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だらだら生きるテイマーのお話  作者: めぇー
第6章
172/181

第172話 この世界は危険に満ちている

無事収納巾着に付与を施すことができてドリーさんもとても嬉しそうな顔をしている。お休みの為にここに来ると言っていたけどお米を作るためにここに来る気なのでは?お休みではないのでは?と思うけど、それはドリーさんの人生だからね。


ーーーーーーーー 


魔鶏が沢山卵を産んでいたので、ドリーさんに沢山卵を持たせることに。1日1個どころじゃない、4.5個うんでるんじゃないのかな?って言うほどの尋常じゃない量を生み出している・・・


なので、魔鶏も2羽持って行ってもらうことにした。おにぎりに卵とかね?最高でしょ?是非卵料理関係のご飯も売り出して欲しいと思う。


ドリーさんが帰る日になり、一人で帰ると言い張ったけど、流石に一人では危険だし、どうしても帰りたいなら魔クマに乗ってもらわないとと言ったら、一人で乗るのは怖いから一緒に誰か走って欲しいと頼まれて、みんなで王都に行ってお茶でもしようかという話になり、みんなそれぞれ乗ることにした。


侍女様と護衛騎士は馬に、私と兄ドリーさんは魔クマにのることにした。


ドリーさん本人がテイムした動物と言う生き物にちゃんと接したことが無く、私が渡した2羽の魔猛禽のこともすっかり頭から抜け出てしまっていたようなので、魔クマに乗りながら魔猛禽たちとも触れ合ってもらうことにした。


自分たちの存在をすっかり忘れ去られていたムーとシープは張り切ってドリーさんの周りで自分をアピールしている。


いつも王都に行ったときにしか連絡取れなかったけど、これからはムーとシープを飛ばしてくれればいつでも連絡がつくこと、明日突然緑の地に行きたいと思ったら、ムーとシープに小さいメモを渡してくれれば、すぐに私たちに連絡がくるからいつでも遊びに来れることを言うと、とても嬉しそうな顔をしている。


これを言うのは二度目なきがするけど、突っ込んではいけない。ずーっと緊張して1人で頑張ってきたのだろうけど、時々息抜きや安心できる場所って大事だもんね。


「そういえば家を出るって話はどうなったんですか?」


「あっ来週には引っ越すよ、絶対遊びに来てね!」


「ならお引越し手伝いましょうか?」


「この収納巾着があれば大丈夫だよ!」


うん、楽しそうな顔が眩しい。でも一つ言っておこう。


「その袋をもっていたせいでね、私は1年間生まれた国で監禁されたんだ、だから絶対持ってることを他人に悟られない方がいいかな。たとえ一緒に住んでる人にも教えない方がいいし、一緒に仕事をしようという人にも教えたらドリーさんが危険な目に合うかもしれないことを認識しておいてね?私が居る時はどうにかできるかもしれないけど、いないときにドリーさんが攫われたり、人質に取られて私がひどい目に合う可能性があるの。だからこの件でだけはお人よしは絶対にやめてね。何があっても私はかばえないから」


ドリーさんの笑顔が消えた。厳しいことを言ってるのはわかる。自分に良くしてくれた人に対して親切でありたい気持ちもわかる。けど収納巾着で親切は絶対にだめ。全国民が買えるぐらい量がでまわってるなら構わない、けど今は違う、今はだめだ。


前世のお人よし民族がどこまで出てくるかはわからないけど、もしその収納巾着のせいでドリーさんが何かの事件に巻き込まれても私にはどーにもできないし、どーにかできたとしても助ける気はない。


だからとても強い口調で話してしまい、ドリーさんの顔から笑顔を奪ってしまったけど、もう一つの収納巾着だってお店を手伝ってくれる子と共有するつもりで、血の付与を行わなかったことは重々承知しているけど、でもそれ以上はあえて何も言わない。


この世界にきてしまった以上はこの世界での生き方をしないと死んでしまうからね。


とてもまじめな顔で無言でうなずくドリーさん。ドリーさんの人生がうまくいくように祈るばかりだよ。


王都についてから、いつも魔クマを預けてる場所に預け、ドリーさんにこちらに来るときには魔クマを派遣するから、その時はここに来てほしいこと。そしてもし魔クマが居なかった場合は絶対に緑の地には来ないように言う。


さっきからきつい話ばかりで申し訳ないけど、これがこの世界の現実だからね・・・・前世の時のように平和ではない。納得いかないような顔をしているけど、女性の一人歩きで魔物を討伐したことがない、かつ討伐できるスキルや魔法を持ち合わせてない時点で、魔物と対峙したら死んでしまう確率は100パーセントだと伝えると


「私はまだこの世界のことを知らなさすぎるんですね・・・」


と少し寂しそうな顔をしてつぶやいている。思わず


「そりゃそうでしょ!こちらに来て何か月ですか?その油断が死ぬんですよ!前世のことだって全部を知ってるわけではないのに、こちらにきて数か月。商売のことは私より詳しいけど、戦ったことが無いドリーさんが知ってるわけないでしょ!人はそれぞれ得意分野があるんですよ、だから知らないことがあったっていいんです、だから知らないことを知れたことをラッキーだと思いましょう!」


「そうですね・・・」


ほんの少し顔が明るくなったけど、思うところはあるのだろう。こればっかりは仕方ないよね。無事に生き延びてこそだ。


なんでも自分で試したい気持ちはわかるけど、無謀なことはしないでほしいなと思う。


魔クマたちにもドリーさんの言うことを聞くようにと伝えておく、けど街道を外れようとしたり、緑の地にまっすぐ向かわないときは命令を無視して緑の地に連れてくるように命令しておく。


ドリーさんは知らなくていい命令。魔クマがいるからと気が大きくならないとも限らないからだ。


王都についてみんなでカフェに入り、ランチをとることにする。いつもパンケーキを頼むお店とは違い、ドリーさんのおすすめのお店を教えてもらう。


定食屋の佇まいをしていたのだけど、中に入ると・・・文字がまだ読めない。ドリーさんにお願いして訳してもらうと


「親子丼」


というので、何の親子丼か!?なんのお肉なの!?と聞くと


「魔鳥と卵の親子丼だよ」


というからもう私の注文するご飯は親子丼一択になった。それを聞いた3人は前世の食べ物だろうと思ったらしく私と同じ親子丼を頼んで、ワクワクして待つ。


そして出てきたのは・・・ご飯の上にか上が役黄金色の半熟卵に魔鳥のお肉が一口サイズに切り分けられた、どんぶりが出てきた。


ひとまず目を閉じて深呼吸する。今、目の前にある食べ物が私の口の中に今まさに、入ろうとしている現実。そして・・・親子丼だ・・・


いただきます


と手を合わせてスプーンを手に取り最初の人さじをすくう。ご飯の中にスプーンがサクッと入っていき、ご飯の上に乗った魔鶏のお肉と半熟卵が一つのスプーンの中にぷるっとしてある。


それを見た瞬間口の中からどばーっと唾液が放出される。ちょっと待ってほしい唾液たち、私は今これを口にする、落ち着くんだ。


と自分に言い聞かせてスプーンに乗った小さな親子丼を口に入れる。


「!!!!!!!!!!!?」


「ふふふ」


びっくりする私に対してふふふと笑ってるドリーさん。これは・・・


「親子丼かと思ったんですけど、味はどっちかというとヒレカツみたいな味ですね?なんでこうなったんだろう・・・」


「そうなんですよびっくりしちゃいません?魔鶏だけ食べると同じ鶏肉の味が濃い感じになるだけなのに、卵と一緒にするとなぜかヒレカツみたいになっちゃうんですよね」


えぇーーーーーーなんだか残念だけど、ヒレカツ食べてると思えば普通に美味しい。


「このご飯はドリーさんが?」


「そうなんです、お店の人が新しいメニュー考えてるっていうからほんの少しだけお手伝いさせてもらっています、お米は私が作ったものですよ!」


なるほど、だからこんな穴場的な食べ物屋さんをしているんだなー。ドリーさん的にはご飯を使ったお店をもうちょっと増やしたいみたい。そうだねうっかり転生して記憶が蘇っちゃったり、移転しちゃったらご飯があるだけでも気持ちが落ち着くかもしれないしね。


ドリーさんの苦労が少し見えた気がした1日だね。


本日もお読みいただきありがとうございます


面白いな、続きが気になって思った方は

イイネ ☆☆☆☆☆ ブックマークいただけるとうれしいです

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