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だらだら生きるテイマーのお話  作者: めぇー
第6章
171/181

第171話 緑の地とお米

兄にドリーさんの案内を頼み私と侍女様と護衛騎士で円陣を組んで話し合いを始める。


ーーーーーーーー


「あの二人は一緒になった方がいいと思うの」


「そうでしょうか?まだ様子を見た方がいいのでは?」


「ミレーナの言う通りだと思う」


「護衛騎士は黙ってて、なんでまだ様子が良いと思うの?」


「ドリーさんには全くその気がなさそうに見えますし、私ならあんな妹馬鹿は願い下げと言いますか」


・・・・・・確かに、何も言えませんね?それを言われちゃいますとね!妹より家族より自分の方を見て欲しいと思うのはわかるかな・・・


しかも兄は 「愛し子の騎士」


という名称まで授かってるから、より妹を持つ他の兄たちよりも妹馬鹿が強い気がしている。それをまざまざと目の前で見せつけられたら・・・そうだねー最初の頃はよくてもだんだんと嫌になるかもしれないね・・・


「なら、無理やり一緒になるようなことはしないけど、さりげなく二人を一緒にするとかはあり?」


「それならいいんじゃないですかね、ただローラと一緒に居る所は沢山見せた方がいいと思います」


「どうして?」


「ローラは気づいてないかもしれないが、お前の兄は相当世話を焼いてるぞ。騎士というより孫を溺愛している祖父って感じだな、へんな虫を寄せ付けないと言う意味ではいい働きをしているぞ」


「孫を溺愛している祖父・・・・・・ちょっと?護衛騎士何言ってるの?へんな虫って?」


みぞおちを侍女様に突如殴られる護衛騎士。この人今失言したな?もしかして私に出会いが無いのは兄のせいなのでは!?


思わず護衛騎士をにらみつけてしまい、目を反らす護衛騎士。侍女様は目をつぶって私の顔を見ようとしない。


そうだったのか・・・レオンから守ってくれる分には良いけど、他に出会いがないのは兄のせいだったのか・・・ならば


「二人とも、兄とドリーさんの邪魔をするよ、兄にだけいい思いはさせません!二人を一緒にするな、むしろドリーさんに良い相手を見つけてあげましょう」


二人とも有無を言わさない私の圧に負けたかのように、うなずくだけだった。


私だって年頃だし、前世では十分若いけど、この世界では行き遅れと言われる年齢に達してしまっているからね!王宮で監禁されてた1年が地味にダメージ大きい。


ここから巻き返していこうと決意し、侍女様と護衛騎士には兄とドリーさんが二人の時には積極的に介入してもらうことにした。


あっというまにドリーさんの滞在日が過ぎ去り、その間にしたことと言うと。侍女様と護衛騎士が作った大きな簡易テーブルで神経衰弱三昧という・・・私の神経のみやたら磨り減る事態が発生した。


神経衰弱は主に夜だったけど、ドリーさんに侍女様と護衛騎士が昼夜関係なく積極的に挑み続け凄い回数をこなしていたと思う。もちろん私は途中から参加したりしなかったりだけど。これも一つの妨害行動だと思いたい。


昼間は私が作ったミニ水田を見せたり、土で育てた稲の場所を見せたりして、この2日間でドリーさんがその場所を使って稲を育ててみることに。


ドリーさんが滞在する間に収穫もできたので、一緒に実食することにした。実食することを見越していたのか、ドリーさんが買ってきたおかずは肉しかなかった。しかもそれとは別に薄く切ってある肉だ・・・


鉄板ないなぁ・・・網無いなぁ・・・焼き肉食べたい!


ドリーさんに焼ける場所無いのか?と聞かれたけどあるわけがない!だからそのお肉は私が空間収納を持っているから預かるというテイで預かることに。


すんなりお肉を私に渡してくれるドリーさん・・・私だからいいけど、他の人なら食べちゃうよ?むしろ私も食べたいけど我慢するけど?この世界はそんなに優しくないよと、言ったら。


ローラさんになら食べられても良いし、裏切らないと思って居ます。それにもし裏切られたとしてもしょうがないなって思うので大丈夫ですよ!


と、まんま前世のいい人って感じでますます馬鹿みたいな兄とは一緒にはしていけない気がしてきた。もっと危険から守ってくれる紳士が良さそう。


あまり余計な事を言い過ぎてもおせっかいだし、ほっとこう。


ドリーさんが作ったお米も私と遜色なく同じ味をしていたし、水田で育てても土で育ったやつでも同じ味がしたから、あとは好みのもんだいだねって話した。


そしてドリーさんに提案されたことがあって。週に2日こちらの方に泊まりに来ても良いか?というお願いだった。


今まで休むことなく一生懸命働いてきたし、それにお店を手伝いたいという人が出てきたそうだ。お休みの日だけ店番をしたいと言ってきているようですっかりお米の魅力に取りつかれているようで、毎日のように弟子にして欲しいと懇願してくるそうだ。


いい加減しつこいし、情熱もあるから任せてみようかなと言う気持ちになったらしく、今現在仕込んでいる最中だそうだ。


今回はお店を閉めてきたけど、その人が一人でも店番が出来るようになったら、お休みの日はこちらに来たいと言う思いが強くなったみたい。ここで今回過ごしてみて、特に思ったそうだ。


ただ単に私が居るというだけではないようで、私はそれなら自由に過ごしてもらいたいと思ってOKを出す。


もちろん他の3人の許可が無いとだめなど、ここの細かいルールを今は話さないでおく。人間はいつ裏切るかわからないから。


だからたとえドリーさんでもしばらくは様子を見ようと思う。


そしてこちらに来た際にはお米も作らせてほしいとのこと。それは全然かまわないけど運ぶのはどうするのか聞いてみたら、馬車を買おうかなと言って居るので、私が作れるとは言わずに収納巾着の話をした。


そしたら、少しなら貯金があるからぜひとも買いたい!どこで買えるのか!とものすごい勢いで食いつかれたので、今私が持ってる物なら2.3個譲れるけど、見た目そんなに良くないし、内容量も樽2個分ぐらいしかないことを伝え見た目がぼろぼろなので金貨2枚で譲れることを伝えると。3個とも買うと言うじゃない。


ドリーさんはどれだけここでお米を作ろうとしているのか・・・気になるじゃないの。1袋金貨2枚になるんだけど大丈夫?と聞くと全然大丈夫と言う。なんだかすごい興奮しているけどなんでだろう?


本人が買うと言うならと3個とも渡す。どこにしまっていたのか金貨6枚を私に渡してくる。そして収納巾着を握りしめて大喜びしているじゃない。なんでそんなに喜んでいるのか聞いてみたら。


「だって空間収納の巾着ですよ!異世界に行ったら絶対欲しかった奴ですよ!憧れのアイテムですよ!」


と大興奮している。確かにね、憧れのアイテムだね。


「これね、血を垂らして付与をするとドリーさんにしか使えなくなるんだけどどうする?付与しちゃう?私は付与魔法持ってるから出来るんだけど、どうする?」


「もし盗まれても中身取られないと言う事ですか?」


「うん、そうなるね」


「もし盗まれて袋を壊されたらどうなりますか?」


「中の物は永遠に消えるのかな?よくわからないけど中身が出てることは無いよ」


「それなら2個ほど付与したいです」


と言うが早いが、どこからか取り出したナイフを取り出して、ざっくりと自分の手を切って血をダバダバ収納巾着に垂らしてるじゃないの・・・


「1滴でいいんだよ・・・」


と思わず言ってしまった。ドリーさんも少しやりすぎたかなって顔をしている、そうよく前世で見た手に平をシュっと切るような感じでかっこよく決めたかったのだろう。気持ちはわかるよ!


無事収納巾着に付与を施すことができてドリーさんもとても嬉しそうな顔をしている。お休みの為にここに来ると言っていたけどお米を作るためにここに来る気なのでは?お休みではないのでは?と思うけど、それはドリーさんの人生だからね。


本日もお読みいただきありがとうございます


面白いな、続きが気になって思った方は

イイネ ☆☆☆☆☆ ブックマークいただけるとうれしいです

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