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だらだら生きるテイマーのお話  作者: めぇー
第3章
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逃げ出す

鳥に餌付けをして収納袋に入れてみたけど、普通の顔して取り出されていたから、たぶん人間でも行けると踏んでいる。どうせ逃げ出した時点で大罪人として処分されると思うから、まるごと他人事全部いれて逃走する予定だ。


そして明日はとうとう引っ越しの日、すっごい楽しみ。


ーーーーーーーー


今日は朝から少し騒がしい、なんとなくバタバタしている感じはある。しかし侍女様は変らず部屋に張り付いてて、特に何をするわけでもなく、他の侍女様達が私の荷造りをしてくれている。


この動かない侍女様、私が監禁されてからずーっとお茶しか居れてない気がする。あとは他の人がやっていたよね。ずーっと立ってるだけとか私なら拷問なんだけど、ある意味凄い胆力だよね。


もしかして目を開けたまま寝てるんじゃないかと思ったことがあって、扉に手をかけて出ようとしたらすぐついてくるんだよ、何回も何回もタイミングを変えてやってみたけど、絶対どちらへ?と聞いてくる。


あれはすごいね、寝てない。私なら白金貨1枚もらったって1日たりともこんな仕事はしたくないよ。


ともかく!引っ越しだ!


我儘をいって、金貨と一緒に移動するとごねたから、金貨は私が乗る予定の馬車に積まれている、その際自分で持って行かないと盗まれるかもしれないから嫌だ!と言って、自分用の小さな容量の収納バッグも貰った。


もらったって・・・一番気合の入らなかった時の30分ぐらいしか付与してない奴だ。私が作ったのにね?もらったって・・・これなら大きなものを持って逃げられないだろうという考えなんだろう。なめられたものだ!


私には大空間収納靴下!と言うものがあるんだけど、とりあえず奪われない様に小さい収納袋に入れておく。うーん・・・自分しか使えないような付与ないかな?そうすればすごく安心だよね、今の状態だと誰にでも使えてしまうからなぁ。


時間が出来たら考えてみることにして。張り切ってる風をよそおって、あえて色々指示を出しながら、あーだこーだ言ってお前ちょっと黙っとけ状態を作り出している。空気読めない感は大事だ。


もうそろそろ馬車で移動しましょうと言う時になり、私が今まで貯めていたコインの出番だ。ここにはこだわりの少人数制、なぜなら盗まれたら嫌だからいつも護衛してくれてる人数人で移動させると押し切り、馬車に乗るのもこの少数のみ、護衛もこの少数だけ。


私の服や装飾品はすでに先に出発し、私が部屋に入った時にそろっていないと嫌だ!と言って、この少人数以外は先に出発させた。


日頃の努力が実った瞬間だったと思う、それだけ逃げないだろう、物で釣ればなんとかなるだろうと言う考えを、この1年で徹底的に植え付けた。


とうとうこの時間がやってきた。私の脱出劇の始まりだ。


御者兼護衛の人数が2名

馬車の中に侍女様1名 護衛が1名

馬車の前後に騎馬護衛が2名ずつ計4名

8名の監視が居る


馬車に乗る時は、貴族のようにエスコートされて馬車に乗り込むが、私は平民だから嫌だと言ったら、次は持ち上げられて馬車に乗せられるようになってしまった。


私の背はそこまで低くはないんだけど、運動神経があまりないような感じで、馬車に乗るのがヘタクソという演習を行っていた。持ち上げられるのも子供みたいで嫌だ!と言ったら、中から引っ張り上げる形がいい!と言い張った。一応成人女性が脇を挟まれて持ち上げられるのは良くないと思うの、身体に触れるわけだしね?


それなら中に入ってから手を取った方がいいだろうということに、向こうも納得したらしく、それ以来は引き上げてくれるようになった。そして侍女も馬車に乗り込み、いつものように馬車の中からドンドンと叩くと馬車がゆるりと走り始める。


馬車で8分ぐらいの所まで来たかな?


ドォオオオオオオン


と凄い音が王宮からした。まず侍女が飛び出していき次に私、そして護衛騎士が外に出る。侍女と護衛が前後の騎馬護衛達の元に行き、何事かと聞いている。


馬車の前後の騎馬護衛達の馬が音にびっくりして暴れまわって、制御がとても難しそうになっている。


前方には侍女が、後方には護衛騎士が馬が落ち着くように手伝うように落ち着かせるふりをして、騎士たちを昏倒させる。馬には罪が無いから馬は絶対に傷つけない。


次に御者兼護衛の人達も突然、前方の騎馬護衛達が倒れたので、何事かと慌てているが、馬車に繋がれている馬が暴れているので、なかなか状況が呑み込めないようだ。


続いてドンドンドンドオオオオオオオオンという音が続く。良い感じに王宮が爆発し、ますます馬が暴れまわる。


御者兼護衛の人達も侍女様に昏倒させられて、残ったのは馬6頭と馬車1代、護衛と侍女様の二人だけだ。


騎馬護衛と4頭の馬をまずは収納靴下に押し込む。馬は私が逃走するためにどれぐらい必要かが良くわからないけど、鞍もついてるしとりあえず収納。王都ですぐに売って逃走資金にする予定だ。


護衛騎士が御者になり、私と侍女様は馬車の中に入り、ここから近い門から王都に向かうように護衛騎士に指示を出す。


新しい家には寄らない。向こうで部屋を整えたりしている人達には、少しの間のんびりしててもらいたいね。


馬車も豪華では無いし、門を出る時に私は座席の下に隠れていたのと、護衛騎士の身元がしっかりしていたため、すんなり外に出ることができた。ナイス


たったこれだけ?と思うかもしれないけど結構大変だったんだよ!実は成人してからすぐくらいに、私にテイムスキルがあることが判明した。普通は産まれてすぐに教会でわかるはずなのに、後からスキルが発現するなんて聞いたことが無いから、教会に申告しに行こうかと思ったけど、なんとなく、虫の知らせみたいな感じで、言うのやめておこうって言わないでおいた。


この王宮に監禁されるまで、テイムのスキルなんて使ったことが無かったんだけど、親にも連絡取れない、誰にも連絡が取れないとなると、流石に何とか外部と連絡を取ろうと思って、何かをテイムして親に知らせることはできないかと考えた。


最初は虫などをテイムしてみたけど、どうやって親に知らせるの?ってなって、虫は諦めて、そのうち鳥などをテイムするようになった。


鳥達に実家を監視してもらい、訪ねてきた人を報告してもらったりして、両親に危険が無いこと把握してはいたけど、私の葬式を出していたのにはびっくりしたね!


私死んだことになってるわーと遠い目をしたよ、あの時はほんと呆然としたけど、そんなのんびり構えてられないよね。だって死んだってことになったら私は家に帰れないってことじゃない?私はこの世から抹消されてしまったみたいだ。だから考えたここから自由になる方法を。


家の外に出ても住民板はもう使えない、私に住民板に振り込まれておりますって言ったあいつの顔!絶対忘れないからな!名前は忘れたけど!許さないからな!


だから私は強欲にコインをよこせと何回も言った、だって死んだことになってるんだもの。そして外に出たら次はどうやって身分を偽り逃走するかを考えた。


何も思い浮かばなかったので、身分証のことはしばらく置いといた。


次にやってみようと思ったのは人間をテイムすること、24時間部屋に居る侍女様のテイムを試みた。なかなかうまくいかなかったけど、なぜか私にはできると言う確信めいたものがあった。だから続けた。テイムするのに半年以上かかったけど、何とかやり遂げた。


動物と違って人間はテイムする対象ではないのか、かなり時間がかかったけど、そこから鳥達に頼み自分たちをお取りにするような形で大きな鳥を部屋まで誘い込んでもらい、侍女様に捕まえてもらってから猛禽類をテイムした。


鳥達には前々から身分証を強奪できそうな人を見てもらっていたけど、強奪しても無くしましたと申請されると水の泡になるので、一人でひっそりと亡くなった私と年齢が近い人を探してもらって、その人の住民板を持ってきてもらう。


侍女様と新しい身分所がどうにかならないかと聞いた時に、すべては管理されているから、突然新しく板が発行されると必ずばれて監視が付くというので却下。王家の影たちは沢山の住民板をもっているといっていたが、それもちゃんと管理されてる上でとのこと、だから亡くなった方の住民板を頂くしかなかった。


その方の墓は私が逃げ出したらちゃんと埋葬しようと思って居る。

本日もお読みいただきありがとうございます


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