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油断大敵

「ウググググ」


真剣な表情を少し曇らすゴブリン。それを見て得意げな顔をするベータ。

やっと痺れの効果が効いてきたか。......痺れ。ゴブリンよ、お前の気持ちが分かるぞ。俺もやられたんだ。だが申し訳ない。やられる前にやらなればいけないんだ、同情など出来ない。すまん!

ベータが青い気の力を使い、一瞬で近づくと殴りかかるモーションに入る。

ここだ!


「俺の潜在能力よ! ベータの力を上げてくれ!」


ベータには気が見えていなことが残念だが、ベータの足には青い気が、殴りかかろうとしている手には赤い気が混じっている。気の操りかたが上手い。羨ましい。ゴブリンはもがこうとするが痺れて動くことが出来ない。


「食らえ!」


ベータの拳はゴブリンの体にヒットし、倒れる。ベータに纏っていた赤い気は切れ、青い気も徐々に消えかけている。ベータは安堵の表情を浮かべた瞬間、気はベータから離れて行っているのだろう。ベータは俺にニコッと笑いピースをしてくる。


「ああ、お前は凄いよ」


実質一人で2m未満のゴブリンを倒してしまうのだから。

ただ、不思議なことが一つある。疲労度が感じられないのだ。戦闘で一度でも能力を使えば、少しの疲労度が襲ってきたりはしていたが、今回はまるでない。二回使えば休憩が必要なくらいだ。自分の潜在能力が上がったと思いたかったのだが、その推測は全く違うものだった。俺がゴブリンに目を向けるとゆっくりと立ち上がろうとしている。


「あいつ、まだ死んでねえ!」


倒せたと心のどこかで安心をしてしまったのか、状況を飲み込めず焦っている俺とベータ。なんせ、今持てる最大限の力で倒すことが出来なかったからだ。


「外神。もう一回だ! 早く!」

「そんなことすれば、俺もベータも動けなくなってしまう」

「その時はその時だ! その前にこいつをどうにかしないと!」


確かにベータの言う通りだ。こいつをどうにかしない限り、次はない。だが、どうにかしたところで、安泰というわけではない。俺は非常に難しい決断を迫られていた。

ゴブリンの痺れは切れているらしい、立ち上がると同時に雄叫びをあげる。


「外神、早く!」

「どうやって近づくんだよ! 今のお前じゃ!」

「やるしかないだろ!」


......やるしかないのは分かっている。だが、最悪な結果しか導きだせない。俺は友情チケットをしまい、異世界チケットに変え、ベータだけでも逃した方がいいんじゃないかと頭の中がぐるぐるしている。


「外神!」


外神が前を向くとゴブリンが外神に向かって走ってくる。2m未満のゴブリンは脳が発達しているのか、誰から倒した方がいいかが瞬時に判断できるみたいだ。俺は異世界チケットを握り


「俺の潜在能力よ! 防御....」


と言いかけると、お疲れゴブリンが真横に吹っ飛ばされる。


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