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ミスリルゴーレム

 「そう言えば、そなた鉱夫と聞いたがミスリルを掘っているのではないのかえ」

 「はい。ただ、採れないのです」

 「枯渇しておるんじゃないのかえ」

 「いえ、あるのはあります。実は、ゴーレムとしてミスリルが存在しておりまして、倒さない限りミスリルは手に入らないようなのです」

 「ゴーレムとはなんじゃ」

 「通常は主人が地水火風いずれかの力を使い、作成した泥人形の事です。ただ、今回の、仮にミスリルゴーレムと称しますが、自然発生したゴーレムのようなのです。その強さは大変強力で、誰も倒せないのです」

 「どうじゃ良子、藤子。倒せそうかの」

 「やってみます!」

 良子と藤子が同時に返事した。

 「では、芝四郎殿。案内してもらえるかえ」

 「いや、こちらのお嬢さん方がゴーレムを!無理ですよ!」

 「まあ、百聞は一見に如かずじゃ。行くぞえ!」


 次郎もついて行ってるが、正直、戦力と思われていないようである。

 次郎は内心ほっとしている。自分は盗賊だが、戦った事はない。その分、逃げるのは得意だ。

 ただ、良子と藤子の強さが疑問だ。先日、買い占め事件の時に葵に近づく用心棒たちを一応撃退していたが‥‥

 相手はミスリルゴーレムだぞ‥‥

 ゲームで出てきたら結構中ボスとかじゃないのか‥‥

 

 鉱山の中を葵たちが進んでいく。

 良子と藤子は薙刀を手に勇ましく歩いていく。

 芝四郎はいつミスリルゴーレムが来るかと恐る恐る案内している。

 暗い鉱山の奥から怪しい光が見える!

 「いました!あれです!ミスリルゴーレムです!」

 芝四郎が良子と藤子の後ろに隠れる。

 良子と藤子が薙刀を構える!

 ミスリルゴーレムが姿を現した!

 ミスリルゴーレムが良子と藤子を視認する!

 「はあああっ!」

 ミスリルゴーレムの重い攻撃を掻い潜り、二人の薙刀が閃く!

 良子が袈裟斬りに撃てば、藤子が斬り上げる!

 ミスリルゴーレムを二人が圧倒する!

 

 「これは!強い!お二人はいったい!」芝四郎が驚く!

 勿論次郎も驚いている!

 良子と藤子がジャンプしながら薙刀を振りかぶる!

 「トドメです!」

 二人の薙刀がミスリルゴーレムの頭部を打ちのめした!

 ミスリルゴーレムの身体が瓦解する!

 芝四郎が興奮して喜んでいる!

 「ミスリルです!ミスリルですよ!」

 「これだけあればいけそうだな」次郎も言う。

 

 相当なミスリルを手に入れ、葵たちが芝四郎の小屋に戻る。

 「おお。これはいいミスリルじゃな。大幅に作成を変えることになるじゃろう。わしも手伝おう」と、雲じいが言う。

 「本当ですか!ありがとうございます!」

 そこからは芝四郎と雲じい二人の世界となる。

 各回路にミスリルを使い、プログラムを入力していく。二人の中に入っていけない。寝食を忘れて没頭するほどに。

 同じ部屋にいながら葵たちと二人との間に見えない壁があるようだ。

 だが、二人の大好きな事を集中して作成していく姿は見ていて清々しい。

 

 人形に人の心を込める。

 実際には心となる回路の作成だ。

 しかし、二人はその先の感情部分を作るのに苦戦している。

 ミスリルという金属は特殊な素材で、魔力が混ざる事で武器の形状を変化させるなどが可能になる。

 記憶や言語、会話などはミスリルを使う事で改善出来る。今の段階で会話が既に出来るようになっている。

 感情を作るにはどうすればいいのか‥‥

 

 徹夜となり、葵たちが屋敷に戻り就寝している中、芝四郎と雲じいは汗にも気づかぬほど試行錯誤している。

 

 「おお。こんな時間か。少し休憩せぬか」

 「そうですね。気分を変えないと‥‥」

 芝四郎がお茶を煎れて二人で一息ついた。

 「のお。芝四郎殿の人にしたい気持ちは作りながら伝わった。彼女は恋人じゃったのか」

 「はい。静子といいます。私と彼女は幼なじみでした‥‥」








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