ただ見ていることしか出来ず
「......終わった?」
安堵の表情を浮かべる俺と力が抜けたように座り込むベータ。
「助かったんだよな? 外神?」
今は呼び捨てにさせてもなんとも思わない。寸前のところで俺は生き残ったのだから。そして目線をゴブリンから横に向けると....ピンクの髪をしたアリエが立っていた。
「このタイミングで!」
アリエはゆっくり俺に近づいてくる。俺は確信したんだ。ゴブリンではなくアリエにやられるのだと。アリエは俺の前に立ち怪訝な表情をしながら見下している。
そして俺の顔をぴっぱたくアリエ。
「あんた、忠告されたはずよ。なんで逃げなかったの?」
アリエの口調は怒りそのものだった。
「いや、身長的に対して変わらないし、疲れていそうだから勝てるかと」
「死にたいの?」
「んなわけないだろ!」
「あっそう。でももう遅いわ。ついてきなさい」
と体に疲れのある俺とベータはアリエついていった。その先にはアリエの使いのニニが結界を張っており、その中にブブ、ボディーガード、数人の参加者がいる。
「どういうことだよ?」
「救えるものまで放置しておく気はないから」
「でも、お前は俺を......」
意味がわからない。殺すとかいいながらも、やっていることは人を守っていたり。
「とにかく死にたくなければ、その結界から外に出ないことね」
「出ないって、じゃあゴブリンが襲ってきたらどうするんだよ!」
「雑魚は心配性なのね。安心して全員倒すから」
アリエの目はマジだ。多分だが後半戦が始まる前からこの考えがあったのであろう。疲弊しているベータと俺は素直に結界の中に入った。
結界の中に入って数分後、ウインクをするゴブリンや、笑顔のゴブリン、陽気にダンスを踊っているゴブリンが結界に近づいてくる。身長は俺と同じくらいの170cm、そのゴブリン達を一人で相手しているアリエ。
「すげえ、でも今の俺なら手助けが......」
俺は友情チケットを他に持つと、俺にしか聞こえないくらいの声でニニが話しかけてきた、
「無理だよ。この結界に入っている間は」
「どういうことだよ?」
「この結界の中では潜在能力が使えないってことさ、もし本気でアリエを手伝いたいのなら、ここから出て」
.....190cmで勝てなかったのに170cmのゴブリンに勝てるわけがない。
俺はそっとチケットを片付け、ただ結界の中からアリエが戦っている姿を見ていることしかできずにいた。




