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だらだら生きるテイマーのお話  作者: めぇー
第1章
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食堂女性Aのつぶやき

急に暑くなってきましたね、熱中症にはおきおつけください。


誤字報告感謝です!

【Side:食堂女性Aのつぶやき】


今日昼頃

可愛らしいお客様がご来店された。


見た目は12歳ぐらいに見えるのに成人してるというじゃない。料理スキルを持ってるから食堂で雇ってもらえないか?と聞いてきた。


料理スキル持ってても、料理したことありませんという手をしていた。いたって普通の可愛らしい手。白魚の手とまではいかないから、水仕事はそんなにしてなかったような手に見える。もしかしたら元貴族かな?と思うぐらいには綺麗な手をしている、貴族じゃなかったとしてもどこか裕福なお嬢様なのかもしれない。とにかく平民の手には見えなかった。


「1ヶ月ほど前に成人して王都にやってきたので今仕事を探しているんです。とても良いにお・・・素敵な食堂だなと思って、ここで働けたらくいっぱぐ・・・ここで働かせてもらえたら一生懸命働きますので!考えてもらえないでしょうか?」


本音が駄々洩れしているけど苦笑


それにこの子今良い匂いって言ったわね。ということは・・・人は見かけによらないものね?


「成人してたのね、丁度人を探してたのよ、ちょっとまってね今厨房の人に聴いてくるから」


というやり取りをし厨房に行く。実は厨房には一人もいないのだ、今この店に居るのは私と、働きたいと言ってきた彼女の2人だけ。


このイルミナ食堂という場所は隠れスキルがあるものだけにとてもいい匂いがする不思議な場所なのだ。その仕組みは私には良くわからないけど、凄い人が凄い魔法をかけたらしい。なぜ私がその秘密を知っているかというと。


今この不思議魔法を行える人物がいないため、情報を公開してその魔法を使える人物を探し出したいようだけど、そもそもこのお店自体が秘密なので、それもできないというジレンマらしい。


だから私のようなお留守番をする人がその魔法の研究をするということになっている。私は説明されてもちんぷんかんぷんだから研究しているふりをしている。たぶんほとんどの人がちんぷんかんぷんだと思っている。もしこの研究に興味があるようなら、ずーっとここに常駐している人がいるはず、そんな人物がいないということはお察しである。


お客様は一年に一人か二人、下手すると数年に一人というほど、全然来ないのでだーらだらしたい人、他の研究に没頭したい人には向いてるかもしれない。今更私には学びたいことなどは無いけど、自分自身のスキルには興味があるので、日々スキルを鍛えたりどんな使い方があるか時々考えたりして、暇な時間を過ごしている。


このお店は、隠れスキルを持たない人には認識されないか、嫌な匂いがする様になっていたり、なんとなく近寄りがたい雰囲気がでてるようで、特殊な阻害認識をふんだんに盛ってあるよう。そしてここにフラーっと訪れた人には王家の影が数日~数年つくことになっている。


このような食堂はほかにも主要都市に何件かあるらしい。お留守番しているみんなは暇な一日をすごしているのだろう。


ここは1年ごとに常駐する人が変わるんだけど、たまたま私が最終日にこのお嬢さんが現れた。ちなみに私は影への連絡係で影ではない、所属は影なんだけど。持ってるスキルが特殊なので、影に属してる、そして隠れスキル持ちでもある。


隠れスキルを持ってるがゆえに、常にいい匂いがしているので食欲がとてもよく進むのがネックでもある、良く食べ、良く運動をしているのでなんとか体系を維持できて入る。暇なのでいくらでも筋トレやらストレッチが出来るのだ。


話をもどして

厨房に行った際、王家に隠れスキルの人が現れたと伝えると、瞬時に影が数名現れる。これからお嬢さんに数日間つく影だ。来たか・・・と思わずジト目で影の人を見てしまう。


このお嬢さんも将来私のように王家に囲われることになるのかもしれないと思うと、思わず自分の為に用意していたご飯を渡してしまった。


国に保護されてる人達にも一般的には知られていないけど、2種類ある。


一般的に知られている王家に囲われるは、他国に行くことは禁止だけど、自由に旅行に行ったり引っ越したりすることは申請すれば問題無いし、それ以外には結婚や交友関係の自由は保障されている。


大抵の人はそのまま出世街道まっしぐら、安定した良い収入の道が用意されているので、特に大きな不満は聞いたことが無い


しかし、本当の意味で国に保護された人は、旅行や引っ越し、他国に行くのはもちろんのこと、交友関係や結婚も国に管理されることとなる。とても貴重な存在になってしまう為、誘拐や犯罪に巻き込まれることを防ぐのと、優秀な血を残したいと言う思惑がある。


遺伝によってスキルは引き継がれないと解ってはいるが、複数魔法とスキル持ちは産まれやすいという報告が上がっているため、結婚すると言うことも一つの義務になっている。


国に保護されている証の苗字なんていらないから自由にさせてくれ!といつも心の中で叫んでいるんだけど、仕事も選べないからね、その代わりにお給金はかなり良い、良いけどお金で買えないものが欲しくなってくる。


今仕事辞めても一生楽に暮らせるぐらいのお金はすでに手にしている。ほどには頂いている。私のスキルはレアなのでガチ保護の方に分類されてしまった。それでもモヤるものはモヤる


結婚に関してはお見合いパーティーみたいなのがあって気があった人と、という方針が用意されている。ある日突然この人と結婚しなさい。と言う感じでは無いのだけが救いである。私は貴族でも何でもないのに、恋愛まで制限されたらたまったもんじゃない。


何度かお見合いパーティーに参加してみたけど、いつもと同じ顔触れで、マンネリ化してしまっている。大きな恋愛はなくとも、穏やかな恋愛感情で結婚できるので、離婚率も異様に低いとのこと。その前に離婚も簡単にできないんだけど。


私はもっと自由に生きたかった!行動が制限されていてたまったもんじゃない、このイルミナ食堂で働くのだって強制だ。1年もここに縛られるなんて知っていたら、どんな手をつかってでも出奔していた。


イルミナ食堂から解放されたら、半年の休暇があるので、休暇中のプランはすべて申請してある。使い切れないほどのお金を持って豪華に遊びまわるんだ。


不満はあるけど。大量のお給金は口止め料も含まれている。といっても契約魔法で縛られているので、しゃべったり書いたり誰かに知らせようとすることはできないんだけど。


そう考えると、お給金ももっと安くても良いかも知れないのに、親切なのかもしれない?


彼女のことはこれから影を通して、影のボスと宰相様と国王のみに報告される。私には今後の彼女のことを知ることはできないのだけど、ここにいい匂いに引き寄せられた仲間として親近感も沸く。いつかどこかで出会うかもしれない。彼女が自由に生きられるといいなと、祈るばかり。


あとね、さっきからずーーーっとハトがこっち見てるんだけど、すっごい気になるな、食堂だけどハトにあげれるご飯無いんだ、お腹空かせてるのかな?ごめんね。

お読みいただきありがとうございます

夜も1作品投稿いたします


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