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巨大なゴブリン

参加者は各場所に散らばりゴブリンが半径10キロほどの範囲で現れるらしいのでまあそれなりに広い範囲ということは分かった。煙を上げて10分ほど経つと大きな足音とともに『ブォオオ!』という叫び声が聞こえて来る。とうとう始まってしまったんだな。多少の緊張して面持ちをしている俺に対して、ベータは手を握り、引きつった顔で俺を見ている。


「だっだ大丈夫なんんだよ! おっれがついているかぁな」


イントネーションも言葉も大丈夫そうに見えないのだが。それでも俺を励ましてくれていることは分かる。ベータだってイベントに参加すること初めてなんだ、怖い気持ちは分かる。ベータの震える体が少し面白く見えてしまった俺は、『ぷぷ』っと笑ってしまった。


「なっ! 何が面白いんだよ!」

「正直に怖いって言えばいいのに」

「怖くなんかねえ! よ! バカにしているのか! 俺はこの村でずっと生きてきているんだぞ」

「はいはい」

「信じてねえな! このやろう!」


おいおい。言葉使いが荒くなっているぞ。そこまで余裕がないのか? ただ、誰かがいてくれるから、このようなやり取りができる。危険と隣り合わせかもしれないが、同じ時間、同じ状況、共通の敵を持つつ仲良くなるというのはこういうことか。と身をもって体験することが出来た。


ベータを戯れあっていると、俺たちの前からドスン、ドスンという音が聞こえ木が左右に揺れている。俺たちは息を呑み。じっと音のする方を見ていると、木をなぎ倒し、3mほどのゴブリンが俺たちの前に現れた。強靭な肉体、鋭い牙と角、そして怒りを表したかのような顔立ち。大きい方が弱いということは聞いてはいるものの、こんな見た目で現れたらどう考えたって.....


「強い決まっているだろ!!!!!」


俺とベータはとにかく逃げた。ゴブリンは面白がっているのか? 不気味に笑っているように見えた。


「外神! どうにかしろよ!」

「どうにかしろって、あれは一発であの世行きのパターンだ!」

「弱いんだよ!大きいゴブリンは!」

「だったらベータに任せた!」

「ふざけんな! 俺より強いくせに何言っているんだよ!」


と押し付け合いが始まった。あたりまえだ。見た目があんなんじゃ誰だって言葉を信じるはずがない。会ってみて初めて分かることがあるのだ。


「仕方ない! 二人で立ち向かうしかないな!」

「そうだな! 裏切るなよ!」

「外神、お前もんな」


と同時に振り返り、ゴブリンを目の前にした。お互いに冷や汗を掻きながら、息を整えようと必死になり、自分の恐怖を押し殺そうと必死だった。


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