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お茶会のお誘い?

「あれ? なにこの封筒??」



 机に置いてあった封筒を見る。

 ジェフェリー殿下の筆跡に似ている。招待状と書かれている封筒が……


 もしかしなくても私へのお誘い? そう思い封筒を確かめるが宛名が無い。私の机の上に置いているのだもの。私宛よね? そう思い封を開くジュリアナ。




【入学おめでとう。話したいことがあるんだ。明後日の十六時に私のサロンで待っている。会えるのを楽しみにしている】



 もう! ジェフェリー殿下ってば……口下手なんだから! 確かにあまりお話はなさらないタイプだけども!


 話したいことってなんだろう? いつも私ばかり話しかけているから、新鮮だわ!



 学園のサロン……王族にのみ与えられる特別な場所よね。



 もしかして……ふふっ。


 確かに私は美しいと昔から評判でしたもの。町で貴族の子息にも声をかけられた事もあるんだから!



「あら? ジュリアナ様、ごきげんよう。どうかされまして?」



 先日の件は誤解だったと揉めた貴族の令嬢達が謝ってきたから許してあげたの。


 貴族が平民に謝るなんてね! 許してあげないといけないものね……いつも気取っているあの貴族の令嬢がよ? ざまぁ無いわね。学園は身分なんて関係ない。殿下だって一生徒なんですから。



「えぇ。お茶に誘われましたの。ジェフェリー様のサロンへ……」



「……あら。そうですの。殿下からですか?」



 不思議そうな顔をする令嬢。それもそのはずジェフェリーは真面目で浮気をするような人柄ではないと多くの貴族がそう思っている。




「ふふっ。仲良くしてくださいますのよ。私のようなものにもお優しくて、このような場を作ってくださって素晴らしい方ですわ」



「そうですか……」



 令嬢はチラッとジェフェリーの婚約者と言う()のセリーナ様を見た。



 いつもセリーナ様は平民の男子生徒に市民の生活について聞いているの。何が楽しいんだか……? 変わった人ね。



 それにジェフェリー様の婚約者と言いながらも一緒にいるところを見たことが一度もない。


 貴族によくある政略結婚と言うやつなのかもしれない……愛がないのに結婚させられるジェフェリー様が可哀想だわ!



 平民二人の男子生徒は、よく恥ずかしげもなくセリーナ様と話がしていられるわねぇ。貴族の令嬢なんて表向きしかいい顔しないのに、まんまと騙されているわよ。バカな男たち!



 紫の髪色に同じ様な透き通った紫の瞳、肌は透明感があってまるでお人形のような美しさだけど、ただそれだけでしょう?



 見目はいいけど婚約者に相手をされないような可哀想なお方。



 だから平民の男子生徒と仲良く話ができるんだわ。貴族としてのプライドがないのかしら?



 変な人!




******



「今日こそはお茶に誘えましたか?」



「手紙を書いてセリーナの席に置いてきた」



 まさかの席替えがあったとは気が付かないジェフリー。



「まさか! 直接渡してはいないと言う事ですか?」


 毎回驚かされる側近達。



「机の上に置いてきた。その方がラブレターっぽくていいのではないのか? 流石にカバンの中に入れるなんて出来ないぞ! 勝手にセリーナの私物には触れられん」



「その辺の気遣は出来るのですね……」



「当たり前だろ!」



「セリーナ様からお返事が来るといいですね」



「セリーナはいつも必ず返事をくれる。楽しみにしてます。なんて言われたらそれだけで胸がはち切れそうだ! セリーナ好みの茶器を用意したんだ! 茶菓子は一口サイズのものを数種類準備するように言っておかなくては! セリーナの口は小さいからな」



「はいはい。伝えておきますよー」



「もっと親身になってくれよ!」



「はいはい。おしゃべりはお終い、お仕事しましょうか」



「……すまない。ノルマはこなさないとな」





 まさか別の人間に手紙が渡ることになるとは思ってもいないジェフェリーだった。







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