第27話
「なんでそんなに私と一緒に外に出たいの?」
「だって!女神さまに選ばれしサラ様にお仕えできるんですよ!こんな名誉な事無いです!」
あぁ・・・私そんなに大層な人間ではないんだけどなーもう断るのも大変になってきたし、いっかね。
「解った私と一緒にいこ ぶふぉおおおおおおおおお」
もう無理水球に毎回はいるの面白すぎる
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おかしすぎて笑ってしまったけど、当のフェリシアはきょとんとした可愛い顔をしている。笑った原因は本人には伝えてはいないけど、
「あと一つ確認したいことがあるんだけど?こおゆう鉄のプレート持ってる?」
「はい!持ってます!私のは鉄ではなくてミスリルなんですけど・・・同じですよね?」
知らない、ミスリルのプレートがあるなんて聞いたことない。貴族は銀だと聞いたことがある。平民と同じプレート持つのが嫌だといった人が居るからそうやってわかりやすく差別化したとか。
確かに門番さんはその方が見分けやすいからね、だから王族は金かな?って勝手に思って居た。そもそも王族にこのようなプレートは必要なのかな?って思う。けど!
ミスリルて!?
それってあれじゃない、すごい貴重な鉱石だよね?普通の平民が使うものではないんだけど・・・大丈夫かな?これで街や町に入れなかったらお帰り頂こう、そうしよう。
「初めてミスリルのプレートと言うものを見たから、絶対外では出さないようにしてね。街に入る時にプレートを提示することがあるけど、基本私がプレート出してと言うまで絶対出さないようにね」
「わかりました!サラ様に従います!」
「あとその様って言うのもやめて欲しいな、サラって呼んで?」
「ダメです!予言の子サラ様を呼び捨てに出来るはずありません!それだけは何と言われてもダメです!」
んーそんなもんかねぇ・・・私は予言の子という肩書を捨てようと思って居る。そんな言葉に囚われたくない。最後にもう一度村に帰るように説得しよう、それでだめならもう好きにさせよう。
「私が予言の子で無いと付いてこないでしょ?私は予言の子から逃れようと必死になるし、その肩書を捨てたいと思って居る、それでもついてくるの?私はただの人間になるつもりだよ?」
「大丈夫です、私は必ずサラ様は予言の子を選ぶと信じていますので!」
話が通じない。
「村に帰って?私についてこないで?人の話聞いていた?私はそんなこと望んで無いの!これが理解できないなら村に帰って、私に付いてくることは認められない」
驚愕の顔をしながら理解が追い付かないような顔をしている。何とも言えない顔なんだけど、かわいい。でもだめ、人の話全く聞いてないのは話にならないし、絶対問題を起こす。
何かをコウと決めるのは悪いことでは無い、でもそれが自分に向けられてかたくなに予言の子として押し付けられるのは無理。私の意志を捻じ曲げてまで、己の意志を考えを押し付けてくる人と、仲良くなれるだろうか?一緒に過ごせるだろうか?
お友達程度ならいいよ?でも旅の仲間になるならそれは絶対ダメだ。お互いの意志を尊重し合える仲じゃないと、関係は長く続かないと思う。
片方が片方にものすごい期待する関係も長くは続かない、崇拝や尊敬も行き過ぎると別の物になってしまう。どっちかに偏り過ぎてても、依存しててもいけないんだよ。それはお互いの破滅を意味する。
私の怒りを感じたからか、服の中から赤くピカピカ光り始めた。
違う今じゃない。
普通さ?私の前世の知識をいろいろとすり合わせてさ?スライムってこうなんか最弱!みたいなイメージ強いけど実はめっちゃ凄い!みたいな物語沢山あったじゃない?なのにこの子は、イメージ通りというか、イメージより少ししっかりしてるぐらいで、そのまんまと言うかね?
テイムした動物や魔物は飼い主に似るって言うし、スライムの世界ので私らしい子が私の元にやってきたのだろう。
瞬間的に怒ってしまったので、瞬間的に違う思考にいってしまったけど、今は怒ってる最中だった!でも、もういいや、話の通じない相手と話しても無駄。魔物に悪いことしちゃだめだよって言ってるのと変わらないことだから諦めよう。
フェリシアはおろおろしてるけど、知ったこっちゃない。水魔法を使ってゆっくり戻ればいいよね、どの位時間がかかるかわからないけど、湖に魔物居たら死ぬかもしれないけど。その時はその時だ!
とりあえずアウローラさんの所にいって・・・行かなくても良くない?わざわざ声かけること無いか、そのまま逃げてしまおう、加護とか知らないし。アウローラさんの寿命が10年?それもさいい迷惑な話だよね。
お役目が10年で終わるならまだしも、死なないと解放されないとか、どんだけブラック!断固お断りだ!私はある程度お金貯めて、収入がオート化されたら働きたくないんだ、優雅に庭を眺めながら茶してゴロゴロして過ごしたいんだよ。
まてよ?私と言う存在が居なくなったらアウローラさんの寿命伸びるんじゃない?よし、そうしよう。もう少し頑張ってアウローラさんには生きてもらおうじゃないの。その間に私はお役目ごめんだし、次の人が見つかるでしょう。
女神さまに匙を投げてもらう作戦だ!
作戦は簡単、努力しないこと、フローラの毛で刺繍をしないこと。普通にハンカチに刺繍をして売ることはするけど、フローラの毛は使わない絶対に。その前にフローラのテイム解除しとこう。
フローラ テイム 解除
寂しくなるなぁ、出会いがあれば別れも必ずあるけど、こおゆう形では不本意。ラロとのんびり行きますかねぇ。
当初の目的、北の街ペスカに向かうのだ!途中ご飯食べたり、街を見て回ったり、一杯楽しまないとな。節約ばかり心掛けて、歩くためにフローラをテイムしたりしたけど、結局このざまだ。
お金がゼロになってしまうのは困るけど、守るだけの行動をしていると、出て行くばかりで増えはしない、だから乗合馬車にのって刺繍をしながら行くのがいいかもしれないなぁ。
馬車に乗っていて刺繍が出来るかは難しいとはおもうから、デザインだけ考えておいて、止まった時に縫う作戦でいって見よう。
知らない人と話たりして、次の町の情報を収集したりするのも楽しいだろうし、私の知らないことを知る良い機会でもある。お金には代えがたい素晴らしいことだよね。お金なくなるのは怖いけどね、ほら行く先々で美味しいご飯一杯ありそうだしさ!
食べたいものが食べれないことほど悲しいことはない、私はパンケーキを忘れないよ・・・
途中で歩いてもいいし、どうにでもなるか。少なくとも今の状況よりきっと自由でましなはず。いつもと違う日常を体験しよう。
決意を新たにしたので、歩き出す。ところで湖に繋がる湖?はどこにあるんだろうね?困りましたねぇ・・・グスグス音とペタペタ音が付いてきてるなぁ。何とも言えないしょっぱい顔になる。
これならまだレオ様の方がましだわ。彼は自分の気持ちを無理やり押し付けたりしない、レオ様のモデルになってもいいかもしれないな、そのほうがお金もしっかりもらえるしな!お金は大事だからね!
自分の意志はその時々によってカメレオンのように変わる。意志が無いってわけじゃなくて、柔軟だと言って欲しい。臨機応変に対処できるってことだ!
臨機応変に対応できる私はクルっと振り向きフェリシアに話しかける。
「どこに私が連れてこられた湖に戻る場所があるの?」
本日もお読みいただきありがとうございます
少しづつですが、書くことが早くなってきたように思います
明日、日曜日は2話更新したいと思います
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イイネ ☆☆☆☆☆ ブックマークいただけるとうれしいです




