第129話 初めてのまともな会話?
兄の足をツンツンつつく。何ともないようだ、本当にしびれてるのかな?麻痺じゃないよねぇ?麻痺直す薬草なんだったっけ・・・王宮から借りてきた薬草辞典を開く。
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3人は何か言いたげにこちらを見てる・・・あまりにも視線が気になるから
「何か?」
と声をかけると、よくもまぁお尻に引いたなんて話が浮かぶもんだね!と3人でワーワー話し始めた。娯楽が必要なのだろう放っておくことにしたけど・・・
「いいですか?みなさん!今あなた方がご飯を食べれるか食べれないかの瀬戸際にいます!私が何を買ってきてみなさんに食べてもらうかは、私の心次第と言うことです!」
「俺の妹は天使だな!誰もが振り返る美人なのに心まで美しいなんて!」
「あなた様の忠実なるしもべゾロでございます、何なりとお申し付け下さい」
「我が妹ローラ。姉さまは貴方がとても優しい子でとても嬉しいですよ」
みんな言ってることがめちゃくちゃだよ!
「3人でおしゃべりでもするか寝るかして時間をつぶしてくださいね。ちなみに、下の世話になりますが・・・トイレ行きたい感覚はないですか?その場合、移動手段にはいったん収納靴下に入ってもらいます!私一人だと運べないので!」
みんなシーンとなってる、必死に尿意や便意を確認んしているのだろう。もしかして感覚が無くて駄々洩れになってる場合も捨てきれない、念のため問答無用で確認してみると、誰も粗相はしていなかった。ちょっと不思議だね?どうなってるんだろう?
「ご飯は適当に買ってくるから大人しくまっててね」
宿を出てるときおかみさんがどうだい?と聞いてくるので、事情を話したら具のない栄養たっぷりのスープを作ってくれると言う。何て優しいんだ!
今日はカボチャが安く手に入ったから、カボチャをすりつぶしたスープを作ってくれると言う。出来たら部屋に持ってきてくれると言うので、ありがたく部屋で待つことにした。
みんな元気そうだから放っておいても大丈夫だと思うんだけど、下が気になるよね。宿にご迷惑かけるわけにはいかないしね。
部屋に入る前にギャーギャー言い合ってる声がするから少し立ち聞きをすると。
身体が動かないだの、あれは油断してたわけじゃないとか、下の世話になるのだけは嫌だ!とまぁいろいろ言ってる。あの魔リスはどうしようもなかったと思うよ。
部屋に戻って魔リスは収納巾着の中にいるけど、私はテイムしたいと言うと、みんな微妙な顔をしている。だってファイティングポーズ取る魔リスなんて絶対面白いじゃない!
「そうやって変な物抱え込んで面倒になっても知りませんよ」
って侍女様が寝たまま言うから侍女様のベッドに横になって
「キラーちゃんどうしようかなぁ・・・テイム解除しちゃおうかなぁ・・・」
と言ったら黙った。少し眠かったのでそのまま侍女様のベッドで寝てしまう。侍女様暖かい生きてるんだな良かったって安心する。
部屋をノックする音で目覚めて、カボチャのドロドロスープを受け取る。侍女様、護衛騎士、兄の順番に食べさせていく。大丈夫今回はこぼさなかった!
ご飯を食べたら眠くなったのかみんな寝てしまった。元気そうに見えて身体の負担は大きいのだろう。
私もゆっくりシャワーを浴びてから夕飯を食べることにした。気分転換に出かける気にもなれない。のんびり本を読みながらご飯を食べていたらレオンが現れた。
いくらなんでもいきなり部屋はダメじゃない?と思うけど、言わないでおく。前回はちゃんとノックをして入ってきたと言うのに・・・1つ許されるとすーぐその場に入ってくる。気を引き締めないとだ。
「皆さんどうですか?」
「目は覚めたんだけど身体が動かないみたい、不思議とトイレは行かなくていいみたいどうなってるんだろう?」
少し残念そうな顔で私の事を見ている。なんでよ大事な事じゃない、3人も動けなくてトイレいけないとなると私が連れて行かなきゃいけないし、なんならもしうっかりムムして大惨事なんてことになったらねぇ?
「ローラは本を読むのが好きなんですね」
「うん、楽しいじゃない?レオンは読まないの?」
「レオの時にさんざん読んだので今回は全然読んで無いですね、幸いなことにレオの時の知識も失われてないようなので」
「そうなんだ、私は結構忘れちゃってるよ。前世のことは特に、サラのこともはっきりとは」
「そうなんですね、前世の話を聞きたいです」
「どんなことを?」
「うーん、この世界と違う所とか、どうやって生活していたのとか、結構興味があります、だいぶ違いますか?この世界と?」
「そうだね、全然違うよ。前世には魔法とスキルは無かったし、みんな平民だったし、娯楽が一杯あったよ。真夜中になっても明るかったし、なんなら夜中十大騒ぎすることもあったよ。それにねライトがねこうやって光ったりするんだよ」
クリスマスのイルミネーションのような光魔法を使う。
「へぇー凄いなー光魔法にこんな使い方があるなんて、狩の時と暗い時ぐらいしか使ってませんでしたよ」
「私の光魔法は隠れ魔法なんだ、隠れスキルもあるよ、サラの時は空間魔法だったんだ、だから空間収納だけじゃなくて空間全体を魔法で使えたんだけど、今は空間収納だけになっちゃってて、サラの時にやりたかったことができなくて残念なんだ」
「何をやりたかったんですか?」
「うんとね、空間と空間をつなげてどこにでも行ける扉を作りたかったの」
「ん?」
紙を持ってきて、ペンで端の2か所に丸く書く。
「例えばここはヴェルト国の両親の家だとするでしょ、そしてこっちの丸は今私たちが居る場所。この丸をくっつけることが出来る扉を作りたかったの、空間魔法なら空間同志繋げられると思ったんだ、やってみたかったなー」
紙を折り合わせて丸をあわせて説明した。あまりピンときた顔をしてない感じがする。まぁそうなるよね説明してる私だってよくわかってない。
「転移魔法は転移魔法を使える人が居ないと転移できないですけど、この理論の空間魔法だと、空間魔法を使える人が扉を開けないとだめって感じではなさそうですね?」
「うん、扉さえ設定しちゃえば誰でも通れる感じになると思う、やれなかったからわからないけど」
「うーん、もし出来るようになっても絶対作る前に皆さんに相談してくださいね?これは国家転覆狙える魔法だと思います」
「そんな事には興味ないよーのんびりほどほどに暮らしたいもん、必死に働きたくない!自分に都合のいいように使いたいだけ、リケーネに住んで魔物はドレ国で売るとかそのためのドアを設定しておけば、レオンがもしいなくてもいつでも売りに行けるでしょ?」
「ローラらしいです」
初めてまともにこんなにしゃべったなぁ?サラの時だってこんな普通の会話はしなかった。普通に話せば普通の人だった、たまにタガが外れてとんでもないことしてるけど、とうかこの部屋に入ってきてること自体ね?
「私の両親はどうしてる?」
「そうですね元気があると言うとウソになってしまうけど、旅行は良い気分転換になってるようですよ」
「そっか、よろしく頼むね」
「任せて下さい」
そう言って帰るかと思ったら帰らず、私の斜め前に座ってる。私は本を読むことにした。3人が元気ならとても穏やかな時間なんだけどなー。
本を読む前に、息をしているか確認をする。下の方も平気そうだ。どうなってるんだ本当に。
レオンにもろこし爆弾を少しだけあげる、ほんの少し。余ってるフルーツドリンクも上げた。とても嬉しそうに飲んでいる。こうしてるとイケメンなんだけどね・・・調子に乗ると突拍子もないことするからねぇ。
残りのご飯を食べながら本を読む。リケーネ国に住むならこちらの言語を覚えないとなー本を読みたいしなーと思ったけど目の前にいるじゃない。
「ねぇ、今度ベルト国に行って本を買いたいのだけど頼まれてくれる?」
「もちろん、いつでもいいですよ」
「ありがとう」
リケーネ国言語の辞書とかあったら買いたいな。
だいぶ夜も更けてきたので私は寝るよと言って、寝ることにした。着替えたりしてる間にレオンは帰って行ったようだ。
今日は一人でベッドを占領だ!のびのび寝ちゃうぞー。
朝起きると、兄が身体を起こしていた。
「兄さん起きたの?自分で?身体動く?トイレ行く?」
「トイレは・・・行った・・・自力で・・・」
「ほんと?」
「ほんとだ!」
「もしかして・・・ムムしちゃった?片づけてあげようか?」
「大丈夫だ問題ない。それよりお腹すいた、スープが食べたい」
昨日のじゃがいもドロドロスープを飲ませよとすると、手は動くようになったから自分で食べると言う。この様子ならすぐ歩けるようになりそうだね。
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