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だらだら生きるテイマーのお話  作者: めぇー
第6章
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第127話 少し会話

一瞬魔リスは討伐したと嘘言おうかと思うも、言えない・・・そして魔リスが収納巾着に入ってるなんてもっと言えない・・・


ーーーーーーーー


「ありがとうございました、すみません御代は」


「リケーネ国の住民じゃないのかな?」


「そうです、先日こちらに来たばかりで」


「移住を考えていたりはするの?」


「はい、とても気に入ったので移住のしおりをもらっているのでそれをしっかり読んでからとは思って居ます」


「そっかそれなら、一人金貨10枚で三人で金貨30枚になります」


金貨30枚をお渡しして、お医者様が帰っていく。安いね?医療費。この金額なら病気になっても安心かな。


一向に目が覚めない3人を眺めつつ、流石に夕飯を買いに行く気にはなれず、ぼーっと座っていたら、ドアがノックされておかみさんが気を遣ってくれたのか、夕飯を1人前持ってきてくれた。感謝して受け取り食べることにする。


暖かいシチューだ。美味しいな・・・このまま3人が目覚めなかったら心配だなと不安になっていると、またドアをノックする音がしたので扉を開けてみるとレオンが居た。


思わずほっとした顔をしてしまう。中に入ってもらう。


「何があったのですか?」


と聞かれたので、すべてを話す。とても不安だったこと魔リスは今収納靴下にいること、侍女様の乗り物も収納靴下に入れたと言った時にはほんの少し苦笑いしていた気がしたけど、とても不安だったことを伝えると思わず涙が出てしまった。平気なフリしていたけど怖いようだ。


3人を失ってしまうかと思ったこと、自分が何も役に立たなかったこと、フラッシュすら思いつかなかったこと、3人が目を覚まさなかったらと思うと怖い。


涙が止まらない。だって本当に怖いんだもん。今まで自分が先に死んでしまっていたからこんな思いをしたことが何かった、残された人がどれだけ辛い思いをしているかなんて知らなかった。


涙が止まらずわんわん泣き続けていると、レオンがそーっと抱きしめてくれて背中をさすってくれる。今はそれが心地よい。


「手を離せ」


地獄の底からよみがえったような声がした、振り向くと兄が目だけでこちらを射殺さんばかりで見ている。


「兄さん!!!良かった」


すぐさまベッドの側に行くと


「ローラに怪我は無いか?大丈夫か?」


「何も無いよ、怪我してないよ、兄さんが目覚めなかったらどうしようってとても怖かったの」


「大丈夫だよ俺は生きてる。ただなぜだか身体が動かないローラのことを抱きしめてやりたいんだけど、できなくてごめんな」


と言ってくるから余計に兄に抱き着いて泣いてしまった。目の端で少し勝ち誇ったような顔をした兄の顔が見えたのは気のせいだろう。


「ところであの魔リスはどうした?」


「収納靴下に入ってる、侍女様の魔クマも入れた グスッ」


「そ、そうか・・・収納靴下か・・・ローラが無事でよかったよ」


「兄さんが目を覚まして良かった、今日は一緒に寝る狭いけどいいでしょ?」


「俺はローラと一緒に寝れるのは嬉しいぞ」


ベッドに上がり込んで兄の温もりを確かめる。生きてる証拠だ。グスグスしていたらいつの間にか寝てしまっていた。


目を覚ますと兄の上に足を乗せてしまうような寝相になっていて、ハッっと目が覚めた。兄を見ると寝ているようだ。大丈夫そうでよかった。


侍女様と護衛騎士の様子を見ると、まだ寝ているみたい。途中起きて何か行動したような形跡は見当たらない。そして椅子にはレオンが座っていた、あっ忘れてた。


「おはよう」


「おはようございます」


「レオン今両親とはどこまで進んでるの?」


「そうですね、まだ1/5も進んで無いですね。野宿は大変だろうと思ってなるべく町の宿に泊まるように、少しだけ移転したりして移動しています。ちゃんと追手が居るかいないかを確認しているので大丈夫ですよ」


「そうなんだ気を遣ってくれてありがとう、今日も進むんでしょ?」


「はい、こちあのお三方は大丈夫そうなのでそのまま進めます。」


「ありがとうね、本当に感謝している」


少し転移してるとなると、魔猛禽たちが付いていけてるのか気になるから後で連絡を取ってみよう。


「早くローラの顔を親御さんに見せてあげたいですね、きっと喜ぶと思います」


「うん、そうだね・・・」


「何か思う所があるのですか?」


「昨日3人を失ったかと思ってね、でもその時心は石のように固くなってて何も感じなかったの、生きててよかったとは思ったけど、時間が経つにつれて失っていたかもしれない恐怖が出てきたのと、残される側の気持ちがものすごくわかった、自分がなぜ生き残ったのか、なんで自分では無かったのか、どうしてなんでってすごい思った」


「その気持ちはよくわかります」


「今まで私が誰よりも先に死んでたから、しょうがないじゃないぐらいにしか思えなかったの。レオンもサラが死んだとき、こんな気持ちだったの?」


「そうですね、絶望しました。そしてご飯が食べれなくなりそのまま死んでしまいました、今思うと最悪の死に方ですね」


「そっか・・・だからと言って私の生活にズカズカ入り込んでくるのは違うと思うよ、気持ちは理解できるようになったけど・・・でもダメなことはあると思う」


「それも理解しています・・・ちょっと暴走しすぎたなと、でも再開できた時の喜びもわかるでしょう?」


「それはそうなんだけど・・・とにかくね、親しき中にも礼儀ありっていうぐらいだから、いきなり線を踏み越えてきてほしくないかな?サラの時だって心は許してなかったよね?」


「そうなんですよね、全然見向きもされませんでした」


「しょうがないあの時は本当に貴族と平民だったんだからさ、それに前世の記憶もあったし無理なもんは無理とおもっていたんだろうね」


「ローラは過去形で話すんですね」


「うん、そうだね、レオンはそうじゃないみたいだね。今は今で過去は過去だよ。そこは間違えちゃいけないと思う。今回レオンは平民なのにね?」


「・・・・・・そこに私の入る余地はあると!?」


「それはどうかな、でも同じ平民と言うのは大きいと思うよ?」


「兄ちゃんは許さないからな!!!!!!!!」


「あっ起きた!どう?身体動く?動かない?ゆっくり動かしてみて」


「ちょっとは動くようになったけど、でも全然だな、今日は移動できそうにもない」


「解った宿の人にもう3泊する様に頼んでおくね」


「頼んだ、それとそこのレオンは早くおやじとお袋の所にいってやってくれ」


「かしこまりましたお義兄様」


「俺は認めないからな!」


「大丈夫だよ恋愛感情全然ないからね」


ニコニコ兄と落ち込んでるレオン。レオンと一緒にフロントまで降りて行きおかみさんにもう3泊したいことを伝えてレオンと別れた。


部屋に戻り、収納靴下からご飯を出して食べようかなと思って居たら、おかみさんがまた気を遣ってくれて、朝ごはんを1人前持ってきてくれた。とてもありがたい。


そして、今日一番大きな部屋のお客様がチェックアウトする用で、大きい部屋に移動する?と聞いてきたので、頼むことにした。病人?達を移動させるときは声をかけてくれれば旦那さんが手伝ってくれると言う。


下手に移動させて騒ぎになっても困るからお願いすることにした。収納靴下ならすぐなんだけどね・・・でも意識が戻ってるから本人が嫌だろうし、これでいいかと納得する。


侍女様と護衛騎士はまだ目覚めないから、兄にスープを食べさせてあげる。私が大事にしていたたまご塩スープだ。味わってね・・・と思いつつ最初のひと匙は失敗して兄の顔面にぶちまけた、卵が!もったいない!


頭の下に枕を高く引いてあげて少し身体を起してあげた。最初からすればよかったのかもしれないけど、ほらめんどくあ・・・・・成人男性の身体を起こすのは大変かなと思って、やれないことは無いだろうと思ってやった結果です・・・ごめんね・・・

本日もお読みいただきありがとうございます


面白いな、続きが気になって思った方は

イイネ ☆☆☆☆☆ ブックマークいただけるとうれしいです

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