第168話 たまご
侍女様と兄はもちろんと言ってくれたけど、護衛騎士は難しそうな顔をしている。もしその約束ができないなら・・・うん、こっそり破られても腹立つので血の付与をするときは必ず私が居る時にすることを伝える。独裁者のような事を決めたけど、レオンはもう勘弁して欲しい。
たまご
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次の日の朝起きると目の前にに卵があった。
これ・・・これは!!!!!たまごおおおおおおおお!魔鶏はどこだああああああ!?と顔も洗わず口もゆすがずに探し回る。
ガサガサ草をかき分けたり色々していたらみんなが物音で起きてしまった。大変申し訳ないのだけど。
「見てよこれ!昨日魔猛禽達に魔鶏の居場所を探してもらうか、生け捕りでこちらに持ってきてもらうか頼んでおいたの!そしたら見て!たまごだよ!たまごがあったの!魔鶏がこの辺に居ると思うの一緒に探して!」
と朝から大興奮で魔鶏を探す、テイムしないとね!そんなに広い場所じゃないのになかなか見つからない。侍女様も卵を食べたいのか一生懸命探してくれている。男性陣はなんとなくめんどくさいなと雰囲気が感じ取られて卵上げないぞ?って思ったけど。
兄が居たよって魔鶏を持ってきてくれた。止めて!その持ち方鶏が可哀そう!テイムするからちゃんと抱っこして!とお願いしてテイムをする。
魔鶏の頭の中に直接響くように心の声を乗せてテイムとつぶやく。
1回目テイム失敗
2回目テイム失敗
3回目テイム失敗
なぜ!?こんなにも魔鶏を待っていたのになぜこんなにも失敗するのか!?その間兄の手は魔鶏につつかれてどんどん青あざができている。とてもつらそうな顔をしているけど私の為に頑張っているみたいなので、私も頑張らなきゃ!
4回目テイム失敗
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8回目テイム成功
やったぁー!
「テイム成功したよもうちょっと抱っこしてて」
と兄に頼みすぐにテイムした魔鶏を白くする。でもよく見ると子の子オスじゃない?
「兄さんこの子オスだよね?」
「そう見えなくも無いな?」
「メス探そう」
ほんの少しうんざりした顔をしているけど、がんばって探そう?と謎の励まし方をする。そしたら侍女様が
「見つけましたー!」
と叫んでくれたので走って向かったら、護衛騎士ががっちりと魔鶏をホールドしていた。止めてそのままだと息できなくて死んじゃうから!少し腕を緩めて!とお願いして、先ほどと同じようにテイムする。
次の子も8回目でテイム成功した。魔鶏のテイム成功率って8回目なのかな?2番目の子を見ていると、この子も立派なトサカがある・・・オス?魔猛禽がオス2羽持ってきちゃった?
後ろでガサッっと音がしたから振り向いてみれば、魔鶏がのんびり歩いていたので捕獲してテイムした。この子の見た目もオス。
ん?オスばかり3羽も捕まえてきたのかな?どういう事だろう?魔猛禽たちに聞いてみよう。
(ここにいる子達ってオス?)
(違うよメスだよ)
え?見た目オスなのにメスなの?
(全部で何羽連れてきたの?)
(オス1羽にメス5羽だよ)
え?今捕まえた3羽全羽メスなの?ならオスはピンク色にしようかな?オスは逆にメスみたいな見た目をしているのだろうか?気になるんですけど!
残り3羽いることを皆に伝えて、みんなで探す。全然見つからない。だから先に朝ごはんを食べることにした。
卵が一つ何か焼いて食べたいと思ったけど、私たちはあまり料理をしないので、炊事場みたいな場所が無かった。すべてご飯は買って収納靴下や収納巾着に入れて、必要な時には自分で取り出して好きなように食べていたから、料理をするという概念が完全に抜けていた。
でも私はたまごが大好きだから、流石に調理場は欲しいなって思ったし、一応家を建てるなら調理場も作る予定ではある。利用するかしないかは別としてね。
朝食を食べ終わってから残りの3羽を探そうと、みんなでわちゃわちゃしながら探すも全く見つからなくて、だんだん流石に飽きてきたと言うか、テイムした魔鶏に聞いてみたら。
3羽とも一番大きな木にとまってるということを教えてくれた。一番大きな木ってどれ・・・?どれも同じような大きさ何だけどな・・・
一番大きな木に3羽ともいると伝えると、みんな私と同じことを思ったのかどれが一番大きい木かを悩み始めた。
悩むよねそりゃぁね?わかんないよ全く。
悩んでいるとファルコがやってきて、この木だよと教えてくれる。
この木だよと教えてもらってもどこにいるのかさっぱり解らない。綺麗に擬態してるのかな・・・4人でも見続けても見つけられない。完璧すぎませんか?どうしたもんかなと思って居たら、しびれを切らしたファルコが魔鶏をつつき始めてようやくその場にいることがわかった。
3羽ちゃんといたのか・・・探してる間嘘じゃないかと疑ってごめん。
3羽をテイムしてからどの子がオスなのか聞いてからピンク色のお薬を飲ませる。意外なことに一番小さな個体がオスだったみたいで、ピンク色になってしまったら紅一点みたな雰囲気を醸し出している。
急遽買ってきた木材で囲む様にして、卵を産む時はこの中で産んで欲しいことを伝える。
(産むのはいつだって突然!)
と言われたけど、なるべく頼むよ・・・ともう一度お願いしておく。そして私はまた王都へ向かう。今日は侍女様と護衛騎士は緑の地で大きなテーブルを作ると張り切っているので、私と兄だけで出発する。
今日は魔クマを連れて歩くと、王太子に目を付けられそうなので、久しぶりの徒歩にした。
魔クマのキラーちゃんがいかに早いかが実感できるほど歩いた。時間にして2時間ちょっとぐらい。キラーちゃんは偉大だなぁ。
歩いてる間は光魔法で姿を視えなくして歩いたけど、王都に入る時はどうしようかなぁ・・・うーん
「兄さん」
「お兄ちゃん」
「お兄ちゃん」
ものっすごいデレデレした顔をしながら
「なんだ?」
って聞いてくる。そんなにお兄ちゃんと呼ばれるのが嬉しいのかな・・・
「実は今光魔法を使って周りから姿を視えなくしているんだけど、王都に入る時見えないままで入った方がいいと思う?それとも一瞬見えるようにしてその後は見えなくするとか、どっちがいいと思う?」
「ローラのことはずーっと見えないままでいいんじゃないか?俺の事だけ見えるようにすればいいんじゃないか?なんなら今から俺だけ見えるようにしといた方がいいと思うぞ」
「なんで今から?」
「なんとなく」
なんとなく・・・兄の何となくは結構良い線行くから、兄だけ見えるようにして私はその横を見えないままにして歩く。
王都に入る前にこれなら魔クマに乗っても良かったな?って言ってたので魔クマを近くまで1頭呼び寄せておくことにした、いつも預けてる場所に向かう様にと。
帰りは楽して帰ろう。
そしてドリーさんの屋台に行き、兄が嬉しそうにドリーさんに話しかけている。私は姿を現せないから兄に説明してもらって、ドリーさんには私が居ないフリをしてもらう様にお願いした。
私が昨日ドリーさんに渡したお米がさっそく炊きあがっていて、屋台の下に隠れてこそこそっと試食をする。
どちらも遜色なく同じ味がするし、とてもおいしい!水田じゃなくて普通に土植えでもいいんじゃない!となった。ただドリーさんは雰囲気をだしたいから自分の家にあるのは水田で行くと言っている。どっちも美味しいなら自分の好きな方で作ればいいよね。
そうなると土を耕す作業が出てくるわけだけど・・・あーめんどくさいなぁ・・・普通の牛か魔牛捕まえて耕すか?それとも護衛騎士の馬を借りるか?きっと貸してくれないだろうな。
それか湖に浅瀬を作って水田のようにしてしまう?どっちにしろ耕す行為は必要だから、少しでも耕すのが楽な方にしよう。
そしてドリーさんの屋台には明日から2日間お休みしますと書いてあるので、どこか旅行に行くのか?と聞いたら、私たちの住んでる拠点に遊びに行きたいと言うので、是非!と今日は一緒に緑の地に帰ることにした。
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