景品は誰に?
そして、夕方になり、村の方から銃弾の音がした。
「終わりよ。帰るわ」
とアリエはブブを抱えて歩いて行った。
俺は帰るにしてもあまりの感覚のなさに動けずにいると、ベータが左肩で俺を抱き上げゆっくり歩き始めた。
「外神、大丈夫か? また筋肉痛か、情けないな」
「ベータ、いいんだぜ。置いていっても」
「そういうわけにいかないだろ? 今回のヒーローは外神なんだから」
「いや俺はただ、リリの力を借りて、自分にできることをしただけで」
「それが出来るのはお前しかいないんだよ」
「ありがとうな」
あまりヒーローとかそういう言葉になれていなかったから、ピンとはこなかったが、ベータが怪我をしているのにもかかわらず、運んでくれている状況が俺の頑張った証なんだと思った。
小さく、可愛いゴブリンの体が光り、小さな粒が空へ舞っていく。
「あれは?」
「たぶん、あのゴブリンが食べた人たちの魂なんじゃないかな?」
「こんなにも、犠牲になっていたんだな」
俺は幻想的な景色をその粒が空に消えるまで、ずっと見続けた。
次の日、酒場に向かった、俺とベータは、数が少なっている参加者、そしてブブ、アリエなどと会った。
ブブは俺に対して少し怯えてながら身を隠した。
ドアを開け、村長が入ってくる。
「このたびは、ゴブリン討伐ご苦労。犠牲も多少はあったようだが、目当てのゴブリンも倒せたそうじゃな」
村長の言葉に反応して、ブブが村長に近づいた。
「俺が倒したんだぜ」
ベータはブブに対して、怒りの表情を向けた。
「あいつ、まだあんなことを言ってやがる」
俺もベータの怒りは分かる。だが、今揉め事を起こしても仕方がないし、それに格下の相手に手を出すのは、あのゴブリンにブブがやったことと変わらないと思ったからだ。
村長はブブに目を向け、周囲に目を配った。
「ブブ、今回は残念じゃがお主ではない」
「ちょっと待てよ! 俺が.......」
しばらくしてバルブが入ってきた。
「俺が見てたじゃねえ。もう勝負がついているところに追い打ちをかけただけじゃねえ」
「そっそんな事ねえ」
「そういう事じゃ」
「くっそ! わかったよ! アリエ行くぞ」
アリエは動かない。
「おい! アリエ聞いているのか?」
「ねえ、ぶっ飛ばされたくなかったら、早く消えて。もう終わったの、薄汚い手下でいるのは」
アリエはブブに殺気を出していた。恐れたブブは走って家を出て行った。
「となると、今回の景品は誰になるんじゃ?」
「そこにいる青年じゃねえ」
バルブは俺に指を指した。




