表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

謎の旅行Ⅲ


 翌朝、錫は沖縄の郷土(きょうど)料理(りょうり)をたらふく食べた。

「沖縄の食べ物ってこんなに美味しいのぉ~!──錫ちゃんずっとここに居たい」

「ははは…夕食は晴美がもっと美味しい料理をごちそうしてくれるよ」

「それは責任重大──腕を振るうから楽しみにしててちょうだい」

「わ~!これよりごちそう!?──錫ちゃんもうお腹が減ってきた!」ミツと晴美は目を大きく開けて笑った。

「それじゃ、そろそろ準備をしようかね」

三人は登山の服装に着替え、今度は晴美の運転で出発した。目的地までの所要時間はたったの十五分ほどだった。

 

「えっ…ここ!?──ここで登山…?」

錫が連れて行かれた場所は、沖縄本島の最南端(さいなんたん)にある沖縄(おきなわ)戦跡(せんせき)国定(こくてい)公園(こうえん)だった。

「ここはね、沖縄戦の激戦地(げきせんち)だった場所だよ。〝百聞(ひゃくぶん)一見(いっけん)()かず〟ここには平和(へいわ)祈念(きねん)資料館(しりょうかん)があるから、まずそこに行くよ」

 錫は言われるまま平和記念資料館に入って、(にわ)かではあったが沖縄戦の知識(ちしき)を得た。

 「私…沖縄って海が綺麗なリゾート地っていうイメージしかなかったわ…。こんな()歴史(れきし)があったなんて…。なんだか世界観が変わっちゃった」 

 平和記念資料館の目の前には【平和(へいわ)(いしじ)】が放射(ほうしゃ)線状(せんじょう)に広がっていた。ここには刻銘(こくめい)()と呼ばれる黒石が百十八基()(れつ)()していて、約二十五万人の戦没者の氏名が(きざ)まれている。

 「日本の兵隊(へいたい)さんも国籍(こくせき)の違う軍人(ぐんじん)さんも、もちろん民間人も──沖縄戦で亡くなったすべての人たちの名前がここにあるんだよ」

「なんだか胸が痛むわ…」錫は刻銘碑をさすりながら平和の礎を見て回ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ