第175話 ちゃくちゃくと
「カカオは?」
と聞いてくるので、それは糖分かな?と教えるとものすごく残念そうな顔をしていた。
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カカオは糖質なのに加えて、カフェインと言う物が含まれていて、どんな作用があったか正直覚えてないけどとにかく良くないと言う事だけは覚えているということも伝えておいた。
カフェインと言う物は何に含まれているのか?と聞かれたのでおそらくこの世界にあるものだと、紅茶とカカオぐらいだと思うことも伝えておく。ハーブティーやフルーツジュースなら大丈夫だとも伝えておくけど、ハーブティーも物によっては・・・
こう考えるとダメなものが沢山ありすぎてやんなるね?ほんの少しなら大丈夫のはずだったけど、大抵の人は避けるようにしていたし、もうここは侍女様の判断に任せようと思う。
毎日ほんの少しなら大丈夫、カカオなら小さいコップ1.2杯ぐらい。なんでも食べ過ぎなことはいけないこと、あとは侍女様の判断次第だと言うことも。
前世はダメなことが多すぎて良くなかった。もちろんそれは赤ちゃんにとって良いことなんだけど、こちらの世界の基準で考えた時、果たして当てはまるだろうか?という考えが頭をよぎるしね。
今はこの世界で生きているのだから、あまり前世の知識を使用するのはやめておこうと考え直した。便利なものはもちろん作ったりするけどね。
私自身の考えや思いを伝えると侍女様も理解を示してくれて、自分自身でも気お付けては見るけど、どうしても解らないことや、身体に不調が生じた時は頼らせてもらいたいと言うことを言われて、お互い納得することにした。
そしてジャガイモは食べることなく、もう1本ニンジンを収穫してバリバリ食べている。お腹が空くときなんだろう、できたら火を通した方がいいとは思ったけど、黙っておく・・・お魚料理も沢山収納靴下に入れておきたいな。侍女様の為にしてあげられることって何だろうって考えてみよう。
次の日になり成長魔法を付与しなかった畑に行ってみると、作物がしっかり育っている。うん・・・私の成長スキルいらないね?完全に女神さまの加護がかかった土地になってるから、どんなことがあっても成長するみたい。
それならもし私が死んでしまった後でも、この土地は祝福されているから、侍女様の子供やその子孫たちが暮らしていくぶんには困らないだろう。
安心はするけど、この土地をめぐっての戦争にもなりかねないから、ここは慎重にしていかないといけないなと、課題が増えたなーと思うけど、難しい先のことばかりを考えていてもしょうがないから、いったん保留で。
1日でこんなに作物ができるなら、これ以上増やさない方がいいのかもしれないというか、土地全体に女神さまの加護がかかっているのなら、この土地全部が畑になる可能性もあるんだよなぁ?
うん、やっぱりめんどくさいことは後で考えよう。まずは子供が無事に生まれること、そして成長すること、ひとつづつだね。ついでに私の結婚も・・・相手見つかるのかなぁ?見つかるといいなぁ。
そんなことを考えながら、新たにできた畑は果樹園にしたいなと思ったから、リンゴや桃など木から成る果物を植えて行きたいから一度街に行って種を買わないとなと思う。あとみんなに何を植えたいかを聞いてみようかな。
そろそろ皆が起きてくる頃だから、一人で朝ごはんをもそもそ食べ始めたら、侍女様が一番最初に起きてきたので、植えたい食べ物や果物はある?と聞いてみると、桃を植えたいのときゅうりを食べたいと言われたので桃ときゅうりを候補に入れる。
次に兄と護衛騎士が起きてきたので、何か植えたいものがあるかどうか聞いたら、兄はブルーベリーが欲しいと言う。ほんの少し以外だな?というか兄の好みってブルーベリーだったっけ?と少し思ったけど、ほしいなら植えようじゃないの!
そして護衛騎士はスイカとメロンを植えたいというのでスイカとメロンも植えることにする。
今日は果物の種を買いに行こうと思っていることを伝えると、兄が一緒についてきてくれるというので、一緒に行くことにした。
侍女様と護衛騎士は緑の地でのんびりするみたい。
朝ごはんを食べて、魔クマたちを呼び出しいざ街に向かおうとすると、外に誰かがうろうろとしている。
思わず兄と目を合わせてしまったけど
「誰だろう?」
「王子だぞ」
「えっ!?王子?普通の平民に見えるんだけど?」
「俺には王子に見えるぞ?」
「兄さんの目ってどうなってるの?もしかして変装とか見抜けちゃうタイプ?もしかしてこの光魔法も外から見ると緑の地が見えてしまうとか?」
「この緑の地はきれいに見えないけど、変装しているとかは意味がわからないなー?みんないつだってそのままに見える、王子も今変装しているのか?」
「うん」
なんだかとんでもない発言を聞いてしまった。さすが愛し子の騎士といったところだろうか?真実を見抜く目を持っているのだろう。とんでもないな・・・兄でよかったなと心から思う瞬間でもあるけど・・・
「街に行くのどうする?」
「今日はやめとくか」
「そうだね」
魔クマにサドルをつけたりしたけど取り外し。緑の地の中心地に戻ると、侍女様と護衛騎士がイチャイチャしているから戻るに戻れず・・・イチャイチャするタイミング早すぎるよ!と思いながら、兄と一緒に畑の方で時間をつぶすことにした。
これだけ成長が早いと果物の木も1本だけでいいよね?という話にもなり、今後あまり畑を増やしすぎても、見つかったときに争いの種になりかねないことも伝えると。
兄も私の意見に賛成してくれて、いったんは様子見でこれ以上畑を増やすのはやめておこうという話に、でもわざわざ果樹園を作らなくても、その辺に普通に果物の木を植えてもいいのではないか?という話にもなった。
たしかにそれも良い案だなと思って、1個だけ畑に植えてみてから様子を見てからその辺には植えてみようか?という話にもなり、とりあえず果物の種を手に入れたいよねという話になり。
魔猛禽に頼んでドリーさんのもとに飛ばしリンゴの種を魔猛禽に持たせてほしいメモを託して飛ばすことにした。
頼むよ!私は思ったらすぐ実行したいタイプなんだ!すぐ植えたいしね!リンゴ早く食べたいじゃない?にんじんもやたら甘くておいしかったしリンゴの糖度がとても楽しみだな。
わくわくしていると、侍女様たちが表れて
「お待たせしました、何があったんですか?」
って聞いてくるじゃないの。お待たせしましたじゃないのよ・・・
理由を説明するとなるほどなという顔をしているから、次からは私たちが完全に外にでて、しばらくたってから頼みますよ?と心の中で念じておく。さすがに口に出して言うほどデリカシーが無いタイプではない。
果物の木をその変に植える案も喜んでくれたし、あとは数日待ってから計画を実行するかしないかを決めることにした。
湖のビーチチェアに寝転がりながらぼーっとしていると、侍女様が神経衰弱をやりましょう!と言ってくるもんだから、そのまま寝たふりをして本当に寝てしまった。
しばらくして目が覚めると魔猛禽のファルコが戻ってきたみたいで、足元にリンゴの苗が置いてあった。想像していたより苗が大きくてファルコに重たくなかった?と聞くと、大丈夫だった!と仕事をやり遂げた満足感からかとても誇らしげに胸を反らしている。とてもかわいい。
苗のほかにも手紙があって
「リンゴ沢山できたらアップルパイ作りたいです」
と書いてあるから、ドリーさんの作ったアップルパイ楽しみになってきた!こちらのアップルパイは少し硬いからね、是非前世のふかふかなアップルパイを食べたいなと。
リンゴの苗を植えて、様子を見ることにした。魔猛禽や魔クマが好きな果物を植えるのもいいね、好きな時に好きなように食べられるようにしておくのも理想だな!
だんだんと理想のスローライフを送ってる実感がわいてくる。
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