第162話 またきた
即座に湖の底に水龍族の侵入う不可の付与を施した。とんでもないよ!変わらず酷い、世間を知らなさ過ぎる!
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兄の背中をさすりながら大丈夫?と声をかける。むせててなかなか話せない兄が少しづつ落ち着きを取り戻して最初に言った一言が
「死んだと思った」
と言うじゃないの、解るよその気持ち、だから水魔法か風魔法で顔の周りに空気作るといいよと教えてあげたんだけど、自分と水龍族の周りを空気にしちゃえば泳げなくなって連れ去る事無理なんじゃない?
という考えに至ったので、次もし攫われることがあったら試してみようと思ったし、兄にも伝えておいた。侍女様が帰ってきたら侍女様にも教えてあげようと思う、いつ連れ去られるか解らないしね?
護衛騎士は火が使えるけどそこは自分で常日頃工夫うしてもらうことにしようと思う。火は私の専門外だ。
湖に侵入不可の付与をしたと言ったら水龍族だけじゃなくて、人間もしておいて欲しいと言われたので付与しておいた。兄さんは意外と気が利くタイプだった。
私の言った方法なら人間でも外部から侵入できることになる。ただすべての水源が繋がってると知っている人間のみになるけど、兄は無意識でそのようなことを言ったのか?この兄なので本能的な物なんだろうけど。
兄も私の時のように無理やり連れて行かれたようで、抵抗のしようが無かったと言っている。またフェリシアが連れて行ったのだろうか?誰が連れて行ったにせよもう本当に関わりたくないな。人間は水の中では息ができないと言うことを理解してもらわないとねぇ・・・
兎に角生きててよかったという安堵感ばかりで兄はあまり水辺に居たくないというので、そこまで広くはない土地だけど、水が見えない場所まで移動することにした。
移動したら移動したでなにやら外から人の気配がするじゃない?こちらからは様子を見れるので兄と一緒に見に行くと、なんか見たことあるキラキラした人が居る。本物か偽物かと問われると、たぶん本物かな?って感じ。
一応中からは見れるとはいっても、とてもはっきりと見えるわけじゃないからたぶんなんだけど、お付きの人が少ないから意外と本物かなって感じに思ってる。
どうしようかなぁ・・・出るかで無いか・・・あと数メートルで向こうが緑の地に足を踏み入れるぐらいの距離まで近づいてきている。
兄が王太子と認めて慌てて外に出ようとするのを引き留めた。
「王太子だぞお迎えしないと!」
「やめて関わりたくないのと、あと付与がちゃんとできてるかか確認したいから今はじーっとしていて」
「お前・・・王太子で実験するなよ・・・」
絶好のチャンスなので今やらなくていつやるの?王太子は入ってもいいかも知れないけど、他の従者は絶対ダメだ。
王太子御一行が5メートルの所まで来た
4メートル・・・
3メートル・・・
2メートル・・・
1メートル・・・
バシーンという効果音が聞こえそうな勢いで、王太子のみが緑の地に入ってきて、お付きの従者たちは、従者が乗っていた馬たちだけが緑の地に入ってきて従者たちは馬から弾き飛ばされるように振り落とされて唖然としている。
そして消えてしまったように見える王太子の名前を大声で叫んで大慌てしている。うん、なかなか良い付与が出来たのではないだろうか?
王太子も一瞬唖然とした顔をしていたけど、私たちと外に居る従者の姿を見て、すぐに状況を把握したらしく、一旦また外にでて従者の人達に説明してる。
消えたはずの王子がぬぅっと現れた時に、従者の人達がびっくりしすぎて悲鳴を上げていたのには思わず気の毒に思ってしまった。
従者たちは何が何でもついて行くぞ!という姿勢を見せている気がするけど、まぁなんていうか、女神様の愛し子の付与だからね?
湖の底はわからないよね、水龍族も特別愛されてる様だし。
しばらく王太子の説明が続き、従者の人達はうなだれるようにしてその場で待つことにしたようだ。
先に入っていた従者の馬達は楽しそうにその辺を散歩して、草を食んでいる。湖で水を飲んでる子も居る。本当に王宮管理の馬ですか?と言うぐらいにはくつろいでいる。この地が特別なのか?人間が居ない時はそんな感じなのか?
1日しか経ってないのに王太子がすぐにやってきて正直早くない?とびっくりしてはいるけど、自由人に何を言っても無駄だろう、それに王様になったら自由にできないからと理由を付けて勝手にやってるのだろうけど、実際王様になっても好き勝手やるタイプに見える。
王太子には何を言っても無駄と言う結論を出したので、こちらもこれからは遠慮なく行こうとする。
「すまぬがそこの従者たちも入れてやってくれないか?」
「厳しいです」
「そうか、ならしょうがない、私が直接やり取りすることになるが良いか?」
「はい、かまいません」
ここが緑の地か、不毛の地だったとは信じられないなとつぶやいている、わざと聞かせているのだろうけど、私はあえて答えないし話に乗らない。
そんな王太子に兄は丁寧に接しようとして王太子の独り言に乗っかろうとするから、思いっきり足を踏んでにらみつけておいた、何もしゃべるなと。絶対言質取られて終わるからしゃべるな!と
王太子がなにやらこちらが喋りたくなるようなことを言っているけど私はそういえば土地買って無かったな?しまった!と言う事しか頭に無かったので、王太子の独り言は一つも聞いてなかった。
対してて兄は全部聞いていたようでだんだんと具合悪そうに顔色が無くなっていく。無視すればいいのに。
そうだこれだけは言っておかないと
「あまり湖に近づかれますと、人間ではない生物に水の底に引き込まれるかもしれませんので置きおつけください」
「そえはどおゆことだ?」
「その湖はとある民族の土地に直結しております、その民族がこの湖を作ってくれたようです、先ほど兄はその民族に無理やり湖に引き込まれて、危うく死ぬところでございました」
「そんな硬い話し方をしなくてもよいぞ、いつも通りに話してくれてかまわない、ここには私しかいないからな」
「ではお言葉に甘えて、水龍族って言う民族が居るんです。その民族の村に行けるように繋がっています。人間の常識が当てはまらないのでどうやったら人間が死んでしまうかなどの知識が乏しく、水の中で呼吸できないのを知らないのかよくわかりません。
相手に悪気が無くともこちらは死ぬ可能性が高いので、もし水に引き込まれたら、顔の周りに空気を侍らせて呼吸を出来るように工夫してください。もしくは水龍族ごと空気にさらしてしまえば相手は泳げなくなると思うので、とにかく自分が連れ去られない様に置きおつけください」
「なるほどな、伝承に水龍族の事は書かれているのだが、水龍族には関わらないようにと記されているだけだったのだが、そのようなことがあったのだな。姿かたちは人とは違うと書いてあったのだが、実際はどのような見た目なのだ?」
「子供の時は性別が解らないぐらいとにかく可愛い顔をしています。大人になるとだいぶ変わるかな?でも人間離れした美貌を持っています、肌も日に当たたことが無いような美しい肌をしていて、主食は毒のようです」
「毒?」
「はい、水龍族の村の周りは生命が一切感じられません。森はありますが虫一匹もいないような感じです、水龍族が食べている毒キノコがあぶるだけで半径5キロメートルの生命を死滅させるようでして・・・食べるだけならいいけどあぶられたら死にますね、水龍族は死にませんが」
「そうか・・・こちらは気お付けようがないな?」
流石の王太子も顔が少し引き攣ってる様だ。
「是非残っている水龍族の資料に今私が話したことをお書きください、私の前世は水龍族の毒でしにましたからね・・・」
「災難であったな・・・して前世とは?」
あれ?話してなかったっけ・・・?いや?あ?墓穴掘ったかな!?前世の事は知っていたとしてもサラの事は話してなかったかもしれない!やらかした!!!
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