第138話 ごろごろと
ちなみに起きたら侍女様も護衛騎士も戻ってきてなくて、今日も一日ゴロゴロすることに決定した。
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兄さんは移住のための分厚い冊子を読んでいる。私は変らずゴロゴロしている。
あたり一帯の緑はと言うと、うん、後退することなくふさふさしている。
色々材料買って来ればよかったなーとか収納巾着に付与しちゃおうかなーとか色々思うことはあるんだけど、今まで大変だったから今日はのんびりしたい。明日から頑張るって思って、昨日今日は過ごしている。
お昼を過ぎたころかな?兄さんも寝そべって一緒になって空を見上げていると、ザッザッっと人の歩く音がしてきた。侍女様と護衛騎士が戻ってきたのかな?って思って音のする方に目を向けてみると。
全然知らない人達が居た。そして私たちの傍まで来て話しかけてくる。
「この緑はどうしたんた?」
どうしよう、まさか人が来るなんて思って居なかったからもし聞かれた時の言い訳を一切考えてなかった!街道からは少し離れていたから大丈夫だと思って居たんだよね油断したわー。
兄さんをちらっと見ると。起き上がって人の良さそうな笑顔で対応しようとしている。ここは私は黙っておこうかな?
「今は居ないんですけど、水魔法を持ってる人がひたすらお水をあげたらこうなったんですよ、今は水魔法の人も居ないしこれからどうなるかはわかりませんねぇ。ところで皆さんはどちらから?」
「俺たちはただの通りすがりさ」
私を見ながらニヤニヤしている。こおゆう奴にはろくなの居ないよね・・・どうしたもんかなと思って居ると
「そうなんですねー私たちは最近この土地を借りて頑張ってみようと思ってるんですよ、何かいいアドバイスありませんか?」
「アドバイスも何も、無駄だとおもうぜ。いろんな人がここで試して誰も成功してない、しいて言うならこれだけ緑があるなら成功なんじゃねーか?」
「そうなんですねーやはり住むのには向いてないんですね」
「でもよーこの木結構大きいし、お前らどれぐらいここに居たんだ?俺たちたまに通っていたけど、見かけたこと無かったぞ?」
「そうですか?私たちは結構前から居ますよ、偶然見かけられなかったのでは?ここも結構広そうな土地ですしね」
何やら5人のガラの悪い人達が話し合っている。5人かぁ・・・それならまぁどうとでもなるから大丈夫だろう。話し合いが終わったのかこっちを見て
「俺たちもアドバイスしてやりてーんだけどよ、それにはやっぱりなぁ?」
何のことかわからないとすっとぼけてる兄と私。何がなぁ?なんだ?と思って無言でいると
「あんちゃんたちよ、出すもん出してもらわないと、なぁ?」
兄は笑顔で収納巾着からおそらく中に入っていた魔物全部を出す。樽6個分。収納巾着3個持たせてたからね。あっこれも侍女様達に持って行ってもらえばよかった!
突然出てきた魔物の死骸にびっくりする輩達。ここで引き下がればいいんだけど。
「お前ずいぶんと狩りしてるな?空間収納持ちか?」
「まぁそんな所です」
「おいおい、この辺で魔物狩るのは大したことじゃねぇんだよなぁ?お前らもそう思うだろ?だからよ、必要なのはこんな魔物じゃねぇんだよ」
とニタニタしながら私の事を見てくる・・・ゲスめ!兄さんの顔を見て目をパチパチしてみる。突然ガバっとしゃがみこんだ兄を見る暇もなく、最大級のフラッシュを出す。
ぎゃぁああああああああああああああああ
という悲鳴が聞こえてくる。相手が目を開けられずにゴロゴロしている間に、少し離れた場所の緑のない不毛の地まで移動して、光魔法で私と兄の二人を見えない様にする。
私はしっかりと椅子を移動させていたので、椅子に座りながらもろこし爆弾を食べる。兄はもうそのまま土の上に座っている。材料を買ってこうやって暇なときに色々と作らなきゃね、時間は有限だ。もう一度決意するけど、無駄に材料を買うのはもったいないしと、メモとインクを取り出して、何を作りたいかをメモしていく。
兄の椅子
みんなのビーチチェア
簡易机
とりあえずこの3個あとは
兄 収納巾着
護衛騎士 収納ベルト巾着
んー?こんな所かなとりあえずはね。のんびりくつろいでると、だんだん目が見えてくるようになったのか起き上がってきょろきょろしている。私の事は見えないはずだから探しているのだろう。
ちくしょおおおおおおおおおお
って叫んでる面白い。兄は苦笑いしている。うっかりこっちに来ないことを祈りつつ、様子を見ていると、昨日緑地化したばかりの土地に火を放とうとしていたので、頭にきてもう一度フラッシュをして全員収納巾着実験用に入れた。
なんて酷いことをするんだろう。さすがにダメだよ自然を破壊するのは。しかも不毛の地でさ?ここまで育ったところを破壊する?
昨日1日で出来たけど普通ならあそこまで育つのにどれだけ時間かかると思ってるんだろう?人としてただのクズだ、百害あって一利なし。役に立てるとしたらこの土地の養分になることぐらいだろう、なんなら魔リスと戦わせようか?
あまりにも頭にきたのでさらに緑地を増やした。池などの水場が出来るといいんだけどなーさすがに引っ張ってくるのはたいへんだよね。
一旦街に行こうかなー?材料など買いたいんだよねー。侍女様達が戻ってきてから入れ替わるべきかどうするべきか?今日も戻ってこないかもしれないし?うーん
変な奴に絡まれて大変だったし、今日は休憩しよう。
憧れていたスローライフに着々と向かっている気がする。いい、とてもいい。兄さんはまた分厚い移住の冊子を取り出して読み始めた。もう冊子じゃないよねこの分厚さは本だよ、いや辞書に違いない。
横にごろんと寝転がっていたらいつの間にか寝てしまっていた。起きたら侍女様と護衛騎士が居て、お帰りなさいって言うと。嬉しそうに小さな板を見せてくる・・・
まさか!?これはっ!?リケーネ国の住民板では!?
「えっ、もう移住できたの?試験受けたの?いつの間に勉強したの?」
気になりすぎて一気にまくし立ててしまったけど、仕事柄リケーネ国のことは大体知っていたということで、二人は勉強するまでもないという話だったようだ。
侍女様はわかるけど、護衛騎士まで?文字読めるの?この人も結構頭いいのか・・・そりゃそうか神経衰弱凄いもんね。
戻ってきた二人には兄が今日あった出来事を話したようで、輩が入ってる収納巾着を目の前に置く。どうする?この人達?と意見を募ったけど、みんなそのまま収納巾着破壊していいんじゃないですか?どうせ街に戻ったところでろくな事しないでしょこうゆう人達は。
と身も蓋も無いことを言っている。そうなんだけど!そうなんだけどさ!何にも使えないと思うけど、一応取っておこう、ちゃんと収納巾着にも書いておこう人間が入ってると。何かあった時に擦り付ける様だ。ご利用は計画的にだね。
棒人間を2人入ってる所には2人描いて、3人入ってる所には3人の棒人間を書く。我ながら良いアイデアだとニマニマしていると、なんだか少しほほえましい顔で侍女様に見られている気がする。
最後に付与してから何も付与してないことを伝えて、明日は私と兄が街に向かうことにした。付与した私が離れるとどうなるか?という実験と、兄がもう移住試験を受けると言う。大丈夫なんだろうか?
街に行くのに馬車で行こうと思って居たら、護衛騎士は馬を貸してくれないと言うので、侍女様の魔クマに乗っていくことにした。護衛騎士の収納巾着を作るのは一番最後にしようと心に決める。
次の日の朝、さっそく魔クマに乗って街に向かおうとしたら、魔クマの胸のあたりの毛皮が真っ赤になっている・・・
侍女様に昨日のご飯はどうしたの?って聞いたら、自由に自分で食べておいでと言ったらしい、なるほど・・・これは・・・返り血か・・・ちょっと印象がよくない。思わず笑ってしまった。
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