ブタのポン太
昔、昔とても意地汚い、じいさんとばあさんがいました。
じいさんとばあさんは貧乏なのでお金が大好きでした。
ブタのポン太を飼っていました。
「大きくなって丸々太ったら食ってやるからな」
じいさんの口癖でした。
しかしある日ポン太は逃げ出してしまいました。
「あのクソブタめ。帰ってきたら早速食ってやる」
そして暫く経ってポン太はとても美しい顔をした少年と
帰ってきました。
じいさんはポン太を屠殺用の斧で殺しました。
「おいガキこいつはどこにいやがった」
「それは残念ながら教える事が出来ません。」
少年は言い去っていきました。
そして山に入って少年が取っていたのは松茸でした。
あたり一面松茸でした。
少年は動物の言葉がわかる妖精だったのです。
ポン太は生前に少年に会い言いました。
「このままではじいさんとばあさんに食われてしまいます。
しかし僕は松茸の匂いを嗅ぐ事ができるのです。これでじいさん
とばあさんは金持ちになって僕は助かります。どうかじいさんが
僕を殺さなかったら、この松茸の群生地をじいさん達に教えて
あげて下さい」
妖精は姿を消しました。松茸を全て取り終え。
一言呟きました。「おお怖い。人間程身勝手で恐ろしい生き物も
この世にはいないだろう」
ポン太には墓が作られていました。