうやってだんだんと本物の家族っぽくなるのかなぁ・・・と少し思ったり


ーーーーーーーー


朝はホテルでしっかり目のご飯をお部屋に運んでもらう。ホテルのポテンシャルを見せつけられるような素晴らしいご飯だった。卵はふわとろでチーズとベーコンが入っていて最高だった。


朝から贅沢なものを食べてしまったがために、知らなくて良い世界を知ってしまった。私はこれから朝ごはんは何を食べていいのか正直わからなくなってしまった。


私と侍女様がゆっくりご飯を食べてる間、すでに護衛騎士の姿は見当たらなかった、たぶん馬の所に居るんだろうなと思って、のんびり出発準備をしてから馬車の所まで行くと。


なにやらぶつぶつしゃべってる護衛騎士と馬がいる。思わず侍女様を見ると、目が細くなってるんだけどその目は遠かった。思わず


「想定外?想定内?」


と聞いてみれば


「想定内です」


と返ってきたので別れることはたぶんないだろう。馬車に近づいて行って乗ろうとすると、護衛騎士に止められた。なんで?と思うと街の門を出るまでは徒歩でと言うじゃない?なんで?って聞くよね?あまり重たい物を乗せたくないとかよくわからないことを言い始めたのでかまわず侍女様と一緒に馬車に乗り込む。


まだハンモックはつけてない、動いてる時につけようと事前に相談していた、だってめんどくさいことになりそうじゃない?


そして街を出て王都チェチに向かう。しばらくは物珍しく外の景色を見ていた。遺跡が沢山あるとは聞いていたけど、これはまさに遺跡の道だなというほど、所狭しと遺跡がある。1つぐらい観光していたいなと思って居たら、馬車が走り始めて1時間ほどで止まった。


何があったのだろうと思って覗いてみると、侍女様が手で制して首を振ってくる。余計気になると思って見てみたら、護衛騎士が馬にねぎらいの言葉をかけて休ませている。


護衛騎士の馬への並々ならぬ愛情を見せつけられて、この先進むのか?と正直不安になるもいったん着席した。


「義姉さん?義姉さんは馬と義姉さんどちらが「馬ですね」」


そっか・・・本人が納得してるならしょうがないね、納得してるのか諦めてるのかは聞かないでおこう。


しばらくしたらまた走り始めた。そしてまたしばらくすると休憩が、休憩多すぎませんかね?久しぶりの再会だからしょうがないのかわからないけど、馬も疲れるしね、うんうん・・・


「義姉さん・・・兄さんってテイマースキルもってましたっけ?」


「持ってないですね」


それであんなに会話してるのかーそうかー愛だね。そしてまた走り始めた。1時間と少し走っては休憩している、果たして馬は休憩したいのだろうか?もしさっさと目的地についてのんびりしたいタイプだったらどうするんだろう?私がテイムしちゃおうかな?って思ったら、護衛騎士から鋭い目線がとんできた、なんか考えがばれてテイムはダメっみたいだからやめておこう・・・


3回目の休憩の時に丁度お昼ぐらいの時間らしく、みんなでランチすることにした。色とりどりのサンド系を買っておいたので、めいめい好きなものを食べることに、スープも美味しそうなものを何個も買っていたので昨日の夜さっそく買ったばかりの紙にお品書きを書いていたので、それを見せて二人に食べたいものを選んでもらい収納靴下から取り出して渡すことにした。在庫管理もばっちりだ!


そして収納靴下から取り出したご飯を微妙な顔で見ている二人。失礼ですね!そりゃぁね?新品だとあれだからちょっとほんのちょーーーっとぼろっとした靴下を選んだけどさ?空間収納の中は綺麗なはずだから!匂いとかも無いしさ!見た目はあれだけど清潔な靴下なんだよ!


ご飯も食べ終わり出発をする。午後は少し寝てから巾着を作りたいと思う。もう景色は普通の草原や森になってしまったので、ここからは馬車の中でいかにどうやって過ごすかだ。


サスペンションを変えたのと、1回目の休憩までにあまりにも揺れがひどかったので、オイルを持ってないか?と二人に聞いたら侍女様が髪の毛につける用のオイルを持ていたのでそれを少し拝借し、サスペンションの部分にオイルを塗布して定着するというより、そのようになる付与魔法をかけた。


正直言うと無理やりすぎてダメかな?と思ったけど、なんとかなったらしい、付与魔法万能すぎません?


最初付与魔法を持ってると知った時は、魔物討伐なんて行きたくない!の一言に尽きた。だって怖いじゃない?子供だったしそう思ってもしょうがないよね?付与魔法って身体能力をアップさせたり、戦闘が有利になるように立ち回るのが一般的で、後ろの方で後方支援がメインとなっている。付与魔法使える人が死んでしまうと全滅になりかねない事態にもなるからね。


付与魔法を使える人が居ないパーティーは上位パーティーに行けないと言われてるぐらいに、冒険者達には人気の魔法だけど直接戦闘をするわけではないからパーティー内でのヒエラルキーは低めになるって聞いたことがある。そしてパーティー解散ってこともよくあるんだって。


人を馬鹿にしたり見下したりするのは良くないという教訓で、この手の話は幼少期よりよく聞いていた。


職業に貴賎なしと言いたいらしいけど、この世界に王様が居る限り何言ってんだ?って私は思って居るのはここだけの話だよ。


正直言うと空間収納巾着や鞄を考えた時に、空間収納のスキルを持ってる人はどうなるんだろう?とは考えたけど、自分の為に突き進んだ結果が監禁だったわけなんだけどね。


私が作った椅子をみんなで取り出し、座りながらのんびりご飯を食べてたら侍女様が


「私の義妹は本当によく考え事をしますね」


と話しかけられて、え?と顔をあげると


「よくあの立派な家でも考え事をしていましたよね。何を考えてるのかはわからなかったですけど、長考するのは人に見られないような場所にしておかないと、変な人が近づいてきたら攫われてしまいますよ?」


「そんなに考えてる風に見えたかな?」


「そうですね、とても隙があるかと。私たちが居る時はいいですけど、外で一人の時は、沢山考えるのは辞めておきましょう?」


「わかったきおつけるね」


うんうんと二人して孫を見るような目で見るのは止めて欲しいな。そう言えばハトがいつの間にかいなくなってるけど、どこ行ったんだろう?居るな?と思ったら次の日には居なくなってるし、そういえばあのハトって元はと言えば・・・・・・


ガタッっと立ち上がった私は護衛騎士の目の前に立つ。


「ねぇ?」


既に視線をそらしている護衛騎士、あやしい!


「ねぇ?お兄様?あまり気にしてなかったんですけど、今きになりまして質問させて頂いてもよろしいでしょうか?」


「いえ、お断りします」


「お兄様?ねぇねぇお兄様?私と接触しなければ問題ないと言っていた、例のあの人いらっしゃたわよね?もしかして連絡とって逐一場所を報告していたりしない?それで義姉さん早く合流できたとかないですかねぇ?どうなんですかねぇ?」


バッっと振り向くと侍女様も、ササッと目を反らした。ふぅ~んなるほどねぇ~そうかぁ~そうきたかぁ~・・・だからハトがウロチョロしているのかぁ・・・そうだよねぇ・・・あのハトどう見たってレオンのハトっぽかったもんねぇ・・・


「お兄様?そんな移動手段があるならベッラとフランコも必要なかったのでは?」


ガタッっと立ち上がって少し、いやだいぶ怒りの形相の護衛騎士の顔が・・・これはまずいかも知れない


「なんでそんなこと言うんだ!ベッラはともかくフランコは私の大事な相棒だったんだ!それに私と嫁の二人ならその移動手段もできたけど、サラは接触したくないと言っていたじゃないか!!!」


たしかにその通り!


「この不毛なやり取りは無かったことにしましょう、でも?これからも居場所教えていくんですか?そこだけははっきりさせたい!」


だって嫌じゃない?

本日もお読みいただきありがとうございます


面白いな、続きが気になって思った方は

イイネ ☆☆☆☆☆ ブックマークいただけるとうれしいです

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