盗賊のオレが姫と旅に出ることになるなんて！　～盗賊のオレは貧しい生活から抜け出したいと思っていたが何故か姫と世直し旅をすることに～

　鍵屋を生業とする山田(三十歳)は二十四時間対応で毎日仕事していた。疲れも溜まり睡眠不足だった事もあり、気づけば対向車と正面衝突して即死してしまった。
　しかし、異世界に転生して十三歳の次郎となる。次郎は太助と共に義賊として富裕な屋敷の小判を盗み、貧しい者たちに分け与えていく。
　それから五年経ち、いつまでも貧困が無くならないのは王の政策がおかしいと、城を狙うことになる。そこで次郎は、ある姫と出逢うことになるのだ……。
　共に一年間旅をすることになった葵と次郎たち一行は花見に行く途中、貧しい集落を偶然発見する。悪どい領主の仕業と分かり、葵は町から大工、寝具、衣服などすべて新しく村人のために作り替えた。村人から感謝されながら葵たちは次の目的地へと向かう。
　名所彭丈園に向かう途中、藁の動物を飾る集落を見かけた葵はそれが気になって屋敷を降りる。藁の動物は水害から集落を守るための魔除けであることがわかった。
　だが、根本的に治水が不十分だと思った葵は大規模堤防建設を行う。数千人導入の人海戦術で下流域、さらに津波対策の堤防を完成。
　集落の者たちから藁の姫を葵に見立てて新たな守り神として飾られているのを見て、葵たちは彭丈園に向かう。
　その後、葵たちは子供の泣き声を聞きつけ、その母が衰弱して動けなくなっていることを知り、これを与平とともに解決する。
　また、暑い時期に激しい行事を行う村で次々に倒れていく男たちを熱中症と判断してこれを助けていく。
　最南端の先住民の村では初めての友達テオと出会う。テオは話す事が出来ないが耳と鼻が鋭く、葵たちとともに土砂崩れの被害者を救いに行く。
　また、全国的に夫の暴力に悩む妻を救済するシステムを作り、溢れていたゴミ問題も次郎の提案により、分別して捨てるようになっていく。
　道も町も綺麗になり、葵の活躍は新調完治による小説により、全国的に知られていき、葵は英雄扱いされていく。
　旅も終盤を迎えた頃、葵の隠された事実が明らかとなり、次郎たちはそれに抗うために立ち向かう！