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だらだら生きるテイマーのお話  作者: めぇー
第2章
19/181

ep.19

そのハンカチは闇で売買、いえ、好きにして良いとあげているらしいので、広く知られるとお小遣いが減る・・・いえ、便宜を図ってる、違う。自分の家族に持たせたり、懇意にしてる貴族に売ったりしてるらしい。


まぁとにかくそんな感じだ。


王族からの依頼はまた別の注文らしい。


ーーーーーーーー


え?王族ともやり取りしてるわけ・・・?それでこの一軒家でのんびりすごしてる?この人本当に普通の人なのかな?魔族とか魔女ではないよね?


気になることが次から次へと出てくる。とりあえず言われたことは全部メモしていく。こちらの世界にはメモをするという習慣がないので、おばあさんは大層驚いていた。


メモしないと忘れるじゃない?こちらの世界には紙はあるけどノートと言うものが無い。私は紙をまとめて紐で通してるだけの簡易なものなんだけど。特別紙が高い物ではない、本などは高い。


買いたいものは、その時あるものをみんな買ってるし。お店側は予約されるとしたらメモしてないお店がほとんどで記憶している感じがする。


これは売るほどの物じゃないし、誰でも簡単に作れるから知られても良い。商機がありそうなものは内緒だ。


特に何も持って無いけども!このハンカチで無限にのんびり過ごせるのでは?と思ってはいる。でも将来は何もせずすべてがオート化された環境で過ごしたい。私が刺繍せずとも、刺繍できる人を雇いのんびり過ごすんだ。


よし、人生設計図は決まった。あとは実行あるのみ。


おばあさんに聞けることは全部聞いとかないといけない、あとは何があるだろう?


「おばあさんが引退する時には、その騎士団長さんと副団長さんを紹介していただけますか?」


「あんらぁ~そんなこと言わずに今から刺繍すればいいよ。代わりに私が売っといてあげる、その代わり少し手数料は頂くけどね、私が引退しようと思ったら紹介してあげるよ」


こ、これはっっっ私だ、私と同じ考えだ、もう自分は刺繍する気が無い奴だ!


「あんらぁ~ふふふふふ、顔に全部出てるよ。その通りだよ、サラさんは私と同じ匂いがする、考えてることは手に取るようにわかるよ。別にそれが悪いこととは言わないよ、私もその道を通ってきた。


そしてね、ここからが重要だよ。私の前の人もその前の人もだけど、この家を譲り受けてきたよ。だから私が死んだらこの家はサラさんの物だよ」


家きたああああああ!!!!!

本当ですか!?夢ではないですか!?こんな素敵な家が私の物に?


「え?頂けるんですか?このお家を?」


「あんらぁ~、そうやって私もこの家も貰ったの、そして私の死期は近いと言う事」


えっやだ、そんな重たい話いらない、言葉が出ないし絶句していると


「あんらぁ~絶句してしまったね、前の人もそうだったよ、だからサラさんもフローラが居なくなって、誰かひょっこり連れて帰ってきたら、全部引き継いであげてね」


う、うーん・・・なんかとても複雑な思いが湧き上がってくるけど、いつか人は死ぬからそれでいいのかな?


「はい、わかりました、おばあさんの最後は私が看取ります!」


「あんらぁ~ふふふふふふふふふ、死期が近いといっても、今日明日の話じゃないんだよ、10年ぐらいは先の話さ」


以外とあった、ほっとするね。でも10年か・・・後自分の命が10年と宣告されたわけだけど、どういう気持ちになるのかな?想像もつかないや。


1週間後に死ぬよって言われたら、その1週間は死ぬほどやりたいことやりつくして死ぬだろうけど、10年って・・・


「あんらぁ~そうだよね10年て微妙だろぉ?だからこの10年は私たちにとっても、大事な10年になるんだよ」


「どういうことですか?」


「あんらぁ~この仕事はね、いわば呪いだよ」


「え・・・?呪い?」


「あんらぁ~そうだよ、これは人の命がかかわってくるだろ?自分が刺繍しないと騎士様達が死んでしまうかもしれない。もちろん死なない人もいるけど、騎士様達はこのハンカチを多少はあてにしている。しかも、1回身代わりになると、ハンカチからの加護は無くなってしまう」何事も無ければ3か月、何かあればすぐ効果が切れてしまう、だから刺繍し続けなければいけなくなる、騎士様だけの為じゃない、国民の為にも、刺繍し続けなければいけない」


うわっ、突然話が重たくなってきた・・・・・片手うちわにオート化してスローライフを続けようと思って居たのに!なのに!なんでこんなことに!


逃げようかな?


「あんらぁ~逃げれないよ」


笑顔がまぶしい!とんでもないことになってしまった


「あんらぁ~まだ言ってない秘密はあるよ、でもこれはおいおい伝えていこうかね、この10年間は私たちにとって、のんびり過ごせる最後の時間だよ。サラさんはこれからスタートするけど、でも最後の10年はまたこのように過ごせる、それを忘れてはいけないよ」


えーやだな、思いっきり顔にでているのだろう、おばあさんが笑っている。


「あんらぁ~悪いことばかりじゃないよ、刺繍が早くなればお金持って旅行いけるからね、しかも贅沢にいける」


それは悪くない話!


今日1日で沢山のことがありすぎて頭がパンクしそう。

まとめると。


・魔羊さんの名前はフローラ

・フローラの毛をブラッシングする時は不動明王の構え

・お庭の植物は季節めちゃくちゃに咲いている

・種などはフローラが持ってきたものを植えている

・刺繍されたハンカチは高値で売られる

・おばあさんの死期は10年後、これは私にも言える

・完全オート化は無理な気がしてきた


これぐらいかな?もっとあった気もするけど、今日はこの辺でまとめておこう


「あんらぁ~まとめてて偉いね、じゃぁ早いけど、夕食にしようかね」


「はぁーい!」


夕飯はなんと豪華な肉エッグだった!ベーコンじゃないんだけど、お肉と卵の最強組み合わせだ。


「あんらぁ~では頂こうかね」


「はい!」


「「頂きます」」


「「・・・・・・・・・・・」」


これはもしかしてもしかしなくても、ひょっとするとアレですかね?


「「・・・・・・・・・・・」」


沈黙が辛い!


「おばあさんのこちらの世界のお名前はなんですか?」


「あんらぁ~アウローラだよ」


フローラにアウローラ・・・私の名づけセンスも似てるかもしれない。にっこりと笑顔で返す、アウローラさんも笑顔だ。


やっぱり私たちは似ていると思う。前世もおそらく日本人だろう、でもあえて聞かない。聞いてもしょうがないことだから。


結構多いな?転生した人か生まれ変わったのかは解らないけど。


聞きたいことは一杯ある


一人になってどの位経つのか?

今何歳なんですか?

毎月どのぐらいの刺繍をしているのか

普段のご飯はどこから仕入れているのか

ここに人は訪ねてくるのか

孤独ではないのか

盗賊や物取りがこの家にやってこないのか


などなどきりがない。でもアウローラさんを見ていると、なんとなくすべてのことは平気な気がしてきた。だって、もし孤独だったり強盗がいたらこんな風には暮らせないよね?


あっ思い出した、ストーカーレオ様、ちゃんとまけたかな?ここの存在は知られてはいけない気がする。私は世界の秘密を知ってしまったのかもしれない!だってこんなハンカチがあるなんて知らなかったもんね。騎士様達や冒険者の方たちが日々、魔物を討伐して私達国民を守ってくれているのは知ってはいた。


今日の出会いとアウローラさんにごちそうしてもらったご飯に感謝しつつ、眠りについた


お読みいただきありがとうございます


突然カクヨムの方で題名が付けれなくなってしまったので

こちらの方も、題名無しにしました


面白いな、続きが気になるなと思った方は

イイネ☆、ブックマークいただけると嬉しいです

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― 新着の感想 ―
はじめまして初読みです。ほのぼのとした話が読みたくてこの話にたどり着きました。主人公が可愛くてちょっとドジで続きも期待してます。 質問ですが どういうことを「どおゆうこと」と表してるのはわざとでしょ…
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