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だらだら生きるテイマーのお話  作者: めぇー
第2章
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水の中で

自分の意志はその時々によってカメレオンのように変わる。意志が無いってわけじゃなくて、柔軟だと言って欲しい。臨機応変に対処できるってことだ!


臨機応変に対応できる私はクルっと振り向きフェリシアに話しかける。


「どこに私が連れてこられた湖に戻る場所があるの?」


ーーーーーーーー


嬉しそうに駆け寄ってくるフェリシア。許したわけじゃないんだけど、尻尾があったらぶんぶん振り回している勢いだ。


「どこの水源からも入って行けます!」


よしっ


「水源どこにあるの?」


「こちらです!」


よしっ、世間知らずでよかった、素直で人を疑うことを知らないのは悪いことじゃないけど、フェリシアが外の世界に出てしまったらいいように使われるのが目に見える、一番使おうとしていたのは私なんだけどね。


そして連れてこられた水源は水たまりのような場所だった。こんなん普通は水たまりだと思うサイズだよ!これは気づかないやつだ、教えてもらってよかった!


私は突如フェリシアに光魔法フラッシュを叩きつけて、風魔法で風の塊を湖に向かって投げつける。


ドボンという音がしたから、たぶん水に私が入ったと錯覚するはず?


仕上げに光魔法で光の屈折を利用して姿を消す。フェリシアがこれでだまされてくれるといいんだけどな・・・酷いことしてるなとは思ったけど、私を尊重してくれない人に対して尊敬する行動はとらない。


数分してフェリシアの目が慣れてきたころ、あたりをきょろきょろ見まわして、一瞬私の方を見た気がしたけど、慌てて水たまりみたいな場所に入って行った。


よしっ道案内頼むよ!と思って私も静かーにそぉーっと水の中に入った。意外と湖の中はうっすら明るい。光魔法は使用したまま姿を隠してフェリシアの後を追うように走る。


私は水たまりに入った瞬間、水魔法を少しづつ展開していって、底に着地した時に全体的に私の身体の周りを空気だけにした。今は身体全体に水の膜をはって私の周りには空気しかない様にして必死に走っている。


必死になると火事場の馬鹿力が出るタイプなもので。とっさにしては良い出来だと自画自賛しながら走ってるわけなんだけど・・・泳ぐの早い・・・・追いつかない、これ迷子になる、水の中で迷子とか悲惨すぎる。


ジグザグ進まずまっすぐ進んでいるのがありがたい。今の所魔物らしきものは見当たらない。魚も泳いでない。陸でもそうだったけど、こんなにも命の気配がしない場所は初めてで、逆に恐ろしくなる。


ここがそういう場所ならいいんだよ。それならただ私が知らないから恐怖ってだけで。あとはラーゴ村の住民が特別で魔物が寄ってこないとかありそうだなと思って居たり。だってミスリルの住民板だよ?あれは普通じゃないよ。


住民板を作るのにこのあたりに鉄がなくてミスリルばかり取れるって話ならそうなるかもしれないけど、そしたら絶対どこかの国がラーゴ村を占拠していると思うんだよね。加護もちの人が必ず来るって言ってたし。村の情報としては0ではないはず。


他国も私が住んでいる国も、手を出せない何かがあると思うのが普通。触らぬ神に祟りなしって気がしている。


それとこの世界から隔離されたような場所でも。板がちゃんとあることに違和感を感じる。あそこの村は世の理とは違う次元で生活している気がしたから。


だっていい匂いしなかったもん、いつだってどこだって村という場所には、ご飯の良い匂いがする、必ずする。それなのに料理をしている匂いや食べ物を売ってる匂いが一切なかった。普通ではないと思う。


きのこと鳥を食べてるって言うのもなんかアンバランスな気がしている。違和感っていうかなんて言うか、こおゆうのは勘なんだけどね。言葉では表しづらい部分ではある。


とにかく何もかも違和感というか、ん?って感じの事が随所にちりばめられているのが、私の感想というか感覚。だから極力関わりたくないのが本音。今回は希望せずとも関わってしまったのだけどね。


たぶんだけど、ラーゴ村のあたりでもあちこちに出口?入り口があったから、元の場所に戻るのに色々な穴と通じてるんじゃないかな?って思い始めた。


加護を持ってる人は必ずこの村に来るって言っていたし、1人だけなのか複数いるのかもわからないよね。「私の時はサラ様が初めてです!」みたいなことを言っていたからそう簡単に表れる存在ではないみたいだけど?この世の謎だよ。知らぬが仏だ。


2.3時間ぐらい歩いたら、適当に外に出ちゃってもいいかな?って思い始めたので、走って追いかけるのを諦めた。あの泳ぎは早すぎる、さすが足がフィンになってるだけある、一種のチートみたいな感じだよね。


普通に泳いだらどの位時間かかるんだろう?5kmぐらい離れてるって言ったっけ?2.3時間も歩かなくて良さそうだね?アウローラさんの所からラーゴ村がどの方向にあるかが解れば、もしかすると北の街ペスカの側に出れるというラッキーなことが起きないかなって思ったんだけど、今回冒険しておくのはやめておこう。


湖の中は意外と明るいけど、遠くまで見通せるほどの明るさではないので、光魔法で確認して魔物が寄ってきても困るし、フェリシアにも見つかってしまうだろうし。薄暗い中を歩くしかない。ところどころ光る苔みたいなのがあるのかそのおかげなんだろう。


30分ぐらい歩いただろうか。


「サラ様あああああ!!!!見つけましたよ!」


突然見つかってしまった・・・なぜなのか?ビカっとまたフラッシュをぶつけて逃げようとする学習能力が高いのか、その手は通用しませんよ!と上手に交わされてしまった。無念。


腕をつかんで引っ張って行こうとするから、やめて!と激しく抵抗するも、人の話を聞かないタイプが聞くわけもなく、無理やりどこかに連れて行かれそうになったので


「フェリシアのこと嫌いになるよ!」


と叫んだら私の腕から手が離れた。目には涙がたまってそうな顔をしている。


腕を掴まれて強引に連れて行かれそうになったけど、周りを空気にしていたため水中のようにはいかなかったのが幸いしたようだ。でも腕には痣が残りそうなほどくっきり後が付いている。


粉砕骨折させられなかっただけ、手加減してくれたのか運が良かったのか・・・怒らせたら身体バッキバキにされそうだね・・・フェリシアと一緒になる人は人間では無理だろうなーと思いつつ歩くも。


強引に連れて行かれそうになったことによって、方向感覚が解らなくなってしまった。うーん、出る場所がラーゴ村じゃなければいいし、あと適当に1時間ぐらい歩いて、地上に出れそうな場所を見つけたら出ればいいか。


悪いようにはならないと自分を信じて歩き始める。目の前や横をフェリシアが視界に入ってくるけど、見ないことにする。中途半端に構うのが一番いけないと思っての行動。本当は仲良くできたら楽しいのはわかってるんだけどね。


歩きながら地面に印を一応つけておく、意味がある変らないけど、同じ場所をぐるぐる回ってたら怖いしね。方向感覚が狂う洞窟とかよく見た話だしさ?


お互い無言で歩きながら1時間ぐらい歩いただろうか?それとももっと歩いたのかは解らないけど、フローラさんの場所までたどり着いてないような距離しか進んでないと思う。


フェリシアは1回だけ私の周りの空気の吸いに顔をズボって出してきたのが、ずーっとツボにはいっててものすごく可笑しい。もちろん笑わないけどね!笑いこらえるのに必死だよ。


本日もお読みいただきありがとうございます


面白いと感じたり、続きが気になる方は

イイネ ☆☆☆☆☆ ブックマークいただけるとうれしいです

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