第100話 あれは・・・
とうとう100話目です
ここまで続けられたのは読んでくださった皆様のおかげです
本当にありがとうございます
「考えてみるよ・・・」
ローラには素敵な人を見つけて欲しい、レオンも早く諦めたらお互いに幸せになりそうなのにと思いながらレオンと別れた。
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思った以上にローラの前世が波乱万丈だった、女神さまの愛し子なんて聞いたことが無い、死なない刺繍のハンカチは知っていたけど、愛し子が魔羊を引き連れて作ってるってこと?
「魔羊の毛で守りのハンカチの刺繍をしているってことは、魔羊が選んだ子が愛し子?」
「愛し子だから寄ってきている可能性もある、実際誰が作ってるか知らないからな」
「そうだよね、知ってるのはごくわずか、私は知る立場では無かった、それに水龍族?なにそれ・・・近寄らない方がいいって言われても、特徴が無ければ避けようがない」
「見ればわかると言ってたし、人離れしてるんじゃないか?」
「それならいいけど、で?このスライムが寄ってきたってことは?もしかして今世も愛し子ということ?」
「いやそれは無いだろう、ちょっと変わった普通の子だし、愛し子って感じでは・・・無いとは言い切れないのがローラだよな」
「そうなんだよね、でもレオンが言っていたけど、愛し子を止めたがっていたから早く亡くなったって言うのは、逆に言うと女神さまから愛されすぎてて怖くない?愛し子いやだー!って言ったら死んで生まれ変わってスライムもよてくるはハトも寄ってくる・・・それって・・・」
「愛し子超えてるよな、死なないと愛し子から逃れられないとしたら、今は愛し子という肩書が無いだけだけの、女神さまから凄い愛されてるただの人間ってことだろ?」
「どうなんだろ?でもその線が濃厚だよね、なにせこのスライムだもんね・・・しかもバージョンアップって聞いたことないんだけどなにそれ?何にバージョンアップするの?」
「さっぱりわからねーな?でも何にバージョンアップできるかによって、俺も食べられてみたいものだ」
スライムはローラの顔を覗き込む様にふよふよしている。部屋に戻ってきてもずーっとその体制だったから、ずーっと見ていたのだろう。少しレオンと似た粘着質な・・・
「私たちはどうする?このまま一緒に行動を共にしていいのだろうか?もし女神さまのなにがしかの意図があるなら、それに沿った行動をしたほうが良いのかな?」
「お前意外と女神様の信仰厚いよな?」
「私が本気でこの生活から逃げ出したいと祈ったら、今のところに拾われたからね・・・暗殺の仕事はどうなの?って思うしやることあまり変わってないけど、少なくとも衣食住は補償されてたし、毎日お腹いっぱいにご飯食べれたし、ベッドのある部屋で寝れたからね、感謝はしているよ」
「まぁそうだよな、俺も貴族の末端で必要のない人間だとずーっと自覚して生きてきたけど、女神さまに俺のことを信じてくれるいい女を下さい!って祈ったらお前が現れたしな」
「なにそれ、そんなこと祈ってたの?さぁもう寝ようか?きっと女神さまは悪いようにはしないよね、私はローラと居ると楽しいから最後まで一緒に居たいな」
「俺もそう思ってる、退屈しないしな?ほんと食い意地が張っててついつい食べ物を買い与えたくなるんだよな」
「わかるーご飯を目の前にしたあの顔はもう、ほんと見てるだけで幸せになれるよ。王宮で監禁されてた時は性格変わっちゃうだろうなーって思ってたけど意外と変わらず計画的に変えてるしさ、あれはあれで凄いなと思ったけどね」
「馬鹿なフリしてるのか、本当の姿なのか時々本気で迷う時あるけどな?」
「それそれ、紙一重ってやつだね」
二人で一つのベッドに横になり、護衛騎士の手が怪しい動きをしてきたけど、ツネってそのまま寝た。
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夢を見ている
私に似た少女は私だ
魔羊に連れていかれて
おばあさんが住む小さい小屋に居る
水中に引っ張り込まれて水龍族の村に
女神様の愛し子から逃れようと必死だった
レオにまとわりつかれてたな
ハトもいたラロもいた
親もいた
昔から食い意地が張っていた
隠れスキルを報告したら職を失った
夢で見たのは全部私が経験したことだ
思い出した
ラロの特殊なバージョンアップも
なにもかも
なんで夢を見たのか
なんで今なのか
どうしてラロが目の前に現れたのか
どうしてハトが私のそばにいるのか
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ゆっくりと深い眠りから覚醒していく中で、前世のことを思い出したこのに気がついた。あの時だって別にレオンは嫌いじゃなかったんだよな。
レオンが前世のことにこだわるのもわかる気がする。けどまた同じ人生を歩みたいとは思わないからな、前世の前世も思い出したというか、いやなんだか複雑すぎるな?
あれか知恵熱出ちゃう?出ないよね。私はこれで発明王になれる!と少し興奮するけど、今回の人生で監禁されたことを思うと、便利なものをぽんぽんとは発明できないな。うまいことやらないと。
それに前世では女神さまの愛し子だったけど、今回はどうなんだろう?魔羊もいないし、大丈夫かな?ラロはそばにいるけど・・・前世でテイムを解除しなかったから、魂レベルでつながってしまったのだろうか?
女神様に意図があるなら、きっとあの時死んだのは私が愛し子から逃れたいと思ったからに違いない。
もしかしたら前世で持っていたスキルを持ってるかもしれないから後でいろいろと試してみないと。
成長スキルを持っていたら、スローライフにはもってこいだ!あとは前世思い出したことを侍女様と護衛騎士になんていうかだなー受け入れてくれるかなぁ・・・
そんなことを目をつぶりながらベッドの上でゴロゴロと転がりながら考えていて、目を開けたらラロが目の前でふよふよしていた。なんだかとても疲れそうな体制に見えるけどさすがスライム?
「ラロおはよう、全部思い出したよ。ラロは私の為に何のバージョンアップをしてくれたの?え?毒耐性をつけた?あぁ・・・そう・・・前回毒で死んだから?え?私毒で死んだの?なんで?え?フェリシアが毒キノコを焼いたのが原因?でもすごい離れてたよね?ん?半径5キロメートルは生物が死に絶える猛毒だった?あーだから水龍族の土地には命を感じなかったのか、だから村からご飯の良い匂いがしなかったのか、納得だね。水龍族は毒食べて生きてるのか・・・」
二度と水龍族には近づかないでおこうと思う。あとは
「魔羊はどうしてる?名前なんだったっけ、完全に全部思いだせたわけではないみたい、ところどころ抜けてる気がする。ラロは私をバージョンアップするときに前世も思い出させようとしたの?
それはしてない?私が勝手に思い出した?そうなんだね。
ラロはどうしてまた私と一緒に居ようと思ったの?それは魂でつながったから?前世でテイムしたけどそれと魂が結びつかないんだけど?え?運命の相手?番?番は無理じゃない?
そおゆう番じゃなくて魂の番相手?よくわからないね、レア達のかんがえてることはわからないよ、人間の世界で番が表れても問題ない?それはいいんだ、よくわからないね・・・
レオ?レオはいいかな、ラロがいいなと思う人が居たら教えてね?でも前みたいに猪突猛進で誰にでも挑もうとしないでよ?私が辞めてって言ったらやめてね?わかった?無視しないで、そうじゃないと一緒に旅行しないよ?
いい子いい子一緒に旅しようね、でもあまり高い果物はねだらないでね?レオに買ってもらえばいい?いいよ、レオとは距離を置きたい。え?今世でもお金を持ってる匂いがするって?いや・・・それでもいいかな・・・
いいラロ?レオの話はもうだめ、女神さまの愛し子として私と接するなら、今すぐお別れする、ラロは私のことどう思ってるの?魂の番?じゃぁいいっか。愛し子だから魂の番と思ってない?違う?違うならいいよ。これから仲良くしようね」
パッと見たら侍女様と護衛騎士が目を見開いてこちらを見ていた。
「おはよう、全部おもいだしちゃった」
そうだろうともという顔をして二人はうなずいた。ご飯食をゆっくり食べて、新しい場所に出発しがてら話すかなー
また新し第一歩だ、いろいろと知識を思い出したのならちゃんと活用しないとだめだね。よりよく生きるためにスローライフを目指して!
本日もお読みいただきありがとうございます
面白いな、続きが気になって思った方は
イイネ ☆☆☆☆☆ ブックマークいただけるとうれしいです




