ブブの勝利?
ブブは立ち上がり、ナイフを空にかざした。
「はっはっはっはっ。俺がこのゴブリンを倒したぞ! これで俺が褒美をもらえる!」
リリは疲れはてたのか、肩から落ちそうになってので、俺は手の中でそっと抱きしめた。
「お前らも見たよな? 俺が倒したんだ!」
アリエとベータはゴブリンを倒せたことで気が抜けているようで、ブブの言葉が耳に入ってきていないようだった。
俺はブブの行動、そして言葉に納得がいかなかった。
「おい、それ、本気で言っているのか?」
「本気? お前が一番近くで見ていただろ? 俺が倒したんだ」
「どれだけの犠牲を払っているのかわかっているのかよ!」
「そのために雇った。命を金で買ったんだ。俺はちゃんと払おうとしたんだけどな」
「お前は! それでも人間か?」
ブブは俺を鼻で笑い、その後大笑いをした。
「お前は馬鹿なのか? 人間以外が金で人を雇うなんてこと出来るわけねえだろ。それにお前、体動かねえんだろ? いいぜ。ゴブリンの犠牲になったって言ってやるから」
ブブは俺にナイフを向けた。確かにブブの言う通りだ。俺はリリの力を借りているとはいえ、かなり無理をしている。今は感覚がなく、麻痺している感じだ。
自分の体だが、動かせるかどうかもわからない。握力も感じない。
でも、俺にもプライドがある。
「お前、そんなに俺にぶっ飛ばされたいのか?」
俺は怒りを超えた怒りで、ブブを睨みつけた。ブブは怯え声が震えながらも
「お前、良い気になるなよ! お前ごとき俺でも倒せるんだから」
「なら、やってみろよ!」
ブブは叫ぶながら俺にナイフを向けたが、それを救ってくれたのはベータだった。
ベータは俺を右手一本でかばってくれ、その右手にはナイフが刺さり、血が出ている。
「おい! ベータ!」
「外神、ちったあ、俺にもかっこいい思いさせてくれよ」
とベータはブブを蹴りあげた。まだ青の気が残っていたため、ブブは10mほど飛んで行った。
ベータは痛そうにナイフを抜き、手を押さえている。
「大丈夫かよ!」
「こんなの死ぬより平気さ。今生きているのだって、外神のおかげ」
「だとしても、こんな怪我を負わなくても」
「負わなかったら、頭の中でしか思い出が残らないだろ?」
「馬鹿だな。お前」
「ああ。馬鹿だよ」
ベータは痛みに耐えながらも笑い、それに対して俺もつられて笑った。
ベータの行動を見ていたアリエはににをベータのところに向かわせ、手の部分だけ結界を張った。
「これで一時的には怪我の痛みはないはず。帰ったらちゃんと治療することね」
「ありがとう!」
「勘違いしないでほしいんだけど、一応、アリエがそうしてって頼むから、そうしただけ」
俺はアリエを見ると、アリエは照れ臭そうにそっぽを向いた。




