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だらだら生きるテイマーのお話  作者: めぇー
第3章
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歯車が

家に帰ったらさっそくフルーツを出せ出せとせっつかれたので、みんなの分をカットして出す。ちなみに僕はほんの数切れ頂けた。そういただけただけで、あとは全部彼らの胃の中に入って行ったのだった。フルーツすっごい美味しかった。


ーーーーーーーー


兄が実家に帰るまであと2ヶ月。僕は大金を手にしたけど変わらず動物たちのテイム、冒険者ギルドの薬草採取、虫などを売ったりして過ごす予定だ。この街でこれと言ってやりたいことは無い、住むなら北の街ペスカがいいと決めているので、兄たちが帰ってきたら、南に行って見るのもいいかもしれない、そして西に向かってから北の街ペスカに行き、いったん実家にもどるって感じだ。


資金は沢山あるし、悪くない案な気がしてきた。人生は長いからのんびり過ごしたい、そして良い伴侶が見つかるといいなと思って居る。


この街の冒険者ギルドに行くと時々使命依頼などが入るようになったのは嬉しいし、それを手放すのももったいない気もするけど、違う街を見るのも結婚する前までだろうし、もしかしたら旅してる間に、良いパートナーが見つかるかもしれない。


なんあったら外国に行って見るのも面白そうだ、うん、それもいいな、もうちょっとしっかり計画を立ててみるかな?外国なんてほんと知らないしね。


計画を練りながら更に1ヶ月。とりあえず国内行く東の街バリィーに隣接している、コライユという国に行って見ようかなと思い始める。


町の人達に色々聞いてみたら、僕が住んでいるヴェルト国とはかなり友好関係にあるとのこと。先代の王族から姫様が当時の王太子様の元に嫁ぎ、それはもう仲睦まじく過ごされたようで、その時からこのヴェルト国とコライユ国はお互い関税などをだいぶ下げて交易をおこなっているのと、入国する際には特に厳しい審査が無くともお互い簡単に行き来できるようになってるそうだ。


その為大きな道もあり移動もかなりスムーズに行えて、道中の魔物除けなどもしっかり置かれているらしい、それでも魔物は出るから頻繁に冒険者や騎士たちが街道を行き来し、積極的に討伐しているらしい。


言語は違うようだけど、観光業を生業としている人達は、問題なくしゃべれるっぽい、もちろんこの国の人達もだ。なので言葉が違っていても、安心して観光などできるらしい。


かなりお互いの国に関しては発展していることが解って、ますます行ってみようかなと言う気になる。


旅行への計画を立てながら過ごしていたある日、いつものように森の中に入っていたら遠くからオオカミのキャウンと言う声が聞こえた。声のした方向に走っていくとオオカミが見知らぬ人間2人と対峙してるじゃないか。


慌てて飛び出て行ってオオカミの前に立つ。相手の人間もびっくりしたのか一瞬驚いた顔をしていたけど、剣をオオカミに向けたままだ。


物凄く息があがってるが見知らぬ人に話しかける


「すみません、このオオカミ僕がテイムしたオオカミなんですが、何か失礼なことをしてしまいましたか?」


見知らぬ2人はとても驚いて、男の人の方は剣を収めてくれた。そして一緒に居る女性はとても可愛い。オオカミに何かあったのかと心配もするけど、それよりも彼女をずーっと見ていた居気持ちになる。生活をずーっと覗いて居たいような、今まで女性に対してそんな思いを抱いたことが無いのに、この女性にだけは何かとても自分の中で執着じみたものを感じる、この気持ちはいったいなんなのだろうか?


そんなことを考えていたからか女性の方がとても怪訝な顔をしている。心の声が聞こえてたらきっとこんな顔をするだろう・・・もしかして声に出してたかな?少し青ざめる。


男の人はただならぬ雰囲気だ、この二人はどんな関係なんだろう、もしかして夫婦なのだろうか?あ?夫婦?なんで夫婦ってだけでこんなに僕はショックを受けているんだ?なんだか気に食わない。


ただ身体がぶるぶると震えてくる、何かがとても大喜びしているようだ。


オオカミが僕の側に来て、甘えてくる。どこか怪我したのかな?と確認していると、特に血が出てるわけでもなく、どこか打ったのだろうか?オオカミの確認をしていると男性が話しかけてきた。


「大変申し訳ございません、テイムされているオオカミとは知らず、襲ってこないなとは思ったのですが、討伐してしまうところ出した、まことに申し訳ございません」


「見た所怪我もしてなさそうだし大丈夫ですよ」


「ありがとうございます、ただあの言いにくいのですが、こちらは剣を出しただけで、一切振っていないと言いますか、触りもしていないのです」


ん?それだとキャンという声を何故出したのか?オオカミを見ると滅多に振られない尻尾が振られている。僕はすごくびっくりしている、そしてオオカミが見据える先は、女性を見ている。


なるほど?もしかしてこの女性もテイマーでオオカミをテイムしようとしたのかな?チラっとオオカミを見てみたけど、何を考えてるのが全然わからない。


「このオオカミテイムしたのはいいのですが、どっちがマスターか解らないような行動を良くするんですよね、今回も僕が側に居なかったのはこのオオカミが自分のご飯を狩りしに僕の側から離れた時みたいなんです、正直いつものことなので全然気にかけていませんでした、触れても居ないのにキャンって言ったのはもしかして、どちらかテイマーのスキルお持ちですか?2重掛けしようとしちゃったのかな?」


テイムされてると知らずに他のテイマーがテイムしようとすると、まれに動物が叫びをあげることがあるそうだ。そんなことは滅多におこらないんだけど、普通テイムした動物ってマスターの側にいるんだよね、オオカミが自由過ぎるんだけどさ。だから知らなくてテイムしようとしてもしょうがないことなんだ。


「あの、申し訳ございません・・・・・」


なんて可憐な声なんだ。地上に舞い降りてきた天使が声を発したらこんな声に違いない


「知らずとはいえ、オオカミをテイムしようとしてしまいました」


そんなにこのオオカミが欲しいならあげてもいい、いや、それだとあげてしまった時点で彼女とのつながりが切れてしまう。なんとかして接触を持ち続けたい。何か良い案はないか・・・


「大丈夫ですよ、オオカミもあなたのことをずーっと見つめていますが、きっとあなたのことが好きなのでしょう、なんなら私からあなたにマスターを変えたいのかもしれません」


フゥー


っとオオカミのため息が聞こえた。空気読んで?彼女に笑いかけろ、尻尾をもっと勢いよく振るんだ、そして近寄って行って頭をなでなでしてもらえ、いやそれはダメだ私がなでなでされたいから嫉妬する。


ちょっとまって・・・僕はさっきから何を考えているんだ・・・・・私呼びにもどってるし、なによりも思考がとんでもない方向に行こうとしている・・・あまりにも素敵な女性だから僕は頭が混乱しているようだ・・・余計なことを考えずにこの場を去ったほうが良さそうだ。


「本当にご迷惑おかけしました」


「テイムしてる証でも身に着けさせれたらいいのでしょうが、あいにくこのオオカミはとてもこだわりが強くて・・・身体に何もつけさせてくれないんですよね。なのでこれはちょっとしたアクシデントとして終わりにしましょう」


「そう言っていただけると助かります」


「いえいえ、それと同じテイマーの人に会うと言うこともなかなか無いので、今後何か情報交換出来たら嬉しいなと思って居るのですが、お名前お伺いしてもよろしいですか?」


なに名前を突然聞いてしまったんだ!ツルっと口から出てびっくりしてるけど、自分ナイスすぎるだろ。これで街で会えたらお茶ぐらいできるかもしれない!


言いよどむ彼女、男性の方をチラっと見ると男性の方もうなずく。訳ありなら無理して教えてくれなくていいんだけど。


「私の名前は サラ と申します」


サラ・・・・・サラ?

歯車が

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