表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
だらだら生きるテイマーのお話  作者: めぇー
第3章
55/181

レオンが離れない

あなたを求めて荒れ狂う心を持て余しておりました。どうかあなたの寵を私に頂けないでしょうか?私はサラさんを愛しております、どうか結婚してください」


ぷ、プロポーズされたあああああああああ!!!!!!?えぇ!?


ーーーーーーーー


なんとかしてよぉーと護衛騎士の方をチラっと見ると頭を抱えていた。いやー困りますねぇ・・・どうしたらいいのかなぁーと遠い目をしていると、レオンは手をにぎりながら


「次こそは必ず幸せにします」


とか言ってる、次って何よ?前に恋人でもいたのかな?


「次って?なんですか?」


「前世ではあなたのことを守れませんでした」


うん?


「前世?」


「そうです、私はすべてを思い出しました。サラ、あなたは私のミューズです、そして運命の相手です、私の求愛を受け取っていただきありがとうございます」


え?求愛を受けとった?受け取って無いよ?


「すみません、求愛を受け取ったつもりはないのですが・・・」


「手の甲に口づけを許していただけた時点で、これは貴方の意志を受け止めましたよという意味似なります。これは貴族達の暗黙のルールとなっております。しかし今は平民、平民が貴族のルールを使用したところで、何の意味もありませんが、それでも自分の気持ちを受け止めて頂きたく、このような行動をしてしまいました」


「え?レオンさんは貴族なんですか?」


「いえ、平民です」


思わず護衛騎士様を見てみると、頭をかしげてる、私も頭をかしげてる。言ってる意味が良くわからないんですけど?


兎に角だ!手を振りほどこうとしても離してくれない。さすがに護衛騎士様も動き出して、手をそっと剥がしてくれた。


何も無かったことにして街に帰ろう、それが一番だ。護衛騎士様に目配せをし、岐路に着く。後ろからもちろんついてくるレオン・・・どうしたもんかな。ちらっと見てみると嬉しそうにする、まるで横に居るオオカミのように尻尾を振ってる感じがする。


なんでこうなったのかなーなんだろなー前世って、私には記憶がないからそんなこと言われてもなー困るな・・・


「たまには気分転換に外で食事でもしないか?」


と護衛騎士様に提案されたのでその案に乗った。気になるお店に行ってみましょうと言われて、よぉーしいい匂いがするお店に入るぞ!と意気込んで探すこと20分。とってもいい匂いがしたのでそのお店に入ろうとしたら、オオカミがさっと現れて扉を開けさせてくれない。


真っ青になりながらレオンが駆け寄ってきて、この店だけはいけない!とものすごく真剣な顔をして言ってきた。言われると余計入りたくなるじゃない?と思って無理やり入ろうとしたら、護衛騎士様にも止められた。なんで?


2人に止められるとさすがに何かあるのかな?って思うけど、後で家に帰ったら護衛騎士様に聴いてみようと思う。


看板はイルミナ食堂バリィー支店と書いてある、いつか一人できてやる!と意気込んでその場を離れた。


もうしばらく歩いて見つけたこじんまりとした美味しそうな食堂を見つけた、本当は大通りのカフェに入りたかったけど、一応念のため裏通りにあるお店を探してみた。


もうすぐ夕方なんだけど、お昼ご飯なのか夕飯なのか正直わからないけど、今日はもうなんでもいいや。そして当然のようにレオンも一緒に座ってる・・・


え?私このまま結婚するの?違うよね?ちょっと訳ありすぎて結婚なんて一生無理だよなぁ・・・空間収納を付与できることを隠して生きていくならまぁ・・・それにもう空間収納は付与しないつもりでいる。しなければ絶対にばれることが無いからだ。


あとは空間収納の付与の仕方をばらまこうと思う。私のような人が二度と出ないために、だから誰でも作れるようになるはずだ、ヴェルト国に居る間にそれはやりたいと思う、コライユ国でやったら私はここにいますよーって言ってるようなもんだからね。


そんなことを考えて時間を過ごす・・・レオンが目の前でニコニコしながらずーっと私の顔を見ている。護衛騎士様もどうしていいのか困惑しているようで、私も同じ気持ちだ。


そしてご飯がきた!今回頼んだのはぁー!卵と鶏肉がミックスとなってるふわとろのやつ。横にはバゲットがあってバゲットに乗せながら食べるらしい。初めて食べる料理だ!


私が監禁されてる間に、いろいろなご飯が登場したらしい。全部食べたいけどチャンスがあるかどうか。屋台で売っているものはすぐ買って食べれるけど、レストランはねやっぱり気が張ると言うか、何も気にせずご飯は食べたいじゃない?


さっそく一口パンに乗せて食べてみる。んんんん-ーーーーーーーーーー美味しい!初めて食べる触感だ。卵が半熟なのがちょっと・・・あれなんだけど、でもそれがまたいいのかな?今度は卵をもっとしっかり焼いてもらってみよう。


卵と鶏肉だからか相性が抜群だし、これは一口パンに乗せないで食べてみよう。卵はふわっと口の中で消えて言ったよね、そして残された鶏肉の柔らかさといい味といいとにかく美味しい。


これはご飯の革命ではなかろうか?きっと監禁されてる間に天才が現れて、ご飯の革命を行っているのだろう!すべてを食べつくしたいけど、あと数か月でここを離れてしまうから、それまでは一杯堪能しようと思う。こっそりと


そんな私をにこにこみながらご飯を食べてるレオン。あれから不思議と纏ってる空気が平民のそれではない気がする、言われてる見ると監禁されてた時に突撃してきた、御令息達と似たような所作をしている気がする?よく覚えてないけど。


護衛騎士様も綺麗に食べるけど、それ以上に綺麗に食べてるね?だってバゲットに卵と鶏肉を乗せて食べるのに、普通は手でバゲットを持つものじゃないの?この二人フォークとナイフを巧みに使ってるけど?


こんなんでは身元がばれてしまう、まずは護衛騎士様から要教育だ。


「ねぇ兄さん?こうやって食べた方が美味しいよ?」


と手でバゲットを持ち、スプーンですくって乗せて食べて見せる。若干顔が引きつってる、もしかしてこの人もやんごとなきお貴族様?


「兄さん?いつからそんなお貴族様みたいな食べ方になっちゃったの?目の前のレオンを真似しなくてもいいんだよ?」


表情を変えずにしぶしぶ手で食べ始めた、よし。そしてレオンには注意をしない。


ご飯を食べ終わり大満足したところで、一応夕飯が食べたくなるかもしれないから、ほんの少しだけ屋台でご飯を買って帰る。もちろんたまご塩スープは絶対だ!


まっさきにたまご塩スープの屋台に向かおうとすると


「もしかしてたまご塩スープを買いに行こうとしてる?サラは昔から好きだったよねー。まるごと鍋を買って収納してたよね、美味しそうに食べてたよ、僕も一緒に食べたかった・・・」


なんてことを言い始めるじゃない?え?収納してた?空間収納?え?まって?この人私の秘密を知ってるの?まずいかも知れない・・・・・護衛騎士様の空気も少しピリ付いたものになる。


「サラの前世はすごかったんだよ。苗字があったんだ」


へぇー!苗字があったということは複数魔法かスキルを持っていたんだ?まって私なんかレオンの思い人と今の私を一緒にしはじめちゃってる、だめだめ流されてる。


「魔法は風と水を持っていてね、スキルはテイマー植物裁縫料理と4つも持っていたんだよ」


それは純粋に凄い!凄い才能の持ち主だったんだね


「あと空間魔法と光魔法ももってたなー」


えぇ!?そんな化け物居たら監禁どころではなくなったのでは?


「でもね15歳できのこの毒でなくなってしまったんだ・・・・・・」


一気に場が重たくなる・・・きのこかぁ・・・毒かぁ・・・・・それは本当にお気の毒様としか言いようがないなぁ・・・


「それはとても残念でしたね」


「うん、でも良かったのかもしれない、彼女は望んでいない荷を背負わされそうになっていたからね、必死に逃げようとあがいてたんだ、もしかしたら女神さまからの計らいかもしれないね、でも今度はこの手を離さないからね」


これは・・・私の本当の名前はローラだと言ったらがっかりするかもしれないなぁ・・・サラと言う名前に反応してただけだもんねぇ。


そして私の手は食堂を出てからずーっとレオンに握られているのであった、護衛騎士様仕事してぇー!

本日もお読みいただきありがとうございます


面白いな、続きが気になって思った方は

イイネ ☆☆☆☆☆ ブックマークいただけるとうれしいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ