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ツンデレ騎士様が溺愛してきます。 〜魔女の呪いでこうなったと言われましても〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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19/29

19:選択を間違えたラルフ様。




 コンコンと控えめなノックのあと、ラルフ様の柔らかい声が聞こえました。


「イレーナ、御父上には一旦引き上げてもらった。それから、君の実家と商店には騎士団から警備を送った」

「……」

「イレーナ。君を、君の大切な人々を傷付けてすまない」


 ラルフ様の何かを堪えたような声が気になって、そっと扉に近づきました。


「イレーナ、扉の前に来てくれたんだね」

「っ⁉」


 何故か言い当てられてしまい、キョロキョロと辺りを見回したのですが、誰もいません。いえ、まぁ、それはそうなのですが……。


 騎士たちはそういった人の気配などを察知する能力が高く、訓練もしているとのことでした。


「君の穏やかな心根が、話しているだけでいつも伝わって来ていて、一緒にいると安心できた。その君が心を痛めている。だから、それを解決したかった。私が、取り除いてあげたかった。私は選択を間違えたようだね」

「…………大嫌いです」

「ん。でも私は愛しているよ。もう君を手放そうなんてしないから……顔を見せてくれないかい?」


 そんなことを言われたら、部屋から出ざるを得ないではないですか!


 ゆっくりとドアノブを回し、扉の隙間から廊下をそっと覗きましたら、扉の隙間から節ばった手がガッ! と入り込み、ガッチリと扉を握られてしまいました。


「イレーナ」


 ラルフ様が扉を全開にし、私の首の後ろに右手を差し込んで、グイッと引き寄せて来られました。

 ぽすんと彼の胸に抱き着く形になり、慌てて離れようとしたのですが、腰をガッチリと抱き留められていて、逃げられそうにありません。


「ラ……ラララルフさま?」

「ん?」

「あの、お顔が……その、とても…………」


 先程までは赤く腫れていて、もしかして? という程度だったのに、今は明らかに腫れているうえに、目元辺りまでそれが広がっています。


「気にしないでくれ」


 ――――いや、あの、気になります!


 腫れている頬にそっと手を当てましたら、物凄く熱くなっており、驚いて手を引こうとしましたら、ラルフ様に手を握られ止められてしまいました。


 すり、と私の手で頬を撫でるように触れさせたあと、「冷たくて気持ちいい」と仰られました。

 冷やしましょうと言っても、聞いてくださいません。


「嫌だ」

「ええぇぇぇ?」

「…………これは、君を手に入れるための勲章だから」


 プイッとそっぽを向き、ちょっと照れくさそうに唇を尖らせたラルフ様は、胸がキュンキュンするほどに可愛かったです。




次話は、明日19時頃に投稿します。

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