第153話 侍女様に話す
帰ると侍女様が待ち構えていたようで、お帰りなさいと言ってくれる。思わず侍女様に抱き着いてしまった。私だってそれなりに緊張はしていたんだよ!
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侍女様は私達3人の雰囲気から何事かあったと察したらしく、今すぐ話して欲しいと促され、渋々テーブルに着く。兄と護衛騎士は我関せずと言う感じに、今日は話し合いはしないと言う意志の表れだろう。部屋に戻ってしまった、4人同じ部屋にすればよかったかな・・・私は生贄のように侍女様の前に差し出されてしまった。
私は侍女様にがっしりと掴まれて本当に逃がさない形となっている・・・察しが良い。お風呂入ってカカオを差し出してごまかして逃げようとしていたのがばれてしまっているようだ。
大人しく侍女様に座らされられて、教会であった出来事を話したら。侍女様が頭じゃなくてお腹が痛くなりそうな話ですね・・・っと言ってくるので今の侍女様がそおゆうことを言うとジョークじゃなくて本気で怖いからやめて!!
一旦落ち着こうかな・・・今日はカカオの日なのでいろいろな種類のカカオとフルーツとフルーツジュースともろこし爆弾を机の上に広げて一見楽しそうな女子会の始まりだ。
念のため光魔法を使って私達の姿を見えなくしてみた。王家の影とかついてそうな気がしないでもないじゃない?大事なことは筆談で会話をすることにした。
(これから子育てもあるし、緑の地でこの国の人に家を建ててもらって監視付きの安定した環境で子育しつつ、スイーツ食べ放題で生きていくか。監視や自由を求めて次の国に行くか、その代わりカカオは手に入らないと思う本気で。侍女様はどちらがいい?
究極の二択だけど、こんな大事なことを侍女様に決めてもらうのも気が引けるけど、私たちが今一番優先することは産まれてくる赤ちゃんの事だと思って居る。だから侍女様が好きにしていいと私は思って居る。
国の中に居れば自由ということらしいし、子供が大きくなったら国を捨ててもいいかも知れないしね、そこはどうとでもできると思って居る。だから2.3年先を見据えて結論を出して欲しいと思って居るの)
真剣な顔でうなずく侍女様、ついでに疑問に思ってる事を
(王家の影みたいなのいる?)
うなずく侍女様そして(殺す)
と書いてくる、これは本気ですわぁ・・・でもさっそくあちらさんは約束を破ってくれてるからね?どうしようかなぁ?
(フラッシュしたら影の人達目見えなくなるかな?)
(必殺技は取っておいた方がいいです)
なるほど?フラッシュって必殺技だったんだ
(一応光魔法で姿を見えなくしてるからね、この筆談は見えないと思う)
満足げに侍女様もうなずいている。
これを書いてる途中に実際に合った出来事を話したけど話ながら文字を書くのってすっごい大変だね!もう頭パァーンなっちゃったよね。私器用なタイプではないみたい。
書いた紙はすぐに収納靴下に入れてしまう。光魔法はそのままで女子会だ!モリモリ食べる。
侍女様はカカオばかり食べようとするので、限度と言う物を教えなくてはいけないね?と思い、これは私の!と侍女様からカカオをどんどん取り上げていく。私の意図を分かった侍女様は理解してはいるものの、目の前のカカオを取られてキーキーし始めたので、少しだけカカオを献上する。
影の人達の耳には私が異様にカカオ大好き人間に映っているだろう。耳だけだと多少想像力が働いて主観が入る筈だよね。プロ中のプロなら惑わされないかもしれないけど。まゎからん!
でも、影が居る時点であの話は全部嘘とみなした方がいいだろう王族と1年に1回というのも、怪しい物だ、その1回も舞踏会でとか無くはない話だ、1回は1回だしね?ついでにお披露目かねて王家の所有物として紹介されてもおかしくはない。
うーん、私からの提案をしっかりと書いてみて、それが受け入れられるならよしとしようかな。その為には、王家の言い分も多少なりとも受け入れなくてはいけなくなる。
どこが妥協案になるかを見極めて、改めて王家の希望をと自分の希望を照らし合わせて、妥協できる場所を選んでいく。自由は絶対だから住民板についてるGPSみたいなものは撤去させたいし?
この国に留まってほしいと言うのは全然問題ないんだけどなー落としどころはどこかなーと紙に描いて考えていると、侍女様がふいに
「住民板の位置情報というのはこの国では常識なのでしょうか?」
「あーそれは機密事項だと言ってたよ」
「あぁ・・・なるほど、それならこの国出たら殺されると思います」
「は?今なんて?」
「私も初めて聞く事なので何ともなんですけど、それだけ秘密の事をペラっとしゃべったんですよね?その王太子って人は?」
「うん、本当に王太子かわからないけどね?自称王太子かもしれないし?」
「自称とは?」
「前世には影武者と言う言葉があってね。高貴なお方がいざ公の場所にでて暗殺されたら大変でしょう?暗殺予告がでるたびに、公務をやらないってわけにはいかないじゃない?そんなときは本人にそっくりな偽物が公の場に出る場合があるの、その人のことを影武者って言うんだ」
「それは王族偽証罪で罪に問われることでは?」
「普通ならそうだけど、王族の人が死にたくなくて、お願いねと言ったらそれは命令で下手したら影武者が死ぬかもしれないリスクもあるのよ。もしそれで影武者が暗殺されてしまったとしたら王族は生き残るし。前世の世界ではそれは偽証とは言わずに、身代わりと言ったし罪には問われなかったのよ」
「そんなことがこの世界で通用するのでしょうか?」
「王族の中に前世の国から来てる人が居たらこっそりやっててもおかしくはないと思う、逆に知られた方がまずいから絶対表に出さずにやってる可能性があると思う、身代わり、影武者が居るって知ったら意味が無いじゃない」
「確かに・・・・・普通王太子たるものが簡単に外をうろつけると思いません、やんちゃなタイプならわかりませんが」
「うん、私もやんちゃなタイプだったらあるとは思うけど、何て言うかね違和感?なんか違うんだよね、オーラというか雰囲気というか、ものすごく違和感があったの」
「オーラ?」
「その人の纏ってる空気かな」
「私にはよくわからないのですが、女神さまの愛し子だからわかるのでしょう」
「ドリーさんも解ると思うよ、前世の民族はオーラや空気を読むのが得意な民族だったからね」
「魔法使いが多いのですか?」
「魔法使いは居なかったよ、その人が起こってるだろうなー?とか、今機嫌が良いな?とか相手の気持ちを察する能力が高いと言うのかな?ほんの少し他の民族より人の気持ちが解りやすい民族だったんだよ」
おもてなしや気遣いの話をしたけど、こちらの世界にももちろんあるけど、なんというかまた種類が違うというかね?まったく別物の感じなんだ、あれはあれでよかったけど、気を遣わなきゃいけないのはそれでそれで疲れたよね。
そんな前世での生活を少し話すことにして、夜も更けて行った。侍女様は寝ると言うので、私はそのまま条件の提示を考えることにした。
国外に出るとなったら影が私たちを殺しに来るのだろう。逃げ切れるとは思うけど、侍女様の赤ちゃんの事を考えると、冒険はできないないしなー。
あとはお互いの着地点を求めて、程よい条件を出さないとだめだよね。自分が望んでる条件より相手に高めの条件を突き付けて、お互い探り合いながら私が求める最終提案までにもっていきたいですね!




